書紹しましょ。

 

今回はこちら。

 

白いドレスと紅い月がとけあう夜に

 

著)水鏡月 聖 先生

イラスト)古弥 月 先生

 

 

 

僕らは『読み』を間違える  の水鏡月聖先生の最新作となります。

やっと読むことが出来ました。

 


発売日に入手しましたが読むことが出来ていませんでした。

しかし24時間リーダソン中で一気の読もうと意気込んで読みました。

結果的に一気に読めて良かったと思っています。なぜなら、この作品は一度読むのを止めてしまってはもったいないなと感じたんですよね。


 

さてその今作ですが、「僕らは『読み』を間違える」とは文章構造も表現方法もがらりと変わり、まさに本格的なラノベミステリが展開されていました。

雪の中、密室、首無し死体というまさに本格的な要素がふんだんに使われ、さらにはラノベっぽさを出すために吸血姫の美少女と特務体の美女、魔物に契約と多くのラノベファンが好きな要素もまた多く使用されていました。

そして、昨今勢いを伸ばしてきている百合要素も入っていて時代の流れや読者が求めているものを巧みに取り入れ、そんな中でも先生の書きたいというラノベミステリもまた軸として活きて全体的にしっかりと引き締めているというところがお見事でした。

 


そんな中でもバトル展開もあり、「僕らは『読み』を間違える」と同じ作者であることが想像も出来ないような手に汗握る戦闘描写もまた見どころの一つです。

ライト純文学とバトル描写は要素としては逆、静と動みたいな感じではないかと思っていました。しかし、ライト純文学での精緻な書き方や細かな情景変化の描写を基盤にして激しいバトル要素を入れられたことにより、それもまた別の味が出ていて読み応えがありました。

 


ミステリということは、事件が起こり周囲の状況や聞き込みを駆使して推理を重ね、そんな中で新しいを発見や窮地を乗り越えながらも結末に辿り着く。そしてその推理をもって物語を完結に導くというのがセオリーです。

その「推理」という点においては特に読者に寄り添っていると感じたんですよね。

それはもしかすると、「ライトノベルでミステリは売れない」という世間の流れをどうにかして覆し、読者の方々にラノベミステリは面白いということを伝えたかったから力を入れて寄り添っていたのではないかと思いました。

 


たしかに今でこそ徐々に認知度や人気がじわじわと上がってきていると感じられるものの、やはりラノベミステリは他のジャンルと比べたらまだまだなところというのが現状です。

先生はそれをどうにかしたいと思われたからこそ、読者の方々も楽しんで推理に参加出来るように色々と工夫されたのだと感じました。またその熱量も高く、読んでいて「今作はラノベではない一般のミステリ小説に興味を繋げる作品になるかもしれない」と思いました。

ですので、まだ本格的にミステリ作品を読んだことがない方や、これから読もうかどうか迷っているという方こそ今作を読んでいただければミステリ作品の良さや面白さというものが分かるきっかけになるのではないかなと思います。

 

 

あと、小説って最初の一文や一ページ、もしくは最後の一文か一ページには作者のこだわりが出ます。

「僕らは『読み』を間違える」の時もそうでしたが、今回もそのこだわりが見受けられ、それもあって「やっぱりお見事」と思いました。

そのこだわりについては是非とも読んでいただいて実感していただければと思います。

私はこのこだわりは好きですね。読後感も清々しいですし、何にしても「素晴らしい作品に出逢った」と実感しますので。

 


長々と自由に感想を書いてきましたが、総評といたしましては「とてもお見事」という言葉に尽きます。

また、先生の執筆の幅を感じてこれがプロなんだとあらためて実感いたしました。

今回も感服です。

 


では今回はここまでです。

今作の「白いドレスと紅い月がとけあう夜に」然り、前作の「僕らは『読み』を間違える」然り、ともに続刊を心より願っております。

 


ではまた。