こんばんは。


1月3日の『静岡新聞』記事(以下掲載)を読んで、


「静岡県(庁)の役人は相変わらずバカ!!」


「川勝(知事)、お前も石川(前知事)とやりたいことは同じか!!」


と思った次第だ。


以下、『静岡新聞』の記事より


県、空港新駅核に交通体系 グランドデザイン策定へ

01/03 08:45

 【県は2011年度、JR東海のリニア中央新幹線事業の進展を踏ま え、鉄道と空港、高速道路、港湾が相乗効果を発揮し「国境や県境を越えた人と物の大交流の創出」を具体化する交通体系のグランドデザイン策定に乗り出す。 静岡空港と、東海道新幹線の空港新駅を中核に位置付け、県民に新時代の交通インフラの姿を提示する。
 JR東海はリニアの圧倒的な移動時間短縮効 果で「東京、名古屋、大阪の3大都市圏による巨大メガロポリス(都市圏)が誕生する」と説明。川勝平太知事は「リニアを全面的に支援する。JRとの関係が 新たなステージに入るとの認識でデザインを描く」と述べ、空港新駅の実現により、JRが構想する巨大メガロポリスの恩恵を本県に取り込むことができるとの 認識を示した。
 県は、ビジネスや観光交流の活性化だけでなく、国土軸強化や危機管理の面でもリニアを重要な国家プロジェクトと評価。グランドデ ザインは、静岡市北部の南アルプスを貫くリニアと新東名高速道路、東海道新幹線などの「東西軸」と、中部横断道路、三遠南信自動車道路などの「南北軸」が 県内で交差する様子を示す。
 国土交通省の交通政策審議会(交政審)は、リニア開通により東海道新幹線にローカル鉄道としての機能が付加されると指摘していることから、「地域に根ざした東海道新幹線に生まれ変わる第2の開業」(県交通基盤部)に向けて、本県が果たすべき役割も盛り込む。
 県は既に陸、海、空の交通ネットワークのビジョン「東海道新時代」を策定する方針を表明し、有識者会議の設置を決めている。中央リニア新幹線を踏まえたグランドデザインは、この「東海道新時代」の基本理念の役割を担う見通し。】




 ・・・まずは簡単に説明する。


静岡県中部の島田市と牧之原市に「富士山静岡空港」(以下、「空港」)が


あり、2009(平成21)年6月4日に開港した。


静岡県庁(以下、「県庁」)もあの手この手を打って利用向上に


努めている。


「静岡空港」 (Wikipedia)


↑空港の特徴や細かい説明は、「Wikipedia」に譲るが、空港は


山を切り開いて作った場所であり、この山の真下には東海道新幹線が


走っている。ここはトンネルとなっており、県庁はここに新幹線新駅を


作りたい!と考えている。


それに対してJR東海は、「技術的に作ることが難しい」、


「ダイヤが超過密状態でこれ以上新駅を作ることは出来ない」、


「空港新駅を作ったとしても利用者は空港を使う人だけ」


「隣の掛川駅との距離が8kmしかなく作ったとしても意味がない」


などといっている。


ただ、JR東海は「リニア新幹線」建設を表明しており、これが完成すれば


「のぞみ」のお客はこれに移るので、東海道新幹線は「ひかり」「こだま」


主体のダイヤ、すなわち、新横浜~名古屋間ノンストップの列車は


今よりも極端に少なくなると思われ、通過駅がありながらも、


小田原、熱海、三島、静岡、浜松、豊橋といった主要駅に停車する


ようにして行きたいとしている。


これは”将軍様”(JR東海の葛西会長)がそう明言されているから


まず間違いないだろう。


そうなれば、東海道新幹線にもダイヤ的な余裕が出来る。


地元が建設費負担を条件に、JR東海はリニア開業後、


新駅設置を容認する姿勢である。


神奈川県などでそのような運動は起きており(新横浜~小田原の


中間付近)、これから話が具体的に出てくることだろう。


しかし、空港新駅について、JR東海は前述の通り、建設には消極的


(否定的)な姿勢だ。


・・・以上の前置きを元に私の考えを申し上げる。


空港新駅の建設は反対だ!


理由はJR東海が言うとおりで、同社の意見に全面的に賛成する。


県庁は既存のトンネル内に新駅を作る構想だが、”素人”が考えても


「難工事」であることが容易にわかる。


物理的に「島式ホーム」は設置することが出来ないと思う。


「相対式ホーム」+「通過線」(これは既存の線路)を設置することに


なるだろう。


トンネル内に駅を作るわけだから、その出入口付近から上り線側、


下り線側の2ヵ所から掘って行かないといけない。


つまり、既存の1つのトンネルに、もう2つ新たにトンネルを


掘らないといけないことになる。


当然営業列車の運行の妨げにならないように工事をしないといけない。


新線建設時にトンネルを掘るだけで莫大の時間と金額がかかるのに、


いろいろと”制約”が多いので、余計にそれがかかることが予想できる。


作ったとしても、「そもそも使う人がいるのか?」である。


県庁が考えるには、熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松といった


県内の新幹線駅からダイレクトで早く簡単に空港に行かせたいために


空港への足=新幹線が最適!と考えたんだろうが、


空港直行バスや、東海道線で島田まで行き、ここから空港行きの


路線バスに乗り換えて行った場合の所要時間と、


仮に新幹線駅があったとして、県内各地の新幹線駅から空港までの


所要時間を比べると、「ほとんど変わらない」であろう。


たかが、30~60分早くなるだけで、空港直行バスや東海道線を


使うより+1000~2000円も払って新幹線に乗り、空港まで行く


お客がいるか?!という話だ。


JR東海は、「利用者が空港利用者に限定される」と言っているが、


これは他県にある空港駅も例外なくその通り、そもそも空港に用事が


あるか、若しくはその近所に住んでいたり仕事場がない限り


使う人なんかいない。


利用客数も東海道新幹線の駅の中ではダントツのビリ、


1000~2000人/日程度しかいないのではないか?


前述の通り、「建設費は地元負担」とJR東海は明言しているので、


県庁が出すことになる。これは「税金」であって、使いもしない駅に


対して莫大のそれを使うのは納得が出来ない。


要するに、「費用対効果」が「ない」のである。


「ハコモノ事業」はやらないと県庁は言っているようだが、空港新駅こそ


典型的な「ハコモノ事業」であり、言っていることとやっていることが


完全に矛盾する。これは川勝が県民に対して説明しないといけない。


つまり、川勝並びに県庁の役人は、空港新駅を作るのにあたり、


「1日にどれくらいのお客が使うと予測しているか?」


「費用対効果はあるのか?」


「空港新駅が出来ることのメリット・デメリット」


「具体的にどのようなやり方で工事を進めるか?」


「空港新駅を中核に具体的にどんな交通インフラにしたいのか?」


「既存の在来線(東海道線)と空港はどう接して行くのか?」


「空港新駅を使うことで、どうやってお客を誘致するのか?」


など突っ込んで詳しく説明しろ!


また、上記新聞記事には、「空港駅を中核とした交通体系の


グランドデザインを提示」とあるが、これに対して県民から意見を


募集(パブリックコメント)するべきである。


県庁のホームページを覗いてみたが、それは全くなかったので、


早いうちにそれを行うべきである。


「県民からのご意見」に投稿せよ!とか、新聞の投書に投稿せよ!


というのはあまりにもバカげており、そんなナンセンスなことはない。


「川勝ならそれに関してのパブリックコメントはやってくれるだろう」と


私は思っている。



・・・新幹線のレールが東京~鹿児島までつながる以上、


関東、東海、関西、中国、九州地方の人が静岡~掛川間(空港付近)を


通る可能性はさらに高くなる。


空港新駅を作ったら利用者は静岡県民でない可能性も大いにある。


だがここで思う。


「静岡県民でない人が飛行機を使うために、わざわざ新幹線に乗り


静岡空港新駅に降りて、ここから飛行機を使うのか?」と。


恐らくこれに関しては、「皆無」であろう。


最初のうちは、「見物客」がいるだろう。


空港新駅から新幹線に乗って、静岡県内の観光地(目的地)に


行く可能性はあっても、静岡県外のそれに行く可能性は「皆無」だ。


例えば、京都市に住んでいる人が、新幹線に乗り(それも「こだま」で)


「静岡空港駅」に降りて、ここから飛行機に乗って北海道や海外に


行く人がいるんか?という話だ。


そんな人「皆無」、「いるわけがない」のである。


京都市に住んでいるんだったら、伊丹か関空を使うのが一般的だ。


新幹線駅を設置する以上、静岡県外に住んでいる人に使ってもらう


工夫も必要である。静岡県民しか使わない新幹線駅はあってはいけない。


しかし、現実的には空港新駅が出来ればそうならざるを得ない。


「JR東海が空港新駅の利用促進を図らなかったから悪い」では


済まされない問題である。


空港までのアクセス手段が「鉄道」にこだわるんだったら、新幹線で


なくても良い。空港最寄の鉄道駅は東海道線の金谷(かなや)だ。


ここから「空港アクセス線」を建設して、空港までの鉄道路線を


建設すれば良いのである。列車の運転体系は、沼津・静岡と


浜松から空港直結の「快速」(JR東海静岡支社のことなので、


恐らく「普通」となるだろうが・・・)を運転すれば、バスよりはかなり


優位な交通機関となる。


「この通り、空港アクセス鉄道を作れば良いじゃん!」と


思うかもしれないが、現実的には「出来ない」だろう。


金谷駅の海抜は恐らく100mもないだろう。


それに対して空港は海抜が高いところにあり、空港の公式


ホームページや上記リンクの「Wikipedia」にも書いていなかったが


恐らく海抜300~400mある。


金谷からは直線距離で6kmあり、一気に300m近く登ってこないと


いけない。


鉄道は勾配が特に苦手で、車のようにスイスイ登って行けない。


「スイッチバック」や「ループ線」などを設けなくては登ることが出来ない。


距離的には8~12km程度になるだろうが、空港アクセス線も


恐らく「スイッチバック」や「ループ線」の必要が出てくると思われ、


距離も長いので、途中で「信号場」や「駅」も設置しないといけないだろう。


空港アクセス線も新幹線新駅同様に「難工事」が容易に予想される。


従って、空港は海抜が高いところにあるので、そもそも鉄道を使って


行ってもらうことが間違っており、一番最適な交通手段は、


「バス」や「車」なのである。


静岡市や浜松市からは空港直結バスが出ているが、後者は


非常に利用が悪いという。さらに県東部の沼津や三島からは


それがなく、本数は少なくも良いので必要である。


最後に、新幹線空港新駅は以上の理由から「不要」であり、


在来線(普通鉄道)も物理・技術的に困難。


「鉄道では無理」なのである。


空港へのアクセス手段は「バス」か「車」のいずれかである。


空港へのアクセスする公共の交通機関は、鉄道に限るのではなく、


「バス」1本に絞り、これを主体として考え直す(再考)するべきであると


川勝並びに県庁の役人どもに申し上げる。


県庁の関係者並びに、みなさんからの意見と聞きたいと思う。