普段は競い合うライバルのJR西日本と南海電車が、
なぜか「仲良し」になっちゃう不思議な区間
大阪市内から関西国際空港への鉄道アクセスを担っているJR西日本と南海電鉄。JR西日本は日根野駅から関西空港線、南海は泉佐野駅から空港線へ乗り入れます。
関西国際空港は大阪湾上に建設された海上空港。りんくうタウン~関西空港間は全長3.75キロの関西国際空港連絡橋(愛称:スカイゲートブリッジR)を渡っていきますが、この区間はちょっと不思議な光景に出会えます。JRと南海、両社の電車が同じ線路上を走るのです。
連絡橋の所有者(鉄道部分)はJRでも南海でもなく、新関西国際空港社(ちなみに道路部分は国・管理はNEXCO西日本)です。
線路は共用、りんくうタウン駅は南海、
関西空港駅はJR西日本が管理
りんくうタウン~関西空港間の線路は、両駅構内を除いて南海とJR西日本の共用区間となっています。連絡橋の所有者(鉄道部分)はJRでも南海でもなく、新関西国際空港社(ちなみに道路部分は国・管理はNEXCO西日本)です。 利用者とすればともあれ関空へちゃんと着けばよいのですが、意外と複雑そうな様子。同じ線路を使うとなれば、それぞれの会社で業務や担当がどう分けられているのかも気になります。 駅施設は、りんくうタウン駅では1番ホームと4番ホームが南海、2番ホームと3番ホームはJR西日本、関西空港駅では1番ホームと2番ホームが南海、3番ホームと4番ホームはJR西日本が使います。
駅の業務は、りんくうタウン駅が南海、関西空港駅はJR西日本で担当が分けられています。そのため、りんくうタウン駅ではJR西日本の列車を使うにせよ、駅名板や自動放送が南海風。
一方の関西空港駅では駅名板や自動放送がJR西日本風です。 本数はどうでしょう。感染症流行前の日中時間帯ダイヤを確認すると、南海の空港特急「ラピート」、JR西日本の空港特急「はるか」、ともに30分間隔でした。空港アクセス特急ながら意外と少ない……? 線路を共有しているので、大幅な列車増発は難しいのかもしれません。
南海の名物列車「ラピート」
JR西日本の空港特急「はるか」
りんくうタウン~関西空港間の運賃、
ちょっと高いのはなぜ…?
ところで、南海線、JR線ともに、りんくうタウン~関西空港間の運賃は「ちょっと高いなあ」と思いませんか? りんくうタウン~関西空港間は1駅ですが、両社とも運賃は大人370円です(2021年11月現在)。
こちらは、南海電鉄によると「空港線開業に伴う設備投資並びに線路使用料等の資本費に相当する負担については、通常の運賃収入のみで賄う事が採算上、困難であることから、同区間をご利用されるお客さまにその費用をご負担いただくという考え方のもと、加算運賃を設定させていただいております」(出典:南海電鉄Webサイト)が理由です。
南海電車空港線は泉佐野~りんくうタウン間、泉佐野~関西空港間を加算運賃区間とし、所定料金に加算運賃額を足した料金になり、りんくうタウン~関西空港間は所定料金+加算運賃ではなく「特定運賃」が設定されます。JR西日本も日根野~関西空港間、日根野~りんくうタウン間、りんくうタウン~関西空港間を加算運賃区間に設定しています(出典:JRおでかけネット きっぷのルールより)。 基本的にはバチバチなライバル関係の2社。でも、このりんくうタウン~関西空港間は運賃も同じで、南海電車もJR西日本の列車も同じ線路を走る仲良し(?)なのです。
by GIG@NET
kereiisukokeのmy Pick どうぞ