ここ最近仕事が多忙になり、あまり台湾BLドラマを見られていませんでした。

ようやく時間を取り、久しぶりのレビュー公開までたどり着きました。

今回は、俺自身が台湾BLドラマ第3作目に見た、「正負之間~PLUS & MINUS」です。

メインキャストとあらすじ

 

    

チェン・ゾーショウ(鄭則守)

   …マックス・リン(林上豪)

フー・リーゴン(理躬)

   …ハオ・シー(石承鎬)

加藤勇気

   …キレイ・チェン(鄭齊磊)

ジエン・インゾー(簡英澤)

   …マット・リー(李見騰)

メインCP①チェン・ゾーショウ(鄭則守)

メインCP②フー・リーゴン(理躬)

フー・リーゴン(傳理躬)を演じたハオ・シー(石承鎬)は「HIStory3 那一天~あの日」で、シャン・ハオティン(項豪廷)グループの一員、ガオ・チュン(高群)を演じていました。ハオティングループ5人中、3人目の同性愛者誕生ですw

 

高校時代からの20年来の親友(フー・リーゴンは自分達を「兄弟のような関係」と言っています)。

27歳になった現在は二人とも離婚が専門の弁護士として活動しており、リーゴンの父シンワン(興望)の弁護士事務所に勤めています。

職場でも席が向かい合わせ、誕生日は一日違い、自宅もお隣り

仲がいいどころの話ではなく、実はお互いに両思いだったのです。最初はそれを隠しています。

ゾーショウが直情型、リーゴンが冷静タイプです。

 

物語前半は、どちらかといえばリーゴンの隠れた思いを仄めかす感じでストーリーが進行します。長年ゾーショウに対して愛情を感じていたものの、それを伝えずにここまできた、と。

中盤に、とあるキーホルダーのことからリーゴンの思いがゾーショウに伝わり、「兄弟」よりも進んだ関係になれるかどうかがストーリー後半の見どころです。

チェンとフーは発音上「正」「負」と同じ。

今作ではところどころ「プラス」「マイナス」に関連するモチーフが出てきます。

 

 

サブCP①ジエン・インゾー(簡英澤)

サブCP②加藤勇気

ジェン・インゾーはクリーニング店「来来クリーニング」を営む。奥さんとは離婚しており、休日だけ娘のレンリン(仁玲)が家にやってくる。

 

そのクリーニング店の下の階にあるバー「ランイェン(浪苑)」にバイトで勤めるのが勇気。父親が日本人という設定。

最初インゾーは「ランイェン」に対して騒音問題で嫌悪感を持っていたのだが、レンリンが勇気の服を汚してしまったり、ゴミ問題で勇気がインゾーとバー店主のニキータの間に入ってくれたりした頃から好意を抱くようになる。

 

おなじみ、家族との関係

台湾BLドラマではよくある、家族との関係(確執)について。

メインCPはかなり複雑。とはいえ、リーゴンの父親フー・シンワン(傅興望)は寛容です。

問題はこちら。ゾーショウの父親チェン・ウェイジェ(鄭瑋傑)は母親と離別していることもあり、家族関係についてはかなり保守的。ゾーショウは母親が自分たちを捨てたと思い、母を嫌っています。この関係性がどうなるのか。続きはネタバレエリアで。

サブCPの家族関係は、珍しいパターンですがインゾーの娘レンリンは男同士の結婚に前向きです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先はネタバレエリアです

 

 

第7話が転換点①ペアキーホルダー

酔ったらゾーショウはやたらとリーゴンに絡みます。

抱きついたり、キスをしたり。それは高校時代からそうでした。誕生日の夜、二人は教室でキスをします。

高校時代のこと。恋愛のお守りとして露店で売られていたペアキーホルダー。好きな人と永遠に結ばれる、一つの輪がプラスとマイナスに分かれたものです。

 

誕生日プレゼントとして、ゾーショウはリーゴンに「マイナス」部分のキーホルダーをプレゼントしました。しかしリーゴンも同じ露店で「プラス」部分のキーホルダーを買っていたことが物語中盤に発覚。

このキーホルダーを持つカップルは永遠に結ばれる、といういわれのあるキーホルダーをお互いがお互いのために買っていた、と。つまりお互いが好きだったという事実が20年越しに発覚。

 

一歩踏み出すことでもう昔のような関係に戻れず、相手を失うことが怖いリーゴン。それはゾーショウも同じ。しかし「自分に問いかけるの。この恋に本気になれるのか、と」とニキータに言われ、自分の気持ちに目覚めたゾーショウ。ここから二人の恋は急速に進展します。

 

 

第7話が転換点②レンリン

インゾーは前の奥さんとの協議離婚の際、奥さん側の弁護をゾーショウが担当。離婚が成立したあと、ゾーショウに感謝を述べ、それが縁で二人とインゾーは知り合いました。

サブCPの恋のキューピッドはレンリンです。彼女が100点を取り、キャンプに行く約束を果たすことになりました。

 

比較的早い段階で二人は付き合うことになりますが、「パパは加藤さんが好き?」と直接的な表現でインゾーに聞いたり、ケンカした時に「パパはね、ママと離婚して以来今が一番幸せそうにしてるの。パパにチャンスをあげて」と勇気を説得したりして、サブCPをしっかりとサポートしました。

 

離婚専門弁護士だからこそ

メインCPは離婚専門の弁護士。依頼人との関係を通して、二人は以下のように考えます。

「本当に愛する相手と結婚できる人はわずか」

「誰もが初めは運命の人と思い込み、いつしか長所が欠点に変わる

 

お互いが相手のことが好きなのに、もう一歩踏み出せないのも、仕事柄多数の終わりを知っていたからかもしれません。

 

チェン一家に起こったトラブル

物語終盤で、ゾーショウの母親が悪性腫瘍末期で入院していることが分かりました。自分たちを捨てた母親のことで父親が涙する姿を見ていられない、と悩むゾーショウ。

 

時をほぼ同じくして、ゾーショウとリーゴンが付き合っていることが父親にバレてしまいました。

父「母親が危篤なんだぞ。気持ちを考えてやれ」

子「俺が結婚して、偽りの人生を歩めば満足か?」

父「親が子に望むのは、いい伴侶を見つけて家庭を築き、幸せに暮らすことだ。それが偽りか?」

子「リーゴンと俺は不幸で、家族になれないと?なぜ認めてくれない?」

お互いの意見が食い違い、修羅場と化します。

 

台湾BLドラマにはよくある展開ですが、認めてくれないんですよね。まあ当然ですが。男同士で付き合うことには、相当なハードルがあります。これをどう乗り越えていくのか。

 

 

第10話がさらなる転換点

野球場で突然、リーゴンが別れを切り出します

「好きだと思っていたけど、付き合ってみて違うと感じた。これからもそばにいる。今の関係のままではダメなんだ。恋人でなくても兄弟でい続けよう。」

またしても修羅場が。

もともと、「好きになるほど遠ざかる気がする。昔には戻れない。」と言っていたリーゴン。何か真の意図があるのでしょう。

そしてリーゴンはゾーショウを忘れるため、見合いを決意。そこにやってきたのは、ニキータだった。

 

 

ニキータの立ち位置への謎

 

「付き合ってみない?私を好きになって、チェン・ゾーショウを忘れてほしいの。私たちは似てる。あなたが好きな人のために変わるなら、私もあなたのために変われるわ。

「イヤなら断って。それとも、自分から断れなくて、相手が諦めるのを待つ?私は傷つくのが怖くない。だから告白したの。後悔しないようにね。それとも、また相手を傷つけそうで怖いとか?」

「愛が絶望よりも苦しいのは、期待してしまうから。あなたも見合いはやめて。100万回見合いをしても、答えは出ないわ」

「あなたは幸運よ。お互いに愛し合える人を見つけられた。忘れられないなら、一緒に向かい合えばいい。」

 

またその後「ランイェン(浪苑)」で飲んでいたゾーショウに対しても、

「自分本位なあんたに、彼の気持ちがわかるの?私と彼が付き合っていなくても、今のあんたに彼を愛する資格はない。

と一喝。

 

ニキータの活躍により、ゾーショウ・リーゴンともに自分たちの心の声をきちんと聞くことができ、お互いに向かい合う決心を固められました。

 

ところで、「ニキータは本当にリーゴンと付き合いたかったのか?」問題が浮上します。俺は個人的には、ニキータは前々から二人の不仲に気づいていた節があり、「本当にこのまま別れるの?それでいいの?」と言いたくてリーゴンの見合いの現場まで行ったのだと信じています。

 

 

リーゴンが別れを切り出した真の理由

なぜリーゴンは別れを切り出したのか。

リーゴン曰く、

    
「ゾーショウは家族を気にかけて、誰も傷つけたくないと。自分の大切な人を守ろうとする。人のことばかり考えてるヤツなんだ。
だからこそ僕の告白を受け入れたのかも。
今から僕は元の自分に戻って、ゾーショウの人生も元に戻したい。ゾーショウが幸せなら、他には何も望まない。」

だから自分は身を引いた、と。しかしゾーショウの父もその言葉に心を動かされ、二人が付き合うことに同意してくれました。二人は無事、復縁。

そして同性婚が認められている台湾ならではの結末、結婚式へと舞台は移ります。

 

 

つくづく、リーゴンは相手の幸せのために自分を引こうとする人物なのだと分かるシーンでした。だからいきなり別れを切り出したのですね。

20年来の親友が、実はお互い好きだった…とんでもなく切ない、そして甘い話です。一話30分弱なので、テンポもよく、一部つながりが分かりにくいところすらあるぐらいテンポがいいですw ぜひお時間があるときにご覧になってください。

感想については、ぜひコメントでやり取りできると嬉しいです。

 

ゲスト出演

今作の見どころの一つ、ゲスト出演陣について。作品の垣根を超えた共演も話題となりました。

初恋の相手と結婚した設定で、「Be Loved in House 約・定~I do」からジン・ユージェン(金予真)役のアーロン・ライ(賴東賢)と、シー・レイ(石磊)役のハンク・ワン(王碩瀚)が出演。

お互い好きで結婚したのに、離婚をしたいと申し出てきた二人。この二人を見ると、今作メインCPも気持ちが揺らぐ面があったのでしょう。

結果的には、金石CPは離婚を思いとどまり、仲睦まじい状態に戻りました。めでたしめでたし。

 

また、最終話で二人のそれぞれの友人役としてソン・ウェイン(宋偉恩)とホアン・ジュンジー(黃雋智)が登場。ゾーショウとリーゴンのそれぞれの介添人を務めました。

この二人の共演って、難しいですよね。ほら、アレじゃないですか…(ネタバレ防止)。だから今作のように、全くの別人での共演となります。それでも、見られてうれしいですよね。

個人的には、やっぱりこの二人が共演している作品を見たいんです。でも、Amazonプライムではまだほかの作品を公開してくれていないので…。残念!