パパ「アポロ」

 

 

アポロ「なんですか?」

 

 

パパ「アポロは価値という言葉を知っていますか?」

 

アポロ「かち?おいしいものですか?

ぼくが好きなのは、お芋、にんじん、ささみ、

それから鹿肉とおやつに、きりんさんです!」

 

 

パパ「(笑) 食べ物やおもちゃの名前ではありませんよ」

 

アポロ「なんだ。だったらどうでもいいです」

 

 

パパ「そう言わずに話をしてくださいよ」

 

アポロ「またむずかしい話ですか?ぼくはむずかしい話は嫌いです」

 

パパ「えーー。まあそう言わず」

 

アポロ「はーーい」

 

 

パパ「価値というのは、どれくらい大切かとか、

どれくらい役に立つかとか、そういう意味です。

 

だからアポロにとっては

きりんさんは大事なものだから、

アポロにはきりんさんは価値があるということになります。

わかりますか?」

 

アポロ「きりんさんはぼくの大切なものだから、

パパにもあげません!」

 

 

パパ「(笑) そうですね(笑) 

そして、もう一つ、どれくらい役に立つのか、

というのがあります」

 

アポロ「役に立つ?どういう意味ですか?

ぼくには意味がわかりません」

 

パパ「そうですね。自分にとって大切、というのはアポロにもあると思いますが、

役に立つという考えはアポロにはないだろうと思いますよ。人間に特有かもしれません」

 

アポロ「どういうことですか?」

 

 

パパ「人間の社会の中で、

例えば会社に入るとか、組織に入るとか、そういうのがいろいろあるんですよ。

 

そうすると、その中で役割が与えられたりします。

役割というのは、あなたはこれをする人、あなたにはこれをやってもらいます、みたいに、やることを与えられるという具合です。

 

 

そして、その組織の中では、自分はその役割をしていくということになります。

会社の場合だと、その役割をしている代わりにお金をもらう、という具合です。

 

その役割をどこまでやれているのか、ということが評価されます。

その評価によって、またもらえるお金が増えたり減ったりするんです」

 

アポロ「へー。よくわからないですが、たいへんそうです」

 

 

パパ「そうですね。今の人間は生きるためにはお金が必要です。

たくさんのお金をもらえるように、役割を果たすんです」

 

アポロ「ふーん。ぼくは食べるときと遊ぶときは一生懸命ですよ」

 

 

 

パパ「そうですね。でもそういう意味ではありません(笑) 

一生懸命は良い事だと思いますが、

評価を得ようとして一生懸命という感じになっちゃうのが多いんですよ。

 

そうして役割が果たせれば、あなたは価値があるという評価を得られます」

 

アポロ「へー。でもどうして役割を果たすと価値があるのですか?

役割を果たすことはそんなに大切なことなのですか?

 

もし役割が果たせないときはどうなるのですか?ぼくにはよくわかりません」

 

 

パパ「そうですね。組織を発展させるために役割を果たさないとならないのですよ。

だから役割が果たせない人は価値がないという評価をされてしまうのです」

 

アポロ「ふーん。ぼくはぼくだから役割とかどうでもいいです。

ぼくはぼくの好きなことをして、嫌いなことはパパから言われても、ぼくはしません!」

 


 

 

パパ「(笑) アポロはそうですね。

パパ達人間は嫌いな事であっても役割を果たすためにはやらなければならないということもあるんですよ。

そしてそれができる人は価値がある人と評価されたりもします。

 

若いことが価値があって、歳を取ると価値がないとかも思われたりすることもあるんですよ」

 

アポロ「そんなのぼくはイヤです!そんなに価値があることが大切なのですか?

パパは歳をとったから価値がないということですか?ぼくは今のパパが大好きなんです!」

 

 

パパ「えーーん(涙)うれしいことを言ってくれますね。

価値とは結局、誰かが誰かを評価している、

ということです。

 

でも、どうして誰かに自分の評価をされなければならないのでしょうかね。

 

 

自分の評価は自分がすれば良いし、

もっと言うならば、自分の評価ということもそもそもする必要はあるのでしょうかね。

なんだか不思議な気がしてきましたよ(笑)」

 

アポロ「そうです。ぼくはお芋が大好きです!」

 

 

パパ「お芋が大好きなのはよくわかりますけど、お芋の話しではないです(笑)」

 

アポロ「ふーん。ぼくはおいしいもののお話が大好きです!鹿肉を食べに行きましょう。

パパ、わかりましたか?」

 


 

パパ「わかりました(笑) 価値の話が最後は鹿肉の話しになっちゃいましたね。

じゃあ、これから鹿肉を食べに海にでも行きましょう」

 

アポロ「はーい!早く行きましょう」

 

 

 

◆アポロから一言◆

 

今日もパパとよくわからない話をしました

 

価値?

 

ぼくはそんな食べられないものよりも

お芋や鹿肉が大好きです!

 

嫌いな事は

ぼくは絶対やりません!

 


 

 

 

◆コウスケから一言◆

 

価値のある人間になろう

人の役に立つ人間にならなければならない

 

そういう世界で

一生懸命、そうあろうと生きてきた自分

 

そのおかげで能力が上がったこともあるだろう

 

あなたが違う

自分が正しい

 

その自分の正しさが

人を傷つけ

 

そしてやがては

自分をも傷つける

 

評価

価値

正しさ

 

それらを追い求めることは

本当に大切なことなのだろうか?