裕美さん


 

君に逢いたくなったら…
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このきみの表情もぼくはとても愛着があるのです。もの思う素顔のきみ。その理知的な志向性に、思念のありかたがぼくと同質であるような親しみを覚えます。言葉ではうまく言えませんけどね。感じるのです。このひとにはぼくとおなじ意識の質がある、と。これほどはっきりとそのような質の知性が現れているひとというのは、そんなにいないと思いますよ。神経も敏感なのに、意識の機微も活発で、自分の神経と意識とに向き合っているだけでも疲れるのではないかな、と、ぼくのことを重ね合わせて思ってしまいます。ものをよくかんがえるひとの常で、表情に意識の帳(とばり)が降りていて、でもその雲が晴れて笑顔がこぼれると、その純粋な気品に誰も抵抗できないのです。
幾つもの緻密な意識の層が媒介して きみの「純粋音楽」は生れることをぼくはよく看取しています。その間、きみは最初の純粋形のイマージュをしっかり自分の内で保持しつつ、それを実現しようとして、冷徹敏感な意識知性のかぎりを尽くすのです。「聖なるものに奉仕する自立的知性」、これは誰にでもできることではありません。



2016. 5. 16