『日本普通切手専門カタログ 郵便史・郵便印編』(公益財団法人日本郵趣協会刊、2018年) | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

フェイスブックのバトン企画で「7日間ブックカバーチャレンジ」というのが回ってきました。

 

これは読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊、7日間投稿。本についての説明は必要なく、表紙画像だけをアップ。そして毎回1人のfacebookの友達を招待して本チャレンジへの参加をお願いするというルールのようです。

 

大型連休中に仕事部屋の整理に明け暮れていましたので、旧蔵書がいろいろ出てきた機会をとらえ、フィラテリー関連書籍を紹介しようという気になりました。

 

昨日ご紹介した『切手 収集と楽しみ方 入門』(今井修著、1971年 小学館刊)のほかに選んだ1冊は、この『日本普通切手専門カタログ 郵便史・郵便印編』(公益財団法人日本郵趣協会刊、2018年)です。

 

これは2018年刊なので、古い本というわけではありませんが、やはり外せない1冊です。


 

いわゆる「切手のカタログ」の一種なのですが、本書は「郵便史・郵便印編」となっており、切手そのものではなく、実際に配達された郵便物(古いハガキや封筒)や、切手及び郵便物上に押捺された判子の「印影」に対する解説および評価が豊富な画像と共に掲載されています。


例えば、昭和12-19年度の間に使われた私製はがきで「乃木大将を描いた2銭切手が貼ってあるもの」であれば評価額は100円、などと郵便物の大凡の価値を知ることができるのです(中には数百万円という評価がついた郵便物もあります)。
 

マニアックな本ですが、明治の文明開化により郵便制度が日本で確立して以降、現代にいたるまでの流れが詳しく書かれており、そこを読むだけでも「眼から鱗」の知識が少なくないでしょう。
 

カタログなので当然、実物の価格情報を得ることができます。

 

それゆえ、まったく予備知識なしの初心者向けの入門書としてもお奨めできますし、コレクターでなくとも歴史が好きな方には楽しめる内容かもしれません。