今回は、前回のに続き、揚水式水力発電所今市発電所の上池、栗山ダムを紹介したいと思います。前回もそうだったように、かなりマニアックなお話になります。
栗山ダムは日光市日陰という地区の山の上にあります。
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これは栗山ダムに行く途中、県道23号線(川俣温泉川治線)沿いの日陰地区付近で、道路を跨いで山から山へとつながっている送電線、下郷線です。
下郷線は、下郷発電所を出てすぐに山の上に這い上がり、福島栃木県境にある山王峠付近で県境を越え、湯西川温泉付近を通り、この日陰地区付近からこれから紹介する栗山ダム付近を通過して、前回の記事で紹介したように、今市発電所の付近の山の上を通っています。大部分が山中を通る送電線です。
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日光市立栗山中学校を過ぎて、川俣方面へと進むと、やがて日陰地区で「東電ダム 日陰牧場」と案内が書かれた道路標識が出てきます。この東電ダムというのが、今回の目的地、栗山ダムになります。
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途中の日陰牧場の辺りから、周りの山の様子を見渡してみました。写真ではなかなかわかりにくいかもしれませんが、結構紅葉が進んでいました。前回の記事の今市ダム付近も色づき始めていましたが、前回の取材から1週間経っていることもありますし、今市ダム近辺よりこちらのほうが標高が高いこともあって、より色づきが強かったようです。
ここまでの道は、栗山ダムと日陰牧場があるのみなので、ダムに来るか月山に登山する目的がなければ、ほとんど通る車はありません。日陰牧場も今は放牧はされていないのでしょうか。栗山ダムには何回か来たことがあるのですが、牛が放牧されているところを見たことがありません。ですからましてや余り車も入らないはずなのですが、この日はこの写真を撮っている時に、乗用車が一台と、栗山ダムに到着してから数台のバイクに出会いました。そういえば前回の今市ダムでも1台のバイクに出会いました。
この道はこの写真を撮った辺りがサミットになっているようで、ここまではつづら折りの上り坂を登ってくるのですが、ここから栗山ダムまでは下り坂に転じます。
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栗山ダムの手前では、夫婦トンネルというトンネルを潜ります。この上にあるのが夫婦山というようで、道沿いに夫婦山登山口という立看板も見受けられました。
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ダム堤体です。ここは東屋もあったりします。紅葉がきれいな時なら、紅葉狩りも出来そうですね。
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近づいてみると、岩石を積み上げて造られていることがわかると思います。このような構造のダムをロックフィルダム(ウィキペディアにリンク)といいます。
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ダム堤体の左岸の紅葉です。
それではダム湖まで行ってみましょう。
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立て看板によると、どちらからも月山に登れるってことのようですね。トレッキングは興味あってもやってないからよくはわかりませんけど、月山へは今市ダムから登ってくる登山道もあるようですよ。
分岐して少し進むと、ダム湖まではそう遠くはありません。右手の熊笹の中に電柱が立っているのが見えると思いますが、管理事務所やダムに設置された機器に使う電気を引き込む6600V線です。
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さて、ダム湖まで着きました。ダム天端は残念ながら立ち入り禁止になっています。
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フェンス越しに天端を撮ってみました。こちらから見る山々の紅葉もいい感じですね![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)
![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)
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一番奥にはトンネルが口を開けています。これは右岸を周回する、点検用の道路に抜けているのでしょうか。
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ダム湖の様子。湖面は凪いでいます。
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こちらにも銘板が。これは今市ダムダムでもそうでしたが、東京電力で建立したものなのでしょうね。
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栗山ダムについて書かれた案内板が立てられています。
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断面図の部分のクローズアップ。遮水性質のある土を芯にして、周りはシェルで覆われているという構造です。この場合のシェルというのは、岩石のことですね。岩石はダムを造るのに山を掘り起こした時に出る岩石を使用すると聞いたことがあります。ですから、ロックフィルダムは、山の中で資材の運搬が困難な場所には向いた工法なのだとも聞いたことがあります。
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栗山ダムの諸元部分のアップ。堤高は栗山ダムのほうが高いのですね。現地で見ると今市ダムのほうが高く見えますけどね。まあ今市ダムの場合は堤体の天端から下を覗き込めても、下から堤体を見上げることは出来ないから、感じ方が違うのでしょうか。
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今市発電所について図説された部分。これは今市ダムでも見られました。
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立入禁止の天端に入り込むのを防ぐため防犯カメラでしっかり監視しています。ダムを監視する意味合いもあるのかもしれませんね。ここの管理事務所も今市ダムの管理事務所も普段は無人で、鬼怒川発電所の近くにある鬼怒川制御所で管理しているようです。
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これは余水吐です。ダムに貯まった余分な水を自然越流方式で下流に流すようです。栗山ダムの場合は、流れ込んでいる沢がないので、急激な増水はないとは聞いた気がしますが、それでも降った雨が流れ込めば増水はするでしょうからね。
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管理事務所までの道には、ゲートが設置されてはいますが、開いていて立入禁止の看板もないので、しっかり進入しました。と、いうより、月山にはこちらからも行けるように案内されていたから、普通に入っていいのでしょう。月山頂上への道はダム沿いにあったのかもしれませんが、気づきませんでしたけどね。
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事務所脇から望んだダム湖。事務所があるのはダム湖の半ばよりやや堤体寄りの場所なので、もう最奥が見えています。流域面積も湛水面積も今市ダムより小さいし、山のほぼ頂上に近い場所にあるので、遮る山などがない分、今市ダムより小さく見えます。
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スマホのズーム機能を使って対岸(右岸)をズームしたところです。
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これ、水が出たり止まったりしているのですが、何なのでしょうね。
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隣にある計器盤を見ると、4号集水桝となっています。
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4号というだけあって、ほかにも同じような設備と思われるものが、ダム湖周囲に設置されています。今市ダムから揚水した水の吐水口ではないですよね。その辺はよくわかりません。
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堤体横のところで、栗山ダムの平面図もあったのに写真に納めてなかったようですが、それによると管理事務所の少し上流側に取水口があると描かれているので、この辺かなと思うのですが、どこが実際に取水口なのかわかりませんでした。今市ダムみたいに明らかにそれとわかるコンクリート構造物がないのですね。水面下にゲートがあるのでしょうか。この写真は管理事務所の裏手から撮っているので、この岸沿いに取水口があることは間違いありません。何かわからないことだらけで、まともなレポートになっていませんね。
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以上、今回は2回にわたって、今市発電所の下池、今市ダムと新今市開閉所、上池栗山ダムを見てきました。僕のようなダム好き、発電所好きにとっては、心躍るものなのですが、興味のない方にとっては、マニアック過ぎて退屈な内容かもしれません。でも〝揚水式水力発電所〟そんな発電所もあって、我々の生活を便利なものにしているのだということも知っていただければと思います。
日光市には、たくさんの水力発電所があります。鬼怒川沿いには比較的規模の大きな水力発電所(この場合は一般水力発電所です)があり、中禅寺湖から流れ出る大谷川沿いには、小さな水力発電所が点在しています。今後はそんな発電所も紹介していけたらなと思います。
(栗山ダム取材日 : 2018.10.15)