「大丈夫、頑張れ」
そう愛佳に背中を押され私は理佐先輩との待ち合わせ場所の南門に行く。
南門は、登校する際使用する人はいるけど、下校の時には閉まっているため使用している人はいない。
私が南門に行くと、既に理佐先輩がいた。
「すいません、遅くなって」
大好きな人が目の前にいる。
そんな状況が夢みたいで、胸がうるさいくらいにドキドキしている。
「ううん、私も来たとこだし。ちょっとそこで話さない?」
「はい」
南門のすぐ近くの段差に二人で腰掛ける。
「由依ちゃんリレー速かったね、凄いなぁってずっと目で追いかけちゃった笑」
「え…いや…全然、理佐先輩の方が…というか、私を見てたなんて…」
「ふふっ、可愛い」
そう言って私の方を見て微笑んでくる理佐先輩。
私を目で追いかけた?そんなわけ…
絶対顔が紅潮してる。
「由依ちゃん可愛いじゃん。彼氏いないの?」
「いやいや、いないですよ」
「えぇ~こんな可愛いのに、皆見る目ないなぁ笑」
「いやいや、理佐先輩の方が可愛いですし」
「私聞いたよ?由依ちゃん沢山告られてるって」
「え、誰に聞いたんですか…」
「ねる笑」
「ねる先輩…もぅ」
「ほら、そーゆーとこ可愛い笑」
「というか、私を彼女にしたい人なんていませんよ」
「いるんだけどなぁ、ここに」
「え?」
「ここにいるよ、由依ちゃんを彼女にしたい人」
先輩が私を彼女にしたい?え?ん?
「じょ、冗談はやめてくださいよ笑」
「冗談じゃないよ」
「え…」
「私、由依ちゃんが好き」
「……」
「い、嫌だよね。いきなり話したことない人にそんなこと言われても、ごめんね。聞かなかったことにして」
そう言って、立ち上がって帰ろうとする理佐先輩
「あの!! ……私も…理佐先輩のことが好きです」
「え…」
歩いてる足を止め、くるりと回って戻ってくる。
「それ、ホントに?」
「コクン…」
先輩の眉間に寄っていた皺がもとに戻りにこっとした笑顔へと変わる。
「由依ちゃん、私と付き合ってくれませんか?」
「はい」
こうして、私達は付き合うことになった。
次の日_____
いつものように愛佳と歩いていると、
「由依ちゃ〜ん」
「…っねる先輩!!」
「理佐と付き合ったんでしょ?」
コソコソと耳打ちして聞いてくる。
「…はい」
「おめでと!!」
「ありがとうございます」
「愛佳ちゃんも知ってるの?」
「はい」
「愛佳ちゃんめでたいね!!」
「ですね~!!」
なんでこの2人盛り上がってんの笑
「由依ちゃん実はね…理佐、ずっと由依ちゃんが好きだったんだよ」
「え…?」
「由依ちゃんを見かける度に可愛いってずっと言ってるし、愛佳ちゃん一緒にいれていいなぁとか、あの人、自分から話しかけに行けないからさ、私が早く行きなよって言っても、ムリムリなんて言って笑」
「/////」
「ちょっと、ねる??」
「あっ…やべっ笑」
「余分なこと言わないでいいから/////」
「理佐照れてる~」
「うるっさいから/////」
「ふふっ」
理佐先輩に腕を引っ張られながら、ねる先輩は連れて行かれる。
相変わらず仲良いあの2人笑
ある日3時間目の授業の休み時間、4時間目の教科書を準備していると、教室がざわざわし始めた。
何かと思って、扉を見ると愛佳が走ってきた。
「由依、理佐先輩が呼んでる」
「理佐先輩?」
そう言って、廊下に出てみると理佐先輩がいた。
たから、うるさかったのか。
「あ、由依」
「すいません」
「由依、今日一緒に帰ろ?」
「はい」
帰りに、正門で私を待っていてくれている先輩。
「おまたせしました」
「由依、2人の時は敬語禁止」
「いや、でも…」
「だーめ」
「わかりました…」
「あ、敬語使った笑」
「あっ笑」
「あと、理佐って呼んで」
「流石にそれは」
「やだ」
「だって…先輩」
「やだ」
「やだ」といいながら、頬を膨らませている姿が可愛いくて、思わず笑ってしまった。
「何笑ってんの笑」
「可愛いなぁって」
「可愛いのは由依だし~」
こんな日が続くはずだった…。
だけど、先輩は、3月。
卒業と同時に、大阪へ引っ越さなければならなかった。
私はまだ学校があるし、大阪についていきたいけれど行けなかった。
次、帰ってくるのもいつかわからないそう。
時々、時間ができると電話をしてきてくれる。
でも、遠距離が始まって半年。
そろそろ生で声が聞きたいよ…理佐…。