東大や早慶を出ても、就職しない。
あるいは就職してもすぐ辞める。
昔なら特殊な存在だった気がするが、最近は「新しい生き方」として語られることも増えた。
親の立場からすると、
「せっかくここまで頑張ったのに…」
「まだ自分探しをしているのか…」
そんな気持ちになる人も多いだろう。
「会社が合わなかった」と言って、就職してすぐ辞める人もいる。
最近は、単なる脱落ではなく「自分らしい生き方探し」として語る空気も。
もちろん、本当に合わない職場というのはあるだろう。
ただ、実際に働き続けてみたら「思っていたほど悪い世界ではなかった」と後から言う人も結構いる。
学生時代には、「会社員になる=自由を失う」と感じる人もいる。
しかし実際には、働き始めてから初めて見える景色もある。
外から想像している社会と、中に入って実際に経験する社会は、案外違う。
受験やキャリア形成で成功してきた人ほど、「正しい選択」「失敗しない選択」「自分に最適な選択」を求め続けるところがある気がする。
「ここまで間違えずに来た」という感覚が強いのだろう。
少しでも違和感があると、「これは本当に自分に合っているのか」「もっと別の道があるのでは」と考え始める。
それ自体は悪いことではない。
ただ、部屋の中で考えているだけで自分というものがわかるだろうか。
仕事で嫌な上司に出会って、自分の価値観がわかる。
組織の中で板挟みになって、自分の優先順位が見える。
子育てで、自分の忍耐力のなさを知る。
実際には「やってみて初めてわかる」こともかなり多い。
むしろ「最初から天職だった」みたいな人のほうが少数派かもしれない。
成り行きで引き受けた仕事。
逃げられず続けた役割。
なんとなく始まった縁。
そういうものが、後から人生の軸になったりする。
受験は、「最適解を選ぶゲーム」に見えやすい。
しかし社会に出ると、急に「正解のない問題」ばかりになる。
しかも優秀な人ほど「正解を探し続けようとする」。
高学歴ニートと言われる人たちは、能力が高い一方で、失敗耐性が低かったり、意味のある仕事を求めすぎたりする面もあるのだろう。
親や周囲も「優秀なんだから、もっといい場所があるはず」と期待してしまう。
ただ、人生は意外と「走りながら考える」くらいでちょうどいいのかもしれない。
受験では、「間違えないこと」が強く求められる。
しかし大人になると、「完全に納得してから動く」より「少し迷いながらでも、とりあえず一歩出る力」のほうが大事になる場面が多い気がする。