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景表法ニュースレター バックナンバー

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弁護士出身の実業家・林田です。

 

前回ご紹介した「大正製薬パブロンマスク事件」。

同社が措置命令後に行ったプレスリリース(>リンク

によると、弁明の機会において消費者庁が示し

た説明は、消費者庁がこのマスクにウィルスを

付け48時間白色蛍光灯を照射しても二酸化炭

素の放出は増えなかった(ウィルス等が分解さ

れたら二酸化炭素が増えるという前提)、とい

うものであった(このように消費者庁自ら実験

を行いその結果を弁明の機会において説明する

というのも極めて異例)。

対し、消費者庁が第三者委員会への諮問の際に

示した説明は、大正製薬が行った試験は太陽光

に匹敵する強さの光でそこから室内光での結果

を計算により導いているが、そのような手法は

JIS規格とは異なるもので、一般的に認められ

ているものではない、と結論付けています。

 

ここで注目されるのが、消費者庁が途中でロジ

ックを変えた、ということです。

つまり、最初は、自ら行った実験で大正製薬社

のエビデンスを覆そうとしたものの、それでは

分が悪いと見たのか、「大正製薬のエビデンス

は手法がJIS規格とは異なるもので一般性が

ない」という形式論にロジックを変え、それを

第三者委員会も認めています。

この第三者委員会のメンバーは、行政担当者と

総務省官僚。

彼らからすると、ウィルス云々の実験内容の当

否は判断しがたいので、JIS規格というプレス

テージな規格に依拠したロジックの方が乗りや

すかった、ということのように思えます。

弁護士出身の実業家・林田です。

 

景表法のカギとなる2つのプレステージ。

その一つは、プレステージな規格に基づく実

験、です。

 

私がこのことを痛感したのは、「大正製薬パブ

ロンマスク事件」を通してでした。

もつれにもつれたこの事件。多少長くなります

が、2幕からなるそのタイムラインをまとめて

みるとこうなります。

 

まずは第1幕。措置命令が下るまで。

消費者庁が一旦下そうとした措置命令を書き改

めるという異例の出来事があった。

 

1.大正製薬はパブロンマスク365の広告に

て、マスクについた「ウイルス」や「花粉アレ

ルゲン」が「太陽光でも室内光でも」「分解さ

れ除菌されます」と訴求していた。

 

2.2019年1月15日消費者庁が大正製薬に1

の広告の合理的根拠の提出を要求し、同30

日、大正製薬が提出。

 

3.同年3月5日弁明の機会付与通知(その際

に、予定される措置命令の内容開示。その内容

は、「資料は提出されたが合理的なものとは認

められなかった」がテンプレートで本件もそう

であったと思われる)。

 

4.同年3月19日大正製薬は弁明書を提出

(そこでは詳細な根拠が示され、また、措置命

令が下されれば争う旨が記載されていたものと

推察される)。

 

5.消費者庁は3月の措置命令ドラフトを書き

改めて提示した上で弁明の機会を再設定し、

同年6月7日に通知。6月17日に大正製薬弁明

書提出。

 

6.5の17日後の7月4日、消費者庁は大正

製薬に措置命令を下した(テンプレート型)。

 

次に第2幕。措置命令の後、大正製薬は消費

者庁が弁明の機会において示した実験を批判す

るプレスリリースを即座に行い、その後法的手

段を採ったが、結局敗北に終わった。

 

7.同年10月1日、大正製薬は消費者庁に不

服申立(審査請求)。

 

8.不服申立を受けた消費者庁は措置命令に関

わっていないものを「審理員」として選任。

審理員は措置命令相当の意見書を提出(時期不

明)。

 

9.2021年9月29日、消費者庁は諮問説明書

を添付して総務省の第三者委員会に諮問。ここ

での理由付は審理員意見書の理由付と異なって

いた。

 

10.委員会は、5回審議(21年11/1、

11/25、22年1/13、2/17、2/25)

・消費者庁は22年1/25、資料提出

・2022.3/1第三者委員会は、消費者庁の結論

妥当と答申

・なお大正製薬には21年10/11に、反論あれ

ば10/25までに提出せよと通知するも、大正

製薬は何ら提出せず(第三者委員会結論P10)

 

11.2022年3月1日、第三者委員会は措置命

令が妥当との結論を示した。

弁護士出身の実業家・林田です。

 

景表法違反を追及するフローが、調査→合理的

根拠の提出要求→弁明の機会→措置命令→課徴

金と進むことはこのメルマガをお読みになって

いるみなさまはご存知のことと思います。

 

そして、措置命令を争うには、(1)審査請求

(総務省の第三者委員会に回る)と、(2)取

消訴訟(東京地裁に提起)と二つの手続がある

ことも多分ご存知でしょう。

 

また、措置命令は公表されるものの、「資料は

提出されたものの合理的なものとは認められな

かった」と述べるのみで、「何が合理的根拠な

のか」「合理的な根拠を用意したいと思ったら

どうしたらよいのか」という前向きな指針が全

く得られない、ということも多分ご存知のこと

と思います。

 

そんな中で、私たちは、昨年もみなさまから沢

山の相談を受け、その現場の経験から「何が合

理的根拠なのか」「合理的な根拠を用意したい

と思ったらどうしたらよいのか」ということに

ついて、おおよその指針を得ています。

 

年初に当たり、このどこにも書かれていないナ

レッジをみなさまにお伝えしたいと思います。

それは、結論的には、プレステージ(権威性あ

る)なエビデンスがとても重要だということです。

これには、二つの種類があります。

一つは、プレステージな規格に基づく実験。

もう一つは、プレステージな医学論文。
 

弁護士出身の実業家・林田です。

 

今日はQ&Aです。

 

Q.4000円の化粧品の定期コースを実施して

います。縛りなし。いつでも解約可。

現在、定期を続けている方々に対し、年初に、

「バースディプレゼント企画」を発表しようと

考えています。

このプレゼントはいくらまで可能ですか?

 

A.1.平均的期間思考の考え方については以

前お話ししました。

 

2.この考え方からすると、次のように考える

ことができます。

(1)過去1年間、この商品での定期コースの

売上合計を出す。

(2)その合計額を頭数で割る。

(3)そうすると、平均的に考えて、定期顧客

が一人当たりいくら使うのかがわかる。

(4)本件は総付景品であり(MAX20%)、バ

ースディプレゼントなので年1回のプレゼント。

(5)(3)(4)を合わせ考えると、(3)が3万

円だとしたら、バースディプレゼントのMAX

は6000円ということになる。

弁護士出身の実業家・林田です。

 
今日はQ&Aです。

 

Q.今月から化粧品のサブスクを始めようと考

えています。毎月1万円払い、10程度の化粧

品の中から3個選びます。いつでも解約可。

このサブスクに申し込むと1万円相当のビタ

ミンCサプリがもらえ、5回続けると1万円

相当のコラーゲンサプリがもらえます。

この企画はOKですか?

 

A.1.本件企画のプレゼントは購入に対する

プレゼントなので、総付景品に当たります。

 

2.総付景品の場合は、購入金額分母に対する

2割がプレゼントのMAXです。

「ONE to ONE」(購入品と同じ物をプレゼン

トするのはOK)という例外もありますが、本

件は、「化粧品購入に対しサプリプレゼント」

なので、これには該当しません。

 

3.本件は、「分母」をどう捉えるかがKEYです。

1回目のプレゼントは1万円しか購入していな

いことから「分母」を1万円と捉えると、プ

レゼントは2千円がMAXになるので、1万円

のビタミンCサプリプレゼントは景表法違反

となります。

2回目のプレゼントは、5回継続が条件なこと

から「分母」を5万円と捉えると、プレゼン

トは1万円がMAXとなります。

1回目のプレゼントも合わせるとプレゼントは

2万円になるので、こちらもNGとなります。

 

4.しかし、「消費者庁の景品Q&AのQ69」

に依拠して「分母」を拡大することが可能です

(Q69はこちら>リンク)。

つまり、「8割くらいの人は大体何回続ける

か?」と考えます。

仮にこれが6回だとすると、本件の「分母」

は6万円となり、その2割=1.2万円のプレゼ

ントはOK、ということになります。

 

5.以上の言わば「平均的期間思考」の考え方

はとても使える考え方なので、是非マスターし

て下さい。