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これは僕のための欄である。ひとに見せるためのものではない。ぼくに大切と思われることを書く。彼女の10曲以上を収めたアルバムの三つめの七曲め、いちばん最初に紹介した曲(533) をあらためていま聴いていて、感情の「激しさ」と「優雅さ」との組合せに心底感じ入った。繊細で優しいのはもちろんである。だがこの「線の細さ」はおどろくべき「強さ」といつも表裏一体で、この強さが更に、低音の深い優雅さと、やや高音の叩きつけるような激しさとに分極して、華麗で絶妙なコントラストを構成し、ひとつの大きなこころの空間世界を現出させている。そして勿論ピアニッシモの、沈黙性と一体となった繊細な静謐さが、その世界の中に、これこそは激情をつつみこむもののような深い思い遣りと優しさとして、不意に現れ、力と雄渾とをヴェールのように覆い鎮める。たましいのあらゆる両極的要素が対照をきわだたせながら織り合い、その包括性がなにより人間的な幅と豊かさを感じさせてみごとで感服する。わずか六分余りの曲に、「人間音楽」の本質的なものが凝集実現されている。ぼくはねるまえにあらためて聴いておこうと耳を傾けていたのだが、これを書きとめるために座り起きていた。この「生きた作品」によってあらためて彼女の人間本質そのものを敬愛せずにはいられない。いまのぼくもひとを愛することができる。




ここから533節に繫いで(上文の緑文字をくりっく)、節の最後に控えめに載せた[PianoHD]以下の文字をなぞり浮き上がらせて右くりっくで bing あるいは google で検索し、曲に繫げてください。533節で、直接接続出来る為に大きなコピー文字をそのまま載せることは、僕の美感が許しませんでした。

 


同箇所の曲の〈評〉にこう書かれていた。あまりに完全に同感なので不思議なくらいだ:
Really amazing song ... Deserve a lot more attention then it has now