【ストーリー】
 ケルン大聖堂で行われていたミサの最中、武装した侵入者たちが惨劇を引き起こす。彼らの目的は黄金や貴重な美術品ではなく、その内部に保管されている東方の三博士・・・マギの聖骨だった。 事態収拾に追われるヴァチカンは、ローマ国防警察レイチェルのほかに、米国機密組織”シグマ”のピアースらに応援を依頼する。 ピアースとレイチェルらは、特殊な力を持つマギの遺骨の行方を追い、様々な手がかりと暗い過去の歴史を暴きながら、秘密結社”ドラゴンコート”との激しい戦いを展開する。 歴史に埋もれた闇と光の世界の最終決戦の地で、科学と宗教の力が一体となって、かつてない恐怖が生まれようとしていた・・・(Amazonより)

【感想】
 ジェームズ・ロリンズ先生の「シグマフォース」シリーズの第1巻。大まかにいうと、歴史的・宗教的な背景を有する狂信的・科学的な集団が、失われた叡智を発見し、その力を使って世界を手中に収めようとするのを、阻止するといった展開です。

 この作品は面白さは、最新の科学と歴史・宗教的な素材がうまくミックスされているところで、自分の守備範囲(趣味範囲)とほぼ合致するので、それだけでも読んでいてワクワクする。加えて、謎解き要素とアクションシーンも盛り込まれている。
 「ダ・ヴィンチ・コード」が面白かったという方は、ぜひお勧めします。絶対それより楽しめると思います!

 特殊部隊シグマの隊員は、戦闘の
訓練を受けた科学者。最初の事件の現場に残っていた白い粉末を分析し、それが「単原子の金」であることを突き止める。
 ここで「単原子の金」って、実際にあるのだろうか?と半信半疑。そして、次々に出てくる
歴史的な事柄や宗教上の解説にしても、どこまでが事実(あるいは定説)でどこからが想像なのか、さっぱり分からないのだけれど、確実に物語に引き込まれていく。

 そうなるとSF的な要素にしても、ひょっとしたらまだ解明されていないだけで、実際にあるのではないかという気さえしてくる。
 作者の科学・歴史・宗教に対する造詣が深さが、こういう面白さを生み出すのだろうと思う。

 登場人物は、法医学に詳しい隊員のモンク・コッカリス、諜報機関に所属していた隊員のキャット・ブライアント、敵対するギルドの工作員セイチャンなど、魅力的な脇役が各々の能力を生かして活躍。

 アクションシーンも豊富で、エジプトへ行って海底洞窟を探検したり、地下の迷宮で謎の古代遺跡を発動させたりと、ハリウッド映画の展開のよう。

 ミステリー的な要素も十分で、事件の謎や古代遺跡の謎の解明の他、ドラゴンコートの皇帝の正体、そして意外な人物がドラゴンコートの一味だったり...ネタバレになってしまうのでこれ以上書けませんが、いろいろな部分で楽しめます。