そこは世界一プロレスラーが立ち退かぬマンション…DVD購入ガイド/マンプロ公式リポート【完全版】 | KEN筆.txt

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鈴木健.txtブログ――プロレス、音楽、演劇、映画等の表現ジャンルについて伝えたいこと

開催当日はDVD発売前にネタバレになるとあってほんのさわりだけの報告にとどめていたマンションプロレスのリポートだが、このほど『飯伏幸太のマンションプロレス』のタイトルでめでたくリリース。発売開始日となった9・25後楽園大会では記録的な売り上げをはじき出し、今なおオンラインショップへの申し込みが殺到している。というわけで「内容を吟味した上で買いたい」という方のために、遅ればせながら当日の"試合リポート"をDDTの了承を得た上でアップする――。



都内某所にあるマンション「メゾン・ド・アイアンクロー」が、今回マンションプロレスがおこなわれる試合会場。キャンプ場プロレスのプロモーターであるユニゾンブラザーズ(太田裕介&健介)の親戚が経営するそのマンションは、老朽化で9月に建て直す予定なのだが、いまだ立ち退かぬ住民が数名おり部屋を占拠した状態のため、路上プロレスのスペシャリストである飯伏幸太へ強制的に追い出すよう依頼。飯伏も「わかりました」と快諾し、今回の決行にいたった。

 



8月24日午後、いっけんなんの変哲もないマンションの入り口にはユニゾン兄弟と飯伏ほか、抽選により観戦の機会を得た10名のマンプロファン(うち少女1名)に加え、初の試みゆえに不測の事態へ備えて林督元リングドクターも医師としての使命を全うするべく立ち会うことに(けっして野次馬的に見たかったわけではない)。路上系のプロレスにリングドクターがついたのは史上初であり、なおかつ歴代IWGPジュニアヘビー級王者の中でマンションの住人を強制撤去させるのも、おそらく飯伏が最初のチャンプとなる。

 


14時30分、まず兄弟から1階103号室の合鍵を受け取った飯伏は足音を潜めつつ鍵を開けて中を覗く。異臭とともにそこはかとなくつまらなさが漂う雑然とした部屋の中にいたのは、ばってん多摩川だった。当然のごとく立ち退きを拒否し、真夏に寒すぎるギャグでかく乱させるばってんに蹴りをブチ込みあっさりと一蹴した飯伏は、首にかけられた次なる部屋の合鍵を奪って2つ隣の部屋へ。105号室を開けると鞭で叩く音と「おぅっ!」という男性のよがり声が聞える。

 


なんとそこはSMプレイ場で、プロレス界きっての資本主義の豚ことしもべ化した入江茂弘がバンビ女王様によってじゅうりんされるというおぞましい光景が広がっていた(観客の中に少女1名)。パワフルな攻撃とバンビのムチにいささかてこずった飯伏だったが、ロウソク攻撃を受けた入江が勝手に快楽へ浸って失神。林ドクターのドクターストップにより飯伏は鍵を奪うと2階へ。

 


205号室もかなりゴミ屋敷化し、壁には卑猥なグラビアの切り抜きが貼られている。そこで煙草を吸ってくつろいでいたのはタノムサク鳥羽。どうやらAVの撮影現場らしく、飯伏の前に立ち退き実行人を依頼され送り込まれながら撮影用の男優として拉致されてしまっていた中澤マイケルが押し入れから飛び出てきた(観客の中に少女1名)。ここではところ狭しとハードヒット戦が繰り広げられ飯伏が押される場面もあったが、なんとか鳥羽の猛攻を切り抜けてクリア。救出されたマイケルとともに3階へと向かう。

 


302号室は一転してガランとした部屋…というより、何もない。入居以来、一度も家賃を払ったことがないらしく、住人の生活水準がすぐさまわかったが、その住人とは大家健売店部長だった。これがすでに4組目の相手となる飯伏のスタミナを温存するべく「飯伏さん、僕がいきます!」と名乗りをあげたマイケルだったが、大家はDDTの雇用制度と薄給をタテに立ち退きを拒否。その後は水風船を投げ合う乱闘に発展、部屋の中が水びたしとなる。

 


 

そこへ飯伏が花火をぶっ放したものだからさあ大変。部屋の中を花火が飛び交い大パニック状態に。大家とマイケルは揃ってアフガニスタン状態へと陥り、お客さんも逃げ惑った。キャンプ場プロレスにおけるPKムーブの布石が、この時点ですでにあったのだ。

 



そんなドサクサの中、飯伏は煙により何も見えない状況下で大家を押さえ込み次なる合鍵を奪取。305号室へ向かうと、そこにはユニオンの福田洋と布団の中で一戦を交える最中の男色ディーノが住んでいた(観客の中に少女1名)。1人で住む契約にもかかわらず同棲していることが発覚したため抗議するユニゾン兄弟だったが、やはり交渉は決裂。ここは飯伏&マイケルvs男色&福田のタッグマッチとなり、あまりの激しい闘いに壁がブチ破られる大日本プロレスの一軒家プロレス状態に。

 


 

だが、この間に飯伏が天井を利したパワー殺法(どんな技かはDVD参照)で福田をしとめ、ディーノから次なる合鍵を奪取し4階へと向かう。そこへ広がっていた光景は、意表を突いた畑。試合が少ないフリーレスラー・菊地毅が自家製栽培をおこなっていたのだ。もちろん賃貸契約に農業をしていいとは記されていない。自室で獲れたきゅうりやすいかなどを飯伏やファンにまでふるまい「うめえんだよぉ」との理由で立ち退きを拒否する菊地さん。そこで腕相撲、尻相撲、すいか割りの3本勝負で勝ったら立ち退かずに済むというルールで飯伏と勝負をすることに。


1対1から3本目、すいか割りに夢中となる菊地のスキを突き大根で頭を殴った飯伏は、いよいよ最上階の502号室へ。ここは極めてタチの悪い兄弟が住んでおり、勝手に隣の部屋との壁を撤去し居抜きにして立て篭もっているのだという。飯伏がドアを開けると、そこにいたのはバラモン兄弟! プロレス界を代表する2組の双子が、マンションサイドと住人サイドに分かれて大舌戦を繰り広げる。

 



そしてバラモンシュウと飯伏が闘うことに。といっても事実上の1対2の上、ここで飛び交ったものが生玉子やケチャップ、シャンプー、白い粉とヒドすぎた。まさに阿鼻叫喚状態となり飯伏は大苦戦。ついでにお客さんも大迷惑(観客の中に少女1名)。

 


もはやここまでと思われたが、飯伏は大逆転のジャーマン・スープレックスでなんとかバラモン兄弟を振り切った。かくして任務を終えた飯伏だったが、体力の消耗は激しく林ドクターの診断を仰ごうとする。ところが、いつの間にか先生がいない。バラモンケイのお告ゲルによると屋上に何かがあるとのことなので、一行はさらに上へ。

 



すると、そこにはマイケルによって拉致された林先生が! どうやら立ち退いていった住人たちの怨念が地縛霊となってマイケルにとり憑き、さらに今まさに先生にも憑こうとしているらしい。放っておいた方がおもしろいとも思われたが、ドクターが助けてほしがっていたので飯伏は闘うことに。

 


 

ここでもムーンサルト・アタックで飛んでみせた飯伏。しかし、フィニッシュはそれを上回るインパクトの槍投げ。地縛霊が宿ろうがなんだろうが、マイケルが飯伏によって物扱いされるのは変わりがなかった。

 


試合後は、林ドクターが「除霊の注射」をマイケルの腕へ。注射針を刺した個所から血が止まらなくなるという、本職の医師としては気まずいハプニングもあったが、かくして合計57分45秒にも及ぶ7組の不法住人たち及び地縛霊との闘いに終止符を打った飯伏は、ユニゾン兄弟とともに「マンション!マンション!」ポーズでマンプロを締めた。それにしても、これほど多くのプロレスラーが住んでいるマンションは、団体の寮でもないかぎりこのメゾン・ド・アイアンクローを置いてほかにはない。建て直されたあかつきには、今回強制撤去された選手たちに再び住んでもらいたいところだ。

 


★8月24日=東京・某区内メゾン・ド・アイアンクロー(観衆10人=超満員札止め)
①○飯伏幸太vsばってん多摩川●
②○飯伏幸太vs入江茂弘●withバンビ様
③○飯伏幸太vsタノムサク鳥羽●
④○飯伏幸太vs大家健●
⑤○飯伏幸太&中澤マイケルvs男色ディーノ&福田洋●
⑥○飯伏幸太vs菊地毅●
⑦○飯伏幸太vsバラモンシュウ●withバラモンケイ
⑧○飯伏幸太(57分45秒、片エビ固め)地縛霊がとり憑いた中澤マイケル●
※試合時間はマラソンタイム


これらの模様及び詳しい試合経過とフィニッシュシーンは2台のカメラによって収録され、DVD化された。会場販売もしているが、今すぐ見たい!という方は通販ページよりお申し込みを。