(合計特殊出生率と大学進学率)

・大学進学率は、男女とも上昇しているが、近年は特に女性の大学進学率が全体を押

     し上げている。

・過去のデータをみる限り、大学進学率が上昇すると、合計特殊出生率が低下すると

 いう相関が少なからずありそうだ(R2値:0.752)

・理由を考えてみた(推測)

1.合計特殊出生率は生涯で女性が産む子供の数である。女性の高学歴化は、社会で

  の自立可能性を高める結果、未婚・晩婚化が進み子供の数が減るとも言えそうだ

2.大学教育は、突き止めれば合理的な予測可能性を身に着けることでもある。そう

  すると、婚姻による「個」としての損得・メリデメ、社会経済情勢の行く末の懸

  念などから、子供を持つことに悲観的になりやすくなる。

 

 

(高齢化率との関係)

・足元の経済状態の悪さが合計特殊出生率低下の要因とする論者がいるが、景気がよ

 くても出生率は上昇しないことは知られ、また、貧乏な国ほど合計特殊出生率が高

 いことを説明できない。

・将来、公的負担や親面倒などの負担が予測される場合、出生を制限しないか。

・そこで、高齢化率との関係をみてみると、高学歴化ほどではないが、一定以上の相

 関が認められる(R2=0.65)。

 

 

 

高学歴化と高齢化率の今後の推移(いずれも上昇)からすると、早晩、合計特殊出生率は1を割り込むが蓋然性が高いように思われる。

 

こういうことを言うと、女性差別だ、高齢者は死ねということかとか激怒されそうだが、私は、わが国の国土条件からして、人口は半減、かつ、人口構成がバランス化されてこそ、持続可能性があると思うので、当面の合計特殊出生率が低下することはさして問題ないと思う。むしろ、効果のない政策に金をかける方が間違っている。

 

但し、以前にも書いたが、健康保険も年金制度も破綻するのが目に見えている以上、ハードランディングにならないように今からコントロールすべきであろう。とにかく長生きさせることは本人も苦しく、子供が疲弊する(親を看取って思った)のではあいか。自分の足で歩け、食事をし、排便し、ボケず、そして痛みなど苦しみを最小化する医療や介護の在り方に金をかけるべきである。私は、身寄りも何もないので、特にそう思う。

 

そもそも、老人の面倒をみる、財源も人もいなくなる、という当たり前の現実を早く認識するべきではないか。このまま放っておけば、老人収容所でふん尿まみれで野垂れ死にする世界が待っている。