被験者数をどう設定するか?(2) ~239 号~(2024/05/29) | 景表法ニュースレター バックナンバー

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弁護士出身の実業家・林田です。


被験者数=サンプルサイズをどう設定するか?

今日はその2回目。

定性的に決定するやり方です。

 

イ.定性的に決定するやり方でポイントになる

のは、先行研究です。

つまり、「先行研究からすると本研究で妥当な

サンプルサイズはN20×2」といったロジック

になります。

 

ロ.イの説明だけだと、あまりに「決めつけ」

という感じがするので、有意水準や検出力に言

及する例もあります。

たとえば、「薬理と治療」51・7.1054(東洋新

薬)がその例で、

「予備検討の結果(未公表)をもとに、有意水

準0.05、検出力0.8とし、脱落中止を考慮し

て、N20×2」としています。

 

ハ.有意水準0.05、検出力0.8はほぼ決まり

なので、効果量だけ先行研究を引用する例もあ

ります。

この場合、効果量は、(アクティブ群の平均値

-プラセボ群の平均値)÷(プラセボ群の

SD)という計算式で導きます。

 

たとえば、変化量がアウトカムだとして、アク

ティブ群の平均値が2.2、プラセボ群の平均値

が2.0、プラセボ群の標準偏差が0.8ならば、

(2.2 - 2.0)÷0.8=0.33となり、効果量=0.33

となります。

 

ただ、効果量=0.33だとかなりのN数になる

ので、これをそのまま採用するかどうかは一考

するところで、単純な定性的アプローチ(イの

やり方)に留める例もあります。