『ぼくらの世界切手カタログ』 1964年版 | 郵便・切手から 時代を読み解く

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切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

地方の切手商から『ぼくらの世界切手カタログ』 1964年版を入手しました。フルカラー80ページという豪華なもので、なかなか興味深い刊行物です。

 

1964年といえば、昭和39年。わたくしが生まれる4年も前の発行です。既に公表後50年以上が経過していますので、著作権保護対象期間外に係るため、一部ですが画像でご紹介します。

 

このカタログは、江崎グリコと日本郵趣協会が共同で発行したもので、いわゆる「グリコ切手ブーム」を支えたツールのひとつといえます。

 

水原明窗氏によるとみられる「カタログの使い方」の文章もなかなか興味深いです。青少年たちを未使用切手のシート買いや退蔵といった投機的収集から遠ざけ、切手を学習に生かそうと呼び掛けています。

 

それと同時に、グリコのお菓子を購入することで入手できる「オマケ」の切手を体系的に紹介し、これらの「オマケ」が正当な収集対象であることを子どもたちに認識させ、ビジネスの拡大を狙った面もあったのでしょう。当然「カタログ」なので現在価格が表示されています。