パパ「アポロ、起きてる?」

 

アポロ「・・・・・」

 

 

 

パパ「アポロ、話ししても良いですかぁ」

 

アポロ「うーーん、眠いんですけど」

 

 

パパ「まあ、そういわずに、ちょっと話を聞いてほしいんですよ」

 

アポロ「いいですよ、何ですか?」

 

パパ「アポロもさ、やがては、いなくなっちゃうんですよね」

 

アポロ「えっ?藪から棒に何を言ってるんですか?」

 

パパ「アポロも3歳になったけど、あと十数年経ったら、

大吉やチビ吉のときみたいな思いをするんだろうなと思ったら、ちょっと怖くなっちゃったんです」

 

 

 

アポロ「そうですね、でもそのときは仕方ないですね、パパもぼくも寿命はありますから」

 

パパ「それは解っていますけど。でも、どうしてワンちゃん達は人間よりも寿命が短いの?パパと最後まで一緒にだったらいいのに」

 

アポロ「ぼくもそう思いますけど、でもこれにも理由があるんですよ」

 

 

パパ「えっ?どんな理由があるのですか?」

 

アポロ「前に大吉おじいさんとお話したことがありましたよね。

そのときに、ぼく達は『愛される経験をするために出会いました』

と言ってました。覚えていますか?」

 

※過去ブログ、大吉との話

 

 

 

パパ「うん、覚えています。そして、人間は、愛する経験をするためだって言ってました」

 

アポロ「はい、そうです。だからぼく達はたくさん愛される経験をしたいのです。

だから寿命も短くなってます」

 

 

 

 

パパ「えっ?どういうことですか?」

 

アポロ「例えばですよ、人間の寿命が90年だとして、ぼく達が15年だとします。

とすると、人間の1回90年の中で、ぼく達は6回生まれ変われる、ということになります。

理屈ですけどね」

 

 

 

パパ「そうですね、理屈上は確かにそうなります」

 

アポロ「でしょ。これも理屈ですが、

もし、ぼくがパパのもとにだけ生まれ変わったとすれば、パパに5回も6回も出会えることになります」

 

 

 

 

パパ「たしかにそうですね」

 

アポロ「とするとですよ、出会う喜びという経験、愛されたという経験、いなくなる悲しみという経験、を5回も6回もできたということになりませんか?」

 

パパ「うーん。たしかにそうです」

 

 

 

 

アポロ「ぼく達は、そうやってたくさん、生まれ変わることによって、魂のレベルアップをしているのです。

 

そして、やがては愛される経験を終了したら、次は、愛するという経験ができるようになります」

 

パパ「なるほど。でも悲しい経験は、したくはありませんよ」

 


 

 

アポロ「それはムリです。経験には良いも悪いも無いし、

ポジティブもネガティブも、それは陽と陰が同時に存在するように、セットでついてきています。

その両方を経験することで、より、その両方の経験が深いものになるのです」

 

パパ「えっ?どういうことですか?」

 

 

 

 

アポロ「パパは水を飲みますよね、蛇口をひねれば水は出ますけど、

水が出るという事に対して感謝の気持ちを持ったことはありますか?」

 

パパ「うーーん。子どものころから当たり前にあったから、感謝という気持ちにまではなれていません」

 

 

アポロ「そうです。ずっとある、

最初からある、という状態に対しては感謝という気持ちになれないのが普通です。

 

でも、もし、それが無くなったら、

そして無くなったことを経験した後に、それが有ったら、どうですか?」

 

パパ「それは、とっても感謝すると思います」

 

 

アポロ「そうでしょ。本来は、『ある』という事は当たり前じゃなくて、

特別な事だと心の底から思えていられれば、いつも感謝する気持ちになっているのですが、

なかなかそのようにはなれません。

 

『ある』ということに感謝できるためには、

『無い』ということを経験した方が、より深く、

『ある』ということに感謝できるようになります。

昔の人はそれをわかっていたから

有難うといいました。

有ることが当たり前ではないから、それが有ってありがたいという感謝の言葉が、ありがとうです」

 

 

パパ「たしかに、そう思います」

 

アポロ「だから、ぼく達は、パパの一生の時間のうちに何回も生まれ変われるように、人間の時間よりも一生が短いのです。そうしたら、さっきも言いましたが、

 

 

 

パパの一生のうちに5回も6回も、ぼくと出会えた喜びの『ある』ということと、

いなくなるという悲しみの『無い』ということの

両方を経験し、

 

そして『無い』という経験をしたことで、

再び『ある』という経験をしたときは、

『ある』ということに大きな感謝が生まれることになれます。

 

それは魂のレベルアップということです」

 

 

パパ「なるほど、よく解ります。

パパも大吉やチビ吉がいなくなっちゃうまでは、ずっといるもんだって心のどこかで思っていました。

でも、実際にいなくなったとき、とても悲しくて、辛かったです。

 

 

ああしてあげれば、こうしてあげればって毎日思ったりしてしまいました。

 

そして今、アポロがいるから、自分の一番大切な事はなんだろうって思ったときに、

アポロと一緒にいる時間がとても大切だって思うようになったのも、

大吉やチビ吉がいなくなったから思えるようになったことだと思います」

 

 

 

アポロ「そうです。それが、『無い』を経験した後の『ある』ことへの感謝です。

 

そして、大吉おじいさんやチビ吉さんも、パパにたくさん愛されるという経験をしたから、

次の経験を、となっているのです」

 

 

 

 

パパ「そうなのですね、そして、チビ吉はまたパパたちに会いたいって思って、

アポロに生まれ変わったのですね、

ということはアポロはアポロなんだけど、チビ吉でもあるっていうことなのですね」

 

 

 

アポロ「はい、思いが深いと同じ人のところにまた行きたいと強く思うから、その人と出会える可能性が高くなります。

 

大吉おじいさんはぼく達よりもずっと多く生まれ変わって、パパとも何回も出会って、

いろいろな経験をしたから、愛されるという経験は終了したのでパパのところにはもう生まれ変わりません。

 

 


 

 

大吉おじいさんは、次は、愛する、という経験をするために、今は、虹の橋を渡った仲間のお世話をしているところです。

同じ仲間のお世話をするということは愛するという経験の最初のステップですからね」

 

 

パパ「なるほど、そういうことなのですね。

ふだんから、『ある』ということ全てに感謝できるような人間になれたら、とても幸せに生きられますね」

 

 

アポロ「そうです。当たり前に思っていること全てがそうではない、と思えたら、

これはお金や物があるとかだけではないですよ、水も空気も、体が動くのも、見えたり聞こえたりも、それら全てが『ある』ということに感謝できたら、

 

今という状態に対しても感謝しか生まれなくなりますし、そもそも不満や不安とかそのようなネガティブな感情すら概念から無くなって、そういう気持ちがそもそも起こらなくなるでしょうね」

 

 

 

パパ「それって、昔、テレビでやっていた天才バカボンのパパみたいですね」

 

アポロ「なんですか?それは」

 

パパ「天才バカボンのパパの口癖が、

『これで良いのだぁ』だったんです。

 

全てに感謝できたら、全てが『これで良いのだ』になりそうだなぁって思いました」

 

 

 

アポロ「そういうことになりますね。なので、最初の話のぼく達の生きる時間が、パパたちの生きている時間よりも短いのは、そのおかげで、何度も嬉しいとか悲しいとかの経験を多くできるということですから、これで良いのだぁ、になるのです」

 

 

 

 

パパ「よくわかりました。だから、今、アポロといれるこの瞬間を大切にして、いつか『無い』がくるけど、それまでの時間をたくさんの『ある』ということに感謝していくということなんですね」

 

 

アポロ「そうです、その通りです」

 

パパ「ありがとう、そうやってこれから生きるように頑張ります」

 

アポロ「はい。ただ、頑張るというのも、『かたくな』になってはいけませんよ。

自然体のままで前に進むという意味での頑張るにしてください」

 

 

 

パパ「はい、わかりました」

 

アポロ「ということで、ぼくにとっての今、大切なことは、お肉を食べることなのです!

だから、お肉ください!」

 


 

 

パパ「えーー。さっき食べましたよ!」

 

アポロ「さっきではなく、今です!」

 

 

 

◆アポロからの一言◆

 

ぼく達の時間は

あなたの時間よりも

早く進みます

 

だからぼく達は

 

今、あなたと過ごせる

時間をとても大切に思っています

 

毎日の時間の中で

あなたのできる範囲でかまわないから

 

少しだけでも

あなたの時間を

ぼく達に使ってもらえたならば

 

ぼく達は

とても幸せです

 

ありがとう