【批判か趣味か】イタリアファシストを描いた超問題作「ソドムの市」! | 優しい世界・還暦の逆襲

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こんばんわ~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!

高校生のときからアナーキストで、公安警察4人にマークされてた千坂さんの理論、いくつか読みましたが、トークほどぶっ飛んではいなくて、けっこう、当時の思想的混沌の話が多かった。

あと、満州国がらみで、日本が敗れた後、蒋介石と毛沢東の間で戦われた最終戦争「国共内戦」についてもWikiで読んだんですが、周恩来とアメリカのマーシャル将軍が意気投合したり、追いつめられた蒋介石が、なんとソ連のスターリンに援助を求めたりと、もう目からウロコな話が多かった。なんで日本の学校はそういうことを教えないんですかねー。

それはともかく、イタリアファシズムと言えば、伝説になっているこの映画↓




もしかしたら、Amebloに削除されるかもしれませんが、ぼかしだらけだけど、超ヤバい雰囲気はなんとなく伝わったかと思います。

これは、イタリア人のパゾリーニという監督が、1975年に制作した映画「ソドムの市(原題:SALO)」というやつなんですが、各国で上映禁止続出の超超超問題作!!!
舞台は、戦争末期、ナチスによって建国された、ムッソリーニの傀儡政権。

映画にムッソリーニに相当する人物は登場しませんが、「大統領」、「大司教」、「最高裁判事」といった4人の権力者が、付近の町から美少年・美少女を拉致してきて、変態行為の限りをつくしたあげく、片っ端から虐殺するという、それだけの話です。

パゾリーニ自身は、共産党員で、バリバリの左翼。元々詩人だったので、映画監督になってからも、ストーリー性よりは、個々の場面の芸術性を重視するという作風で、高い評価を得ていました。

「奇跡の丘」という、キリストの生涯を描いた作品は、「左翼のパゾリーニに、キリストの映画が撮れるわけないだろう」という事前の評判を見事にくつがえし、素晴らしい内容で、バチカン関係者を絶句させたと言います。

そして、パルチザンだった兄を、ファシスト政権に殺されたパゾリーニは、この「ソドムの市」で、ファシスト批判をテーマにした、とされています。実は、変態行為の限りを尽くすと言う部分は、「サディズム」の語源となった、フランスのマルキ・ド・サドの小説「ソドムの120日」から持ってきたストーリーなので、実際のムッソリーニ共和国(サロ共和国)が、このような行為を行ったと言う事実はないんですが、パゾリーニ流のファシズム批判とされています。

↑パゾリーニ監督。いかにもインテリぽい。


しかし、「ソドムの市」が公開されるやいなや、その凄まじい内容に、賛否両論が巻き起こります。「素晴らしいファシズム批判」という声もあれば、「単にパゾリーニの趣味じゃねえの?」という声もあり、実際のところ、現在でも賛否半々くらいでしょうか。

実は、この映画が、現実世界におよぼした「伝説」が二つ。

ひとつは、パゾリーニ自身が、この映画の公開直後に、殺害されたこと。
彼を殺害したのは、パゾリーニに同性愛的関係を強要された、出演者の青年の一人とされていますが、右翼の殺害説もあり、いまだに謎です。

そしてもうひとつは、この映画を見たある日本人が起こした事件↓


1979年に起こった、大阪の「三菱銀行立てこもり事件」いわゆる「梅川事件」です。
犯人の梅川昭美は、銀行の女子職員に猟銃をつきつけ、「おまえら、『ソドムの市』を知っとるか」などといって、服を脱ぐ事を強要したり、男子銀行員を射殺するなど、昭和の犯罪史に残る事件となりました。

ちなみに、最近制作された、究極のグロテスクホラー「ムカデ人間」↓

グロ警報発令!


の監督であるトム・シックス(オランダ人)は、最も影響を受けた映画は?とのインタビューで、即座に「ソドムの市」と答えていました(  ゚ ▽ ゚ ;)

まあ、なんともかんともですがw、ソドムの市の中に、気になるセリフがあります。


そうなんです、ファシストこそが、真のアナキストだと言っているんですよ。
最初は、単にパゾリーニ監督が、ファシスト正当化のセリフで入れたかと思っていたんですが、ムッソリーニの思想の源流や、千坂恭二氏の発言を聞くと、実はこのセリフは伊達じゃないのかなと、いまさらのように思いましたよ。
しかも、兄をファシストに殺害されているパゾリーニ監督の脚本なんで、それなりの重みもあるし。

あと…。


↑この部屋は、ファシストのおっちゃんたちの「控え室」なんですが、よく見ると、壁一面に未来派の絵がペイントされてます。未来派が、ファシストと親和的なのも有名な話ですよね。


↑ラストでは、犠牲者の少年少女が、このように残虐な方法で虐殺されていくんですが、ファシストのおっちゃんたちは、連合軍に逮捕されるでもなく、楽しそうに去って行きます。

実際、変態行為や虐殺行為をやるときも、とても楽しそうなんですよね。
パゾリーニ監督は、一体何がやりたかったのか?

興味がある方は、英語字幕版なら、完全版がYoutubeにありますんで、覚悟してみてくださいw。
https://www.youtube.com/watch?v=R7GKRaR390k
↑字幕設定を英語にしてください。

ではでは~(^-^)/