田沢型6銭切手(Red Brown)の使用例 混貼・外信書状 ドイツ船内局発 | 郵便・切手から 時代を読み解く

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切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

昨日は仕事の移動の合間を縫って、有楽町交通会館のイベントに行ってきました。結構、大勢の方で賑わっていました。

 

さて、田沢型6銭切手(Red Brown)の使用例紹介が続いていますが、こんな「ゲテモノ」も所蔵していました。

 

一見すると日独切手のコンビ貼りなのでドキリとさせられますが、珍品だと有難がるほどのものではないでしょう。

 

これは、1927(昭和2)年8月31日にドイツ船内局からベルリンあてに差し出された書状で、裏面にエジプトのポートサイド(スエズ運河の北端)の中継印(同年9月1日)が押捺されていますので、実逓カバーには違いありません。

 

 

問題は料金で、なぜこのような「日本切手1枚+ドイツ普通切手5ペニヒ5枚」という貼り合わせなのかはよく分かりません。

 

わたくしの仮説としては、「手持ちの日本切手が6銭しかなく、これでは葉書料金にしかならないので、書状(平面路)料金に適合するためにドイツ切手を貼り足した」と考えていますが、確証はありません。

 

このあたりの事情をご存知の方がおられましたら、識者のご見解を伺いたく存じます。