府中市は、古代の遺跡が多く、大化の改新後に武蔵国の国府が置かれるなど、古くから政治や経済と文化の中心地であった。古墳は、多摩川から府中崖線を上った立川面(多摩川の河岸段丘)に分布しているが、多くの墳丘は消失している。

 

(散策コース)

分倍河原駅→高倉塚古墳→天王塚古墳→府中熊野神社古墳→御嶽塚→西府駅

 

(高倉塚古墳)

高倉塚古墳を中心に古墳25基をまとめて高倉古墳群という。4基のみ墳丘が残る。
墳丘下層から6世紀前半とされる土師器坏が出土する。市指定史跡。「高倉」は奈良時代の支配者の氏姓か。

 

隣家に墳丘が削られている。保護が遅かったのだろう。

 

 

分梅通り(古鎌倉街道)に出て北上すると「八雲神社」が左手にある。

 

(天王宮八雲神社)
天王宮の祭神は牛頭天王(神仏習合)だが神仏分離により、八雲神社として素盞嗚尊

を祭ることになった。しかし、今でも天王宮として信仰されている。創設年は未詳だが、古鎌倉街道に面し、一三一九年の石板碑などから約700年は遡る。また、高倉古墳群の一つ天王塚古墳(六世紀後期)が残っている。

 

 

 

(天王塚古墳)

放置されている印象も・・・。

 

 

甲州街道に出て西府駅の近くに、武蔵府中熊野神社古墳がある。

 

(熊野神社)

1777年に移転してきた。甲州街道の本宿の中心部。古墳とは関係ないらしい。

 

(武蔵府中熊野神社古墳)

かつてより神社の裏の小山は古墳ではないかと言われていた。関東大震災により穴が開き入れたとも。1990年に山車の倉庫を新築しようとしたところで文化財調査を実施して発見された。副葬品は大半が盗掘されていた。

 

 

「上円下方墳」であり、まれな形で、5または6例が確認されている。近隣では国立天文台内の古墳がある。7世紀中期から後期に築造された。

 

 

西府駅のすぐ南側に公園の一部にしか見えない古墳がある。

 

(御嶽塚)

江戸時代に「御嶽大権現」として信仰の対象となった。

 

 

 

熊野神社古墳は、石室の展示場がある(今回は閉館中)。駐車場はない。

大した距離ではないので電車で行って徒歩がちょうどよいと思う。