関西鉄道愛好家が語る鉄道王国の魅力その3

 南海電車のキーワードは過剰こそ美学、「バロック」の凄み。

 

ターミナル駅が巨大で充実しているのも関西の特徴だとのこと。東京では、乗降客数をそこで受け止めきれないために地下鉄との相互乗り入れが発達したが、関西圏ではそれほど多くない。各私鉄の沿線文化がクローズドになる一因なのだという。

南海難波駅(なんば)高島屋百貨店と建物を共有している。
 

南海電車 過剰こそ美学、「バロック」の凄み。

難波駅(なんば)と関西国際空港を結ぶ「特急ラピート」。コンセプトは「レトロフューチャー」

南海高野線の観光列車「天空」と特急「こうや」号
繁華街と田園都市。海と山。和歌山港と高野山。この対比に驚かされる。

 

南海電気鉄道株式会社(は、大阪市難波関西国際空港和歌山県北部の和歌山市高野山を結ぶ鉄道を経営する会社。総営業キロは154.8 km。一般的には「南海」もしくは「南海電鉄」と略されるほか、「南海電車」の呼称がある。日本の大手私鉄の一つであり、南海グループの中核企業である。

純民間資本としては現存する日本最古私鉄である。社名の「南海」は、 - 和歌山間の出願時に紀伊国が属する律令制南海道に因んで名づけられたことに由来し、のちに淡路四国航路との連絡も果たした。2020年に迎えた創業135周年を機に定めたブランドスローガンは「‘なんかいいね’があふれてる」。かつてはプロ野球球団(南海ホークス、後の福岡ダイエーホークス、福岡ソフトバンクホークス)や野球場(大阪スタヂアム〈大阪球場〉や中百舌鳥球場、いずれも後に解体)、遊園地(さやま遊園みさき公園)を経営していたが、球団経営からは1988年、遊園地経営からは2020年に撤退した。

 

車両

 空港特急「ラピート」

50000系

 平成6年9月4日から営業運転。1編成は6両組成で、定員252人の全車座席指定。楕円を基本形状として採用し、航空機の流線形とSLが持つ力強さのイメージを融合させた従来の概念にない発想でデザイン。よりグレードの高いインテリア装備により、居住性とアメニティ豊かな空間を提供し、当社の企業イメージを牽引するリーダーカーとして誕生。平成7年にブルーリボン賞を受賞。座席はスーパーシート(5、6号車)とレギュラーシート(1~4号車)の2タイプがあり、いずれも車両幅を従来車よりも拡幅(約10cm)して居住性の向上をはかったほか、

楕円形の窓やハットラック形式の荷棚などにより航空機内のイメージを醸し出しています。

 

 特急「こうや/りんかん」

30000系

 昭和58年5月に3代目「こうや」として誕生。1編成は4両組成で定員は204人。難波~高野山極楽橋間の直通特急として、また夕方以降のラッシュ時には通勤特急「りんかん」としても活躍しています。車体長17mのオールM車で、前面形状は非貫通とし中央で突出した流線型、先頭窓は大きな一枚ガラスを配しました。外観はワインレッドとアイボリーホワイトのツートンカラーで、緑の山岳線に映えるカラーリングです。制御方式は8個モーター制御の抵抗制御方式で、山岳区間の勾配を登坂する能力を備えています。平成11~12年に31000系、11000系と連結するため、先頭部に電気連結器を設置、車内表示器の取付け等の改造を行う。

 

 特急「サザン/泉北ライナー」

12000系

12000系は、ひとクラス上の設備・利用価値を提供する車両として愛称を「サザン・プレミアム」とし、2011年9月から運用を開始しました。車体は20m級、軽量ステンレス構造で、制御方式はVVVF(IGBT素子)方式を採用しています。車内にはプラズマクラスターイオン発生器※を鉄道車両として初めて搭載し、防犯カメラや多目的室を備えています。南海線の「特急サザン」として主に8000系車両と併結され運用されます。また、平成27年12月からは泉北ライナーとしても運転。

 

 特急「サザン」

10000系

昭和60年11月から運転開始。平成4年4月から新造中間車両を増結し、一部座席指定のすべてを8両編成で運転。外観・内装ともハイグレードで、車内は女性専用トイレ・車いすスペース・電光表示器・サービスコーナーなどを設備。昭和61年にローレル賞を受賞。

 

特急「こうや/りんかん」

31000系

高野山直通特急の増備車両として、平成11年3月より運転開始。先頭形状は前面を4.7度傾斜させ、30000系、11000系と併結運用可能な貫通式とし。車内設備として、車椅子スペース、トイレ、LED式車内表示器等を設けています。

 

特急「りんかん/泉北ライナー」

11000系

平成4年11月から4両1編成を運転。先頭車は前面傾斜形のスピード感あるデザインで車内には女性専用トイレ・車いすスペース・電光表示器・サービスコーナーなどを備える特急車両でなんば~橋本間を運転。平成27年12月からは泉北ライナーとして、なんば~和泉中央間を運転。

 

天空

2200系

2009年7月3日に定期運行が開始された2200系天空は、高野線で1969年から運用を開始した22000系(角ズーム)がベースとなっています。22000系は1993年以降2200系に改造され各支線で運用されていましたが、天空専用車両として2両1編成が改造され高野線へ返り咲きました。車内は木質の温かみを実現し、展望デッキスペースを設けるなど高野山への旅を一層楽しめるようデザインされています。高野線の山岳区間(橋本~極楽橋間)を運行する。

 

一般車両

2300系

 高野山への直通運転可能な一般車両として、平成17年3月より運転開始。設計コンセプトを「人と環境に優しい車両」とし、南海初の3列(2列+1列)クロスシートや大型一枚窓の採用など、居住性の向上をはかるとともに、新技術を取り入れ、通勤輸送とともに世界遺産登録された霊場高野山へのアクセス車両として運用。

 

南海21000系「丸ズームカー」

南海21000系電車は、かつて南海電気鉄道に在籍していた一般車両(通勤形電車)。登場当時は21001系を称していた。

高野線山岳区間への直通運転(大運転)対応車として、初めてカルダン駆動を採用した車両である。現行の2000系2300系へと連なる「ズームカー」の系譜の嚆矢となった。増備車であり、南海線7100系と類似する直線基調のデザインに改められた22000系との対比から、「丸ズーム」と呼ばれていた。大井川鐵道で現在も活躍する南海21000系「ズームカー」↓↓

 大井川鐵道では南海から引退した高野線用「ズームカー」21001系を2連化して入線させ、日頃の足として活躍しているが、塗色が南海色のままとあって人気がある車両である。

 

by   GIG@NET