どっちもどっち | ボクシングのこと~好き勝手に語るブログ~

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ボクシングについて自分の考えを好き勝手に書いてます。人は人、自分は自分。何事も考え方は人それぞれというのが私のスタンス。自分の考えを人に押し付けたり、自分こそが正しいという変な勘違いをされている方はご遠慮ください。よろしくお願いいたします

デビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコ


予想通りというか、こういう試合って、まぁいわゆるチェスマッチとかいうやつになるのかな。端から倒すというのが主目的ではなく、どう流れを掴み、見栄えを良くしてポイントを取り合うか。これはボイントを取るための高度な技術戦なのだ。


この試合は最初から両者どっちに振ってもいいようなラウンドが続いていた。要は採点を着ける人がどこを取るかってので結果が変わるという展開だ。だから結論を言えばこの試合はどっちが勝ってもおかしくない内容だったってことになる。


私の素人採点では117−111でロマチェンコの勝ち。いつもは全く同じスコアのジャッジが大抵1人はいるんだけど、今回はヘイニーが3−0勝利だから、当たり前だけどロマ勝利は0ということだから、同じスコアや近いスコアは絶対に存在しない。ヘイニーのユナニマス勝ちでも判定がおかしいとは言えないが、私的にはなんだかなぁという気もする。ロマが勝ちではなくても、判定は割れてほしかった。


今回私の採点はロマチェンコ贔屓に過ぎたかなぁと思うところもあるけど、同じようにつけているジャッジがいてもおかしくはない?かなぁなんて自己肯定的に思ったりもする。どっちにするか迷ったところを私が正式ジャッジより少し多くロマチェンコに振りすぎたってことだから、試合展開を考えたら、私のつけたスコアも許容範囲の採点であると言えなくもない。


採点の事ばかり書いてしまったが、それより何より大事なのはこういう試合が面白いかどうかということ。私的にはこういう展開の試合はやっぱり微妙。完全に欠伸連発で眠くなるような完璧レベルの塩漬け展開でもなかったからソルト・オブ・ザ・イヤーの最有力候補かといえばそうではない。決定的な場面は無かったけどなかなか見応えのある緊張感の途切れない良い試合ではあった。しかしこういった試合はどうしても決定的なエキサイティング性に欠ける。ハイテク同士で大きなミスを冒さなければ、当然KO決着率は低くなるから、思わず声を出してしまうような興奮とスペクタクルは期待できないのだ。タイミングや小さなミスでどちらかがダウンを獲られてしまうような場面は起こりうるかもしれないが、そこで決着がつくような事態にはならなそうだからね。


総括すれば、ポイントをどう取り合うかという緊迫した攻防は見れたが、そこに倒す、倒されるというスリルが全く感じられなかったってこと。ボクシングの最高レベルの攻防と駆け引きはそれはそれで凄いんだけど、そこにKOというボクシング最大の興奮とスペクタクル要素が存在しなかった。ダウンシーンがあるとしても、それは恐らくタイミングとバランス崩し系のノーダメージに近いダウンになっただろう。


ヘイニーがライト級に残るなら、残る大物はデービス、シャクールってことになるけど、やはり次はプロモーターが同じシャクール濃厚かな。こちらも実現すればまずは戦前塩確フラグが立つけど、今回より塩分濃度が高目になりそうな気がする。ヘイニーもディフェンスに長けてるけど、私的にはシャクールはそれ以上だと思ってるから昨日のロマより被弾しないと見ている。そう考えると、昨日よりもハイレベルなまさに眠くなるようなスーパーレッスンマッチになりそうな悪寒がする。


それにしても、ボクシングって難しいというか、よく考えたら統一性の無いスポーツだな。4団体もある世界タイトル。ラスベガスではジャブを取るけどボディは取らないとか、地域によって判定基準に差がある。そしてどこそこではストップが早いだとかレフェリーがどうの、ジャッジがどうのといろいろと独自の裁定が入り乱れてよくわからなくなってる。カネロを筆頭とした一部のドル箱スター寄りの不可解な判定とかもある。どう見ても攻勢が明白に見えたラウンドをジャッジのうち一人だけ逆につけたりとかもよく起こってる。そして試合の重要なポイントにもなるダウンを取るのもレフェリーの判断でスリップをダウンにされたり、その逆もあったり。露骨なホームタウンデジションや摩訶不思議な判定なんてのは昔からザラにある。こう書き出すとまともなスポーツに思えなくなるけど、ボクシングはオリンピック種目でもあり、プロボクシングの結果は一般紙のスポーツ欄にも掲載される。だから世間的にはまともなスポーツとして扱われているということになるのかな。


しかし一般層ではボクシング、キック、プロレス等々を全て同じようなものだと見ている人がいる。そして格闘技なんてどれも八百長だろうとか酷いことを言う人もいる。それぞれ興業であるという共通点はあるけど、その中身はどうなのか。ボクシングは世界的な承認団体があるけど、その数が4つもあって元から知らない人は混乱する。階級が17階級もあって世界王者の数は4団体最低でも68人いることになる。スーパー、暫定とかを入れるとチャンピオンが100人以上になるかもしれない。そしてあまり詳しくないけどキックボクシングは各団体で世界タイトルを独自に作って団体内の限定的なメンバーでその世界タイトルを争っているようにも見える。そして選手層はボクシングよりかなり少なそうだ。プロレスに至ってはシングルマッチ以外にもタッグマッチやバトルロイヤルというなんとも不可解な試合形式があり、それが試合として成立している。考えようによっては面白いけど、真剣勝負かというとそこは?が付く。力道山の頃はガチンコ扱いだったかもしれないけど、現代においてプロレスはブックがあるということが公然の秘密みたいになってるからね。しかしそれでもプロレスの持つ歴史と昔から続いている伝統ある世界タイトルには何とも言えない不思議な権威があるように思えるのは私が昔ながらのプロレスファンだからだろうか。


一般紙に試合結果が掲載されるスポーツはまともなスポーツ、いわゆる真剣勝負と思いがちだけど、果たしてその考え方はどうなのだろうか。我が国の国技である相撲は前々から八百長疑惑がよく取り上げられている。野球だって昔はそんなような事があったらしい。そして中央競馬なんてスポーツというよりギャンブルってイメージが強い。スポーツニュースの中で競馬が取り上げられるのってなんだか場違いのような気がしないでもない。


さて、ヘイニーvsロマチェンコからかなり話が逸れたけど、どっちもどっちという題名を考えると、ここで脱線して書いた格闘技の検証もなんとなく当てはまるのかな。