KEN筆.txt

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鈴木健.txtブログ――プロレス、音楽、演劇、映画等の
表現ジャンルについて伝えたいこと

【著書情報】
〔書名〕虎ハンターの美学
〔著者〕小林邦昭/鈴木健.txt
〔発行〕玄光社
〔価格〕単行本四六版288ページ/2200円+税
〔発売日〕2025年10月21日
〔ネット販売〕Amazon
〔電子書籍〕Kindle 楽天Kobo
〔著者インタビュー〕
カクトウログ 闘魂に憧れ、逸材を導いた小林邦昭


〔書名〕髙山善廣評伝 ノーフィアー
〔発行〕ワニブックス
〔発刊日〕2025年3月15日
〔価格〕単行本四六版432ページ/2500円+税
〔ネット販売〕Amazon
〔電子書籍〕Kindle 楽天Kobo
※本書の売り上げの一部はTAKAYAMANIAに寄付されます。ご購入いただくこと、周知していただくことが髙山選手の支援となります。よろしくお願いします
〔Audible版〕ナレーター:中川典。11時間51分/3500円 Amazon Audible
〔著者インタビュー〕
ダ・ヴィンチWeb “プロレス界の帝王”がリングを降りた日から8年――試合で重傷、リハビリの日々を過ごす髙山善廣を物語に刻む『NO FEAR』誕生秘話
ウェブマガジンVITUP! あの事故から8年…“帝王”たる所以を知る一冊「髙山善廣評伝 NO FEAR」著者に聞く
「髙山善廣評伝 NO FEAR」著者が語る“プロレス界の帝王”の人を惹きつける絶大なパワー
カクトウログ ノシ歩いたはずなのに信用を得た男 髙山善廣評伝著者インタビュー前編
曲別DL時代にアルバムを聞く意味 髙山善廣評伝著者インタビュー後編


【note販売マガジン】
「鈴木健.txtの体感文法講座」テキスト版基本ルール編
〔価格〕8記事/1500円(1記事単価は300円)
文章講座で教えている内容をテキスト化しました。ここでは基本的なルールをわかりやすくまとめています
①1文字=○円のお金を払ってもらっているという意識
②くどい文章にならないためのポイント
③句読点&改行の位置は呼吸によって決まる
④リズミカルな文章はストレスなく読み切れる
⑤同じ助詞が続くのを避けることと、逆接語の使い方
⑥かな、カナ、漢字、数字…一つの言語で複数の表記がある日本語の使い分け
⑦感嘆符における「大技は乱発しないからこそ大技」
⑧括弧の使い分け方&言い切りと推測を一緒に用いない
「鈴木健.txtの体感文法講座」テキスト版心構え編
〔価格〕3記事/500円(1記事単価は300円)
ブログやSNS等では意識しない文章を書く上での心構えや頭に入れておくべきポイントが身につきます
⑨書く上での「姿勢」――最大公約数の文章を心がける
⑩取材対象者、読み手との距離感の重要性
⑪“出力満足”になってはならない

くいしんぼう仮面note「くいしんぼう仮面!万才」第1章
〔価格〕36記事/2000円(1記事単価は200円)
プロレスラー・くいしんぼう仮面ノンフィクション連載。生い立ちから大阪プロレスに在籍していた2007年まで。第2章は11月頃開始予定

【髙山善廣選手の支援を心よりお願い申し上げます】
プロレスラーの髙山善廣選手が2017年5月4日のDDT豊中大会試合中に負傷し、頸髄完全損傷という診断を受け現在も厳しいリハビリ、ケガと闘っております。そんな髙山選手を応援する「TAKAYAMANIA」が同年9月に起ち上げられ、各プロレス団体協力のもと試合会場にて募金箱の設置、応援グッズ販売、支援イベントなどがおこなわれております。活動状況は髙山選手の公式ブログにて随時更新されています。皆様からご協力いただきました支援金は、髙山選手の治療費等に充てられます


〔銀行振込〕
★三菱UFJ銀行代々木上原支店
店番号:137
口座番号:普通預金 0240842
口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア
★みずほ銀行渋谷中央支店
店番号:162
口座番号:普通預金 1842545
口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア
★三井住友銀行渋谷支店
店番号:654
口座番号:普通預金 9487127
口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア 代表・髙山奈津子
※通帳は髙山選手の奥様がお持ちになられています
〔クレジットカード〕
https://secure.koetodoke.jp/form.php?to=13
〔TAKAYAMANIAお問い合わせ〕
takayamania.staff@gmail.com
〔髙山善廣YouTube ch〕髙山善廣公式【TAKAYAMANIAタカヤマニア】

【大谷晋二郎選手の支援を心よりお願い申し上げます】
プロレスラーの大谷晋二郎選手が2022年4月10日のZERO1両国大会試合中に負傷し、頸髄損傷という診断を受け現在、治療とリハビリに取り組んでいます。そんな大谷選手を支援する「何度でも立ち上がれ!!大谷晋二郎応援募金」が起ち上げられました。皆様からご協力いただきました支援金は、兄・大谷裕一郎、妹・大谷葉月、妻・大谷江梨子の各氏が管理し、大谷選手の復活に向けた費用へ充てられます。また、大谷選手へ応援の声を届けるために #頑張れ大谷晋二郎 #何度でも立ち上がれ大谷晋二郎 のハッシュタグでポストしてください


〔銀行振込〕
★ゆうちょ銀行五五八(ゴゴハチ)支店
店番号:558
口座番号:普通預金 0227704
口座名義:オオタニハヅキ
★三菱UFJ銀行広島支店
店番号:511
口座番号:普通預金 0717636
口座名義:オオタニユウイチロウ
〔クレジットカード申し込み先〕
https://otanishinjiro.com/
〔お問い合わせ〕
https://otanishinjiro.com/inquiry
〔大谷晋二郎YouTube ch〕大谷晋二郎 ひたすら前進チャンネル

【イベント出演情報】
闘道館presents「鈴木健.txt対決シリーズSeason7 Vol.80~GLEAT月間PART2:渡辺壮馬、話の腰を振るトーク」
★10月18日(日)巣鴨・闘道館(16:30開場/17:00開始)
〔出演〕渡辺壮馬(GLEAT)
〔進行〕鈴木健.txt(GLEAT公式YouTube ch大会生配信コメンタリー実況)
〔入場料金〕前売り4000円、当日4500円
〔プレミアムツーショット撮影権〕1人1000円
※当日開場時に2階イベントスペース入り口にてお申し込み&お支払いください
〔特典〕来場者全員に渡辺壮馬非売品缶バッヂを贈呈
〔内容〕
・開演前:鈴木健.txt余興演奏
・第1部:G PROWRESTLINGとLIDET UWFの二刀流で歩んできたGLEATにおける自分
・休憩時間後、プレミアムツーショット撮影会
・質問コーナー
・第2部:プロレス総合学院~WRESTLE-1時代の知られざるお話&BLACK GENERATION INTERNATIONALの面々について
・私物プレゼント抽選会
〔チケット購入法〕3つの方法からお選びください
◎前売り券ウェブクレジット決済:https://toudoukan.com/products/20261018_versus80
※チケット購入順に整理番号(開場時の入場順)が発行されます。購入後のメールにQRコードと整理番号が記載されます
◎メール&電話&店頭予約:闘道館(TEL03-5944-5588/way@toudoukan.com)もしくは鈴木健.txtメールアドレス kenpitsu.txt@gmail.com まで①イベント名②氏名③当日連絡がとれる電話番号④申し込み人数⑤プレミアム撮影会希望〇or×⑥イベントを知った経緯⑦今後、対決シリーズに出演してほしい選手・関係者をお伝えください
◎当日券:イベント当日に闘道館にて購入。当日料金が加算されます
※前売り券ウェブクレジット決済→メール&電話&店頭予約→当日券の順での入場となります
〔イベント詳細〕https://toudoukan.com/blogs/event/20261018_versus80


闘道館presents「鈴木健.txt対決シリーズSeason7 Vol.81~GLEAT月間PART3:石田凱士の美学を解剖する」
★11月15日(日)巣鴨・闘道館(16:30開場/17:00開始)
〔出演〕石田凱士(GLEAT)
〔進行〕鈴木健.txt(GLEAT公式YouTube ch大会生配信コメンタリー実況)
〔入場料金〕前売り4000円、当日4500円
〔プレミアムツーショット撮影権〕1人1000円
※当日開場時に2階イベントスペース入り口にてお申し込み&お支払いください
〔特典〕来場者全員に石田凱士非売品缶バッヂを贈呈。また、9月のエル・リンダマン、10月の渡辺壮馬の回も参加された方にはGLEATロゴ非売品缶バッヂもプレゼント(当日、リンダマン&渡辺缶バッヂをご提示ください)
〔内容〕
・開演前:鈴木健.txt余興演奏
・第1部:プロレスラー・石田凱士はいかにしてクリエイトされているのか
・休憩時間後、プレミアムツーショット撮影会
・質問コーナー
・第2部:DRAGONGATE時代の秘話、BLACK GENERATION INTERNATIONALのメンバーに関するあれこれ
・私物プレゼント抽選会
〔チケット購入法〕3つの方法からお選びください
◎前売り券ウェブクレジット決済:https://toudoukan.com/products/20261115_versus81
※チケット購入順に整理番号(開場時の入場順)が発行されます。購入後のメールにQRコードと整理番号が記載されます
◎メール&電話&店頭予約:闘道館(TEL03-5944-5588/way@toudoukan.com)もしくは鈴木健.txtメールアドレス kenpitsu.txt@gmail.com まで①イベント名②氏名③当日連絡がとれる電話番号④申し込み人数⑤プレミアム撮影会希望〇or×⑥イベントを知った経緯⑦今後、対決シリーズに出演してほしい選手・関係者をお伝えください
◎当日券:イベント当日に闘道館にて購入。当日料金が加算されます
※前売り券ウェブクレジット決済→メール&電話&店頭予約→当日券の順での入場となります
〔イベント詳細〕https://toudoukan.com/blogs/event/20261115_versus81


【TV出演情報】
■サムライTV「プロレスリングFREEDOMS9・6横浜武道館大会中継」:9月29日(火)23:00~25:00
※実況:塩野潤二、コメンテーター:鈴木健.txt

■サムライTV「2AW10・12後楽園ホール大会中継」:10月18日(日)22:00~24:00/リピート放送:10月21日(水)19:00~21:00、10月23日(金)23:00~25:00、10月29日(木)15:30~17:30、10月31日(土)22:00~24:00
※実況:塩野潤二、コメンテーター:鈴木健.txt

【執筆・編集情報】
〔サイト名〕theLetter「鈴木健.txtのドラマティック・ドリーム・テキスト」
〔9月29日配信〕67通目「2001年8月12日の両国と秋葉原からつながる超日本プロレスという世界線」
〔9月28日配信〕66通目「支援する側の「そうせずにはいられない」という動機」
〔9月27日配信〕65通目「在宅シャクシュカを食しつつイスラエルの素顔に思いを馳せる」
〔9月26日配信〕64通目「重複しやすい27のワード」
〔9月25日配信〕63通目「愛を唱えるリンダマンは現代のデロリンマンか」
ニュースレターを直接お届けするシステムで、メールアドレスやスマホアドレスを登録(無料)していただくと鈴木健.txtのテキストが更新ごとに配信されます。ご登録をよろしくお願い申し上げます

〔書名〕月刊スカパー!2026年10月号
〔発行〕ぴあ株式会社
〔価格〕760円
〔発売開始日〕9月24日(木)
〔内容〕連載「鈴木健.txtの場外乱闘」第147回のゲストは2AW・吉田綾斗選手


〔サイト名〕DDTプロレスリング公式サイト
〔9月13日更新〕阿部史典バチバチインタビュー「知り合いがみんなトップ戦線でやっている。そいつらとケタケタ笑いながら喋れている状態でありたい」
〔9月6日更新〕9・13後楽園10周年記念大会全カードの見どころを上野勇希自身が解説「思いついてしまったこの面白い時間をみんなに届けないわけにはいかない」

〔サイト名〕FIGHTING TV サムライ公式サイト
〔9月1日更新〕鈴木健.txtの場外乱闘番外編
※サムライTV版第115回はセンダイガールズプロレスリング・橋本千紘選手ロングインタビュー。「強い女を見せるのも非現実的。非現実だからこそ、見る側が勇気や元気をもらえると思う」

BGV:フラワーカンパニーズ 『感情七号線』

 

古巣である週刊プロレスモバイルの連載コラム『週モバ野郎NOW』が2017年8月28日更新分をもって最終回を迎えました。遅れ馳せながら、2011年4月より355回分もの長い間、ご愛顧いただきました皆様へ改めて御礼を申し上げます。

 

終了が伝えられた時点で、ラストは髙山善廣さんのことを書こうと決めていました。5月4日の事故から4ヵ月が経ちなかなか続報が伝わない中で、それでも思いを持ち続けようという呼びかけです。あの時点では、誰もが力になりたいと思っていながら待つしかない状況でした。

 

最終回がアップされた1週間後に記者会見が開かれ、髙山さんの容態報告とTAKAYAMANIA設立が発表され、ようやく私たちは動けるようになりました。各団体・関係者の間でも募金活動が始まり、またたく間にその輪は広がっていきます。

 

それは事故から9年4ヵ月が経過した今も、変わることなく続いています。今回の支援に関しては、本当に長期的な活動として継続する必要があります。呼びかける側も、そして支援をする側も一過性ではなく、髙山さんに対する思いを持ち続けるのが何より大切なのだと考えています。

 

これはコラムの最終回で書いたことでもあり、そして今後も変わらぬ姿勢として自分の中で位置づけられています。連載が終了し、現在もアーカイヴとして閲覧はできますが、もっとファンの皆様の目が届きやすいところで感じてもらうことはできまいかと週刊プロレス編集部に相談したところ、特例としてブログへの全文転載を認めていただきました。

 

ご理解と、そして髙山さん支援へのご協力をいただいた湯沢直哉編集長、相談に乗っていただいた奈良知之記者へ心より感謝申し上げます。髙山さんが我々のもとへ戻ってくる日まで、皆様へご協力をお願いする次第です。

 

何が正しくて何が正しくないのかの正解は一つではありません。人によって、価値観によって、状況や環境、立場によっていくらでも変わってきます。その上で、心へ芽生えた自分を突き動かす"動機"に対し、正直になってください。それが信念を育みます。そして、良識のもと信念に基づいた言動であればあなたにとっての正解です。

 

皆様の正直な思いや気持ちを、支援募金という形で我々はお預かりしているにすぎません。大切なのは一人ひとりの思いを髙山さんへ届けることだと思っています。それを忘れることなく、今後もご協力をお願いするべく呼びかけていきます。

 

 

☆        ☆        ☆

 

2013年1月に「ニコニコプロレスチャンネル」が開設されて4年間、髙山善廣さんはもっとも顔を合わせ、時間をともにしてきたプロレスラーでした。週一番組「ニコプロ一週間」の司会進行とレギュラーコメンテーターの関係で、そこに本誌前編集長の佐藤正行さんを加えた3人で毎週水曜に1週間ごとの主な大会やニュースを紹介し、それについて掘り下げていくというものでした。

 

髙山さんと私は昭和41年生まれの同い年、佐藤さんは1つ上なのでプロレスもそれ以外のジャンルに関しても蓄積が共通しており、当初は出来事をなぞっていくだけだったのが回を重ねるごとに会話が膨らむようになって、やがてグルーヴ感を覚えるほどの絶妙な呼吸ができあがっていきました。天然の佐藤さんに私が突っ込みを入れ、帝王が「ガハハハッ!」と豪快に笑いながらさらに突っ込む。自分の活動範囲だけでなく、あらゆる団体の話題について論客らしいコメントをし、そして楽しめるネタに関しては小学5年生へ還ったかのごとくウヒャウヒャする。

 

テレビの方はどちらかというとおカタいコメンテーターのポジションでしたが、こちらではプロレスならではの幅広さを心から楽しんでいるようで、水曜に試合があっても極力休むことなく大きな体でスタジオへ飛び込んできたものでした。「編集長っていうシンドい立場にいるとさ、この番組で好きなことを言えるのが心のオアシスみたいなものなんだよ」当時、佐藤さんはそう言っていました。おそらく、髙山さんも同じような気持ちで出演されていたのだと思います。

 

だから視聴者の皆さんはもちろん、共演するお二人にも楽しんでもらえるよう私は番組の内容をナビゲートしているつもりでした。髙山さんの誕生日が来ると、いいトシした二人のプロレスマスコミが生歌と生演奏で「ハッピーバースデー・ディア帝王」と祝福し、それを生番組でファンに見てもらい一緒にお祝いしていました。

 

▲2013年9月18日、髙山さんの誕生日前夜の生番組中にロールケーキとシャンパンで帝王を祝う

 

また髙山さんが地上波のドラマへレギュラーでキャストされた時には毎週触れて、それさえも話のネタにしともに笑い合いました。プロレスによって鍛えられているので、どんなジャンルでも膨らまして楽しめるのが我々三人の強みだったのです。

5月4日のアクシデントがあった以後、ニコプロ一週間から帝王の姿が消えました。私の左隣へ当たり前のようにあった大きな大きな体の存在感は、あれから4ヵ月が経とうとしている今もかすかなぬくもりのように残っています。

 

休みに入った以後も、ニコプロはオープニングVから髙山さんの箇所を抜いていません。出演時には毎週豊富なコレクションの中から着てきたTシャツを紹介していたのですが、それも私が引き継いでいます。髙山さんほど多くは持っていないので、ネタが尽きた頃には戻ってきてほしいという願かけでもあるのです。

 

でも…今の我々には、それぐらいのことしかできません。本当にたくさんの選手、関係者がなんとか力になりたいと思っています。でも現時点では、まだその段階ではありません。力になれる日が来るのを待ち続けるしかないのです。

 

あれ以来、一日で髙山さんのことを一度も思い浮かべなかった日はありません。私のような人間でさえそうなのですから、ご家族の辛さを察すると心が痛みたまらなります。そして何より、今なお孤独な闘いを続けている帝王の気持ちを想うと、何もできない無力さが情けなくて情けなくて。

「髙山は帝王です! 僕だってここまで回復してリングに戻ることができたんです。髙山、絶対大丈夫だからな! 負けるなよ!」

 

8月14日におこなわれた「カッキーライド」のエンディングで、垣原賢人さんは何度も帝王の名と「大丈夫」の言葉を口にしました。それは挨拶という形式的なものではなく、とめどなく体のそこからあふれ出てきて抑えきれぬ思いのたけでした。悪性リンパ腫と今も闘いながら、奇跡的な回復を遂げ夢にまで見たリングへ還ってきたのに、自分のことではなく盟友の力になりたいと泣きながら叫んでいる。

 

 

私はプロレスを通じて「人間は他者のために動いた時、とてつもないパワーを発揮する」ことを教わりました。これまで自分のために闘ってきた垣原さんは、その強さを髙山さんへの思いに乗せて使おうとしています。思いは無形のものであるからこそ、時空を超えて伝わる…そしてそれこそが今、私たちにできることなのだと信じています。だから皆さんも――。(2017年8月28日・記)

 

 

【髙山善廣選手の応援よろしくお願いします】

プロレスラーの髙山善廣選手が2017年のDDT5・4豊中大会試合中に負傷し、頸髄完全損傷という診断が下され現在、肩から下が動かない状況の中、厳しいリハビリ、ケガと闘っております。そんな髙山選手を応援する会「TAKAYAMANIA」が起ち上げられ、各プロレス団体協力のもと試合会場にて募金箱の設置、応援グッズ販売、支援イベントなどがおこなわれています。活動状況は髙山選手の公式ブログ https://ameblo.jp/takayama-do/ にて随時更新されていきます。当ブログを閲覧された皆様のご協力を、心よりよろしくお願い申し上げます。皆様からご協力いただきましたご厚意は、髙山選手の治療費等に寄付されます。ご賛同いただける方は、下記口座及びクレジットカードに募金をお振込いただければ幸いです。

 


 

〔銀行振込〕
★三菱UFJ銀行代々木上原支店
店番号137
口座番号:普通預金 0240842
口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア
★みずほ銀行渋谷中央支店
店番162
口座番号:普通預金 1842545
口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア
★三井住友銀行渋谷支店
店番654
口座番号:普通預金 9487127
口座名義:TAKAYAMANIA タカヤマニア 代表・髙山奈津子

※通帳は髙山選手の奥様がお持ちになられています
〔クレジットカード〕
日本語:https://secure.koetodoke.jp/form.php?to=13
ENGLISH:https://www2.donation.fm/takayamania-en/
〔TAKAYAMANIAお問い合わせ〕 
takayamania.staff@gmail.com

BGM:純烈『純烈のハッピーバースデー』

 

9月3日、鈴木健.txtは還暦となりました。60年前に会津若松で生を受けて以来、特筆すべきいいことをやったわけではなくむしろ他人様のお世話になりっ放しジャーマンの自分のような人間が、無事この年齢に達したのはそれだけで恵まれているなと心底思います。

ただ、昨日もtheLetterで書いた通りまったく還暦感が見受けられない。私の中にある還暦のイメージはなんといっても、赤いちゃんちゃんこを着てニッコリしているジャイアント馬場さんのお姿なのですが、どー見てもあの時の馬場さんと同い年には見えません。これは自分だけでなく、周囲の方々も100%同じ認識と思われます。

私は若く見られることに執着したり、あるいは意図して若作りしたりしているところは微塵もありません。それこそ「老けたな」と思われるのであれば、これが自然な姿である限りまったく受け入れられます。

 

若く見えることには特に価値を見いだしておらず、単に現在の身なりは自分の趣向に合った色使いや服装によるもので、おじさんに見られたくなくて年甲斐もない格好を無理やりしているという意識は正直、皆無です。

おそらくこれから皺がたくさん出てきて髪の毛が薄くなったり、動作そのものが鈍くなったりするなどの老化現象が顕著なものとなっても、身なりに関しては同じだと思われます。そもそも年齢に合った格好でいようという意識がないもので。

では、そういう外的な要素を抜きにしてもなぜに同年代の方々と比べて若く見えるのか(自分自身はそれを若さではなく成熟していない姿として認識しているのですが)。一つは「偉そうに見られたくない」という思いが強いからだと思います。

人間はキャリアを積み、その中で実績を重ねることで評価され、ステータスが上がっていくものです。それはそれで価値観として成り立つのですが、どうも自分は年が上だというだけでよけいな気遣いをさせてしまったり、もっと言うと偉い人に見られるのが性に合わないんですね。

いや、本当に偉い人は偉く見られるべきですし、それ相応の対応をされてしかるべきです。だから「偉い人」と「偉そうな人」…もっと言うと「偉そうにしている人」は別モノであり、私は3つ目の偉そうにすることで周りに気遣わせてしまうのが、本当に嫌で。

それもあって、自分の実績や年齢を抜きにして偉そうに見られないようにするのが体に染みついてしまっているのです。これは当たり前といえば当たり前なのですが、たとえばプロレスラーに対しては基本全員が「さん」or「選手」づけです。プライベートでは仲が良く名前やニックネームでカジュアルに呼び合う中でも、番組やイベントといったパブリックな場では「さん」か「選手」をつけて呼ぶ。たとえ無生物のヨシヒコ選手であっても、あるいはかつてのラム会長さんや里歩選手といったキッズレスラーであっても、さんづけです。

でもこれがSNSになると、その意識が緩くなって選手を呼び捨てやニックネームで呼ぶ傾向が高まる。もちろん人それぞれのスタンスがあり、ましてや当事者同士の距離感や関係性もありますから、許容される範囲も違ってくるので一概にはくくれません。ただ、自分の価値観ではそれができない。

なので、何かしらの意図があって呼び捨てや(報道としての文章はそれが基本)ニックネームで書く場合は極力断り書きを入れるようにします。そういう姿勢を続けていれば、偉そうには見られないだろうなと。

偉そうにすることのすべてが悪いと言っているわけではないですよ。世の中には本当に偉くて、ちゃんと偉そうにしなければならないポジションの方もたくさんいます。それが威厳であり貫録、説得力や存在感を生むのですから。

幸いというべきか、私は偉そうに見せる必要のある人間とは違うので、偉そうでない人生を満喫できるわけです。その上で、実績として誇れることができればなおいい。

偉い方々は、やはり人生の年輪を重ねるごとに年相応の雰囲気をまとうようになるもの。私はそれを放棄することで、実年齢よりも成熟していないビジュアルに映っているのではと自己分析します。

もう一つ、よく老けない秘訣を聞かれるのですが、これはハッキリ言えます。毎日笑うことです。

ストレスを抱えると老化が早まります。もちろん日々の中でうまくいかないことも、ネガティブな感情を抱くこともありますが、それでも一日のうちどこかで笑えばポジティブになれる。

笑いを得る上で重要なのは、面白がれる姿勢。ちょっとしたことでも膨らませば、笑いの対象にまで持っていけます。

私がMCや実況、コメンタリーで話や目の前の出来事を膨らませるのは、それによってオーディエンスや視聴者の皆様に楽しんでいただくためではあるのですが、同時に自分自身が面白がることも目的。そこで「ふざけている」といった受け取り方をされる場合もありますが、その声に対する回答は「そうです。技量を駆使し、心の底から真面目にふざけています」です。

楽しんでもらうために、また自分も楽しむために全力でふざけます。その上で、笑いがそぐわぬ試合に関してはギアチェンジし、別の楽しみを味わっていただくべくソウルフルであったり、エモーショナルな言葉を使って伝えます。

イメージ的に私は、すべての試合に関して面白おかしくやっていやがると思われがちで、それによって損をしているなところもあるのですが、そう受け取られる間は偉そうに見えないだろうからいいかなとも解釈しています。毎日笑い続けることが難しいという方もおられるとは思いますが、そういう場合はやはりプロレスを見てくださいと答えるようにしています。

プロレスは喜怒哀楽を表現するジャンルであると同時に、最終的には喜びや楽しさ、笑いといったポジティブなものに落とし込んでくれます。そんなプロレスと出逢い、この年になっても業界の末席へいられることが、確実に今のまったく偉そうじゃない見映えにつながっていると思っています。

そんな還暦初日はいつもと変わらぬ一日で、新宿御苑方面でDDT・上野勇希選手のインタビュー。普段はこんなことを絶対にリクエストしないのですが「還暦になって初めて一緒に写真を撮った人になってください」とお願いしました。



この世界にいればそれが何気ないやりとりであっても、やっぱり自分は恵まれているなと思います。22歳で週刊プロレス編集部に潜り込んで、38年後に団体を代表する選手と同じ空間にいられるなんて、当時は考えも及びませんでした。

上野選手にご協力いただき、私の六十代はこの言葉からスタートさせることができました。「ありがとう」――。

というわけで、これからは世界一還暦っぽくない還暦erを目指します。目指す…ん? 違うな、なったら結果的にそうなったの方が正しいかな。

BGM:Eurythmics『Sweet Dreams』 

 

この数年、三大牛丼チェーン店とされる吉野家、松屋、すき家って期間限定メニューに力入れていますよね。1月には吉野家で豚角煮定食なるものが登場しましたが、この夏は「極旨牛鉄板ステーキ定食」ですよ。

やはり“ステーキ”の4文字は人を狂わせるね。税込み1498円と、牛丼チェーンとしてはかなりの価格となるにもかかわらず、迷うことなくいってみよう!となりましたわ。牛丼並盛り3杯分以上ですよ!?

この値段でサイコロステーキ仕様のお肉が6切れ。正直、もっとヴォリュームあった方が嬉しいと思いましたが、肉の質(赤身肉)と値段を思うと、これぐらいの量になるかなというところです。

 



で、肝心の味ですが、ちゃんとステーキです。噛み応えもあり、肉を食べている実感が得られます。ソースが和風オニオンなのですが、最初は1切れずつ箸でつまんではそちらにつけていましたが、残り2切になったところで残ご飯とともに鉄板の中へぶち込むと、ペッパーランチっぽくなります。

また、ポテトサラダもアツアツの鉄板に乗せられてくるので、私は最初の段階でコーンともども肉と混ぜちゃいました。その方が“具感”が出ていいと思います。

6切でもご飯普通盛りでおかずロスにはならず、ちょうどいい感じでフィニッシュできました。で、5日後には2度目を求めてしまったんです。

この日はチーズをトッピングし、返す刀で味噌汁を豚汁にアップグレードした結果、お値段は1814円に。さらにご飯も大盛りと、ささやかなぜい沢をしたわけです。



溶けたチーズとポテサラとコーンがあり、豚汁の具もおかずになったことで、お肉が6切れでもご飯大盛りに最後まで対応できました。値段以前に、ステーキハウスってハレの場じゃないですか。でもハレではなくてもステーキを浴びたいと思う時もあるでしょう。そういう時に、吉野家の前を通ったら吸い込まれてもおかしくはありません。

いつまでやっているかはわからないですが(終了未定となっている)、同じ食べ物でも敷居の高い方とカジュアルな方の両極あった方がいいと思うのです。なので、できる限り長く販売してください。

BGM:THE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITES『Kick It Out』THE FIRST TAKE

 

8月24日は日中、東陽町でサムライTVのプロレスリングFREEDOMS8・20後楽園ホール大会中継のMA収録。一度自宅へ戻り、30分後には歌舞伎町へ。かねてからこの日にTHE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITESの野外フリーライブ(無料)が開催されると告知されていたものの、1週間ほど前まで会場は明かされなかった。

その時点で「BOOM BOOM SATELLITESの規模で野外ライブをやるとしたら、あそこしかない」と思っていた通り、歌舞伎町のド真ん中にある東急歌舞伎町タワー前シネシティ広場と明かされる。いわゆるゴジラビルこと新宿東宝ビルの隣にあり「トー横」とされる一角。ここではさまざまなイベントが開催されており、歌舞伎町タワー1Fのステージではライブもよく見られている。

私自身も今年4月17日に、この広場へマットを敷いたプロレス「KABUKICHO STREET WRESTLING」で現場実況を担当したばかり。まさかその4ヵ月後に同じ場所で、THE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITESがライブを演るなど想像もしていなかった。



▲マットプロレスを開催した時の模様

広場の隣に立つビルのヒューマックスパビリオンにはプロレスのメッカ・新宿FACEがあり、年間を通じ30回は取材で足を運ぶ。もちろん東宝ビル内にある映画館も日常的に利用し、歌舞伎タワー内の109シネマズプレミアム新宿は音響面を坂本龍一が監修していることもあり、最後のライブを収録した映画『Opus』やドキュメンタリー作品『Tokyo Melody』をここで見た。

自宅より自転車で向かえる距離にあるため、歌舞伎町は仕事的にも個人の文化圏としてももっとも馴染みのある街。だから、この広場でおこなわれるイベントに関してはけっこう横目で見て来た。

BOOM BOOM SATELLITESのライブにおける爆音と音圧を浴びている一人として、あの空間でそれを全開にしたら大袈裟でなく街の情景が変わると思った。都会の雑踏と喧騒がいかがわしさを漂わせながら耳にこびりつく歌舞伎町独特のサウンドがある。それは、どんなイベントがおこなわれようとも不変のものだ。

このライブはBOOM BOOM SATELLITESのメンバーである(過去形ではない)川島道行さんが2016年10月9日に没後、今年で十周忌であり、また8月25日が57回目の生誕日であることから企画された。川島さんとの別れのあと、もう一人のメンバーである中野雅之は2020年12月よりTHE NOVEMBERSの小林祐介と新たるバンド・THE SPELLBOUNDを結成し、本格的な音楽活動を再開する。

THE SPELLBOUNDとしてもBOOM BOOM SATELLITESのナンバーを演奏し、少しずつレパートリーも増えていった。初めてそれを聴いた瞬間、体が鋭利な何かに貫かれた感覚となった。小林のヴォーカルが、川島道行そのものだったからだ。

小林は生前の川島さんに多大なる影響を受け、テレビの音楽番組に出演したさいも「アーティストが語りたい天才たち」のテーマでBOOM BOOM SATELLITESと川島さんに対する深い思いを語った。その関係性を知る者であれば、誰もが中野と小林の邂逅は運命的であり、必然だと思っている。

 


BOOM BOOM SATELLITESの楽曲を演るのは当初、それぞれに葛藤もあったはず。特に小林にとっては、あこがれであり尊敬する存在だからこそ川島さんの唄を自分が歌っていいものかと考えたのは、一度や二度ではなかったはずだ。

それを乗り越えてでも歌おうとした小林祐介という表現者は強いと、心から思う。はじまりの時点でモノが違った。とにかく圧倒させられた。THE SPELLBOUNDとして新たな音楽をクリエイトするのと並行し、もう一度BOOM BOOM SATELLITESの楽曲に息吹を与えてくれた。

2021年小林祐介が僕の背中を押してくれたおかげで、再びBOOM BOOM SATELLITESの楽曲を演奏する事が叶いました。THE SPELLBOUNDを立ち上げるにあたって、BBSの楽曲は封印していくつもりでした。小林くんの強い希望で、恵比寿LIQUIDROOMでのTHE SPELLBOUNDのファーストライブでBACK ON MY FEETを演奏したのが事の始まりです。この時僕と小林くんの間でちょっとしたマジックが起きて、胸の奥に熱いものを宿した後、少しずつ丁寧に曲数を増やして演奏を重ねて、現在に至ります。

2026年、このメンバーで演奏するBOOM BOOM SATELLITESの曲達に強い誇りと自信を感じています。
(BOOM BOOM SATELLITES 川島道行の10周忌メモリアルプロジェクト始動時の中野のコメント)

私は小林を見ていて現在のハヤブサとオーバーラップさせてしまう。その背負ったものの大きさは、本人にしかわからない。歌い方や声、ファッションだけでなく所作やたたずまいまでまとうには、精神性の部分でも高いハードルをクリアしなければ不可能だ。

 


川島道行10周忌メモリアルプロジェクトとしてBOOM BOOM SATELLITESのセットリストでツアーを回り、そしてこの日は川島さんとともに歌舞伎町のド真ん中へ立って街の情景が変わってしまうほどのサウンドを鳴らす。開始1時間半前に到着すると、すでに歌舞伎町タワー前にはこれまで見たことがなかった数の人が集まっていた。

柵で囲まれたスペースの外には別の列がなされており、そちらは同時刻に新宿FACEでおこなわれるSareee自主興行の開場待ちだった。合流した知り合いが、一度そちらへ並んでしまい「プロレスもこんなに列ができるぐらい人気があるんですね!」と驚いていた。

「これ、プロレスの興行中にライブの音が聴こえてくるのでは?」と思った。新宿FACEだけではない。ステージの脇にはAPAホテルがあり、東宝ビルの1Fは飲食店が並び、ド正面にはセブンイレブンもケンタッキーフライドチキンも銀だこもある。もっと言うなら、この日は歌舞伎町タワー地下3F&4FのZepp SHINJUKUで3marketsのライブもおこなわれる。

19:00を境に、この一帯の空気感が一変する。その瞬間を味わえるのは、歌舞伎町に馴染みのある者として貴重な体験となる。

徐々に薄暗くなる歌舞伎町。タワーのビジョンにはBOOM BOOM SATELLITESのMVや10月9日(川島さんの御命日)にSGC HALL ARIAKEで開催されるツアーファイナル公演の告知映像が流され、その上空を飛行機が通過していく。



▲ビジョンに映し出されているのは、川島さん生前最後のシングル曲「LAY YOUR HANDS ON ME」のMV。川島さんの娘さんが出演した

数時間前まではステージと広場の間に公道があるため、普通に人が行き交っていた。日常的な風景が、中野と小林、そしてBOOM BOOM SATELLITES時代からサポートドラマーを務めてきた福田洋子の3人が登場し「Kick It Out」のイントロを鳴らした瞬間、確かに歌舞伎町の顔つきが変わった。



野外ライブといってもFUJI ROCKやSUMMER SONICのようなシチュエーションとは違う。無防備なほどにむき出しの人間で溢れ、都市の呼吸に満ちた建築物に囲まれた空間なのだ。

今までに見て来たライブとまったく異なる風景。にもかかわらず、それらを包み込むサウンドはBOOM BOOM SATELLITESそのもの。なんと言えばいいだろう…映像編集が施されたMVの中へ、自分がいるかのような感覚だ。


しかも振り向けばゴジラが声なき表情で聴き入っている。どんなBGMやアナウンスも自然音のように聞き流される街において、これほど刺さる音はなかった。圧倒されて「ガオー」の音(ね)も出ないようだ。

 


▲ライブ中、脇目を触れることなくTHE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITESに見入っていたゴジラ(画像はYouTube生配信より)


頭上のビジョンから降り注がれる光が、ステージ上の3人を煌々と照らす。その情景は『BLADE RUNNER』のよう…それもオリジナルVer.より「2049」の世界観とマッチしている。

同じ新宿ということで、私は1983年8月7日に甲斐バンドが都有5号地(現在の都庁)でおこなった『THE BIG GIG』を思い起こした。あのライブも、甲斐よしひろが住友三角ビルをバックに躍動する姿があった。

43年経った今も伝説として残る、新宿という一大都市とのセッション…この日のライブも、同じように語り継がれていくに違いない。


▲THE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之(左)と小林祐介
 

「Moment I Count」と続いたあと、BOOM BOOM SATELLITESとしては10年ぶりの新曲となる「Brand New Drive」が初披露。THE SPELLBOUNDのライブにも参加している女性ヴォーカリスト・XAIが加わり、4人による息の合ったパフォーマンスを見せる。



ライブの模様はYouTubeで生配信。その映像がビジョンにも映し出され、見ると演奏中は広場前方の公道も封鎖されたものの外側は当然ながら通行人が歩いているのがわかる。また、ステージのすぐ横は歌舞伎町タワーの2Fへつながっており、利用客が上がり降りしながらライブを傍観。




▲画像上2枚はYouTube生配信より

こうした光景も、フリーライブならでは。歌舞伎町はインバウンド客も多いので、東宝ビル前を通るさいに面喰らっただろう。「日本にはこんな街のド真ん中で爆音を鳴らすライブを演るのか!?」という認識で世界に伝わった方が面白い。

その後は「Morning After」「Pill」とBOOM BOOM SATELLITESの人気ナンバーが続き、オリジナル音源では都会の喧騒が使われた「Back On My Feet」へ。個人的な新宿のテーマ曲はTM NETWORKの「Get Wild」だが(理由はいわずもがな)、この曲も歌舞伎町の摩天楼と実にマッチしている。


▲BOOM BOOM SATELLITESのビートの要、サポートドラマーの福田洋子。「Back On My Feet」のドラミングは息ができなくなるほどにカッコいい


全曲BOOM BOOM SATELLITESのライブは、自分にとっても11年ぶり。これまでの行程において、少しずつTHE SPELLBOUNDのライブで聴いてきたため懐かしさに浸ることはなかったが、そうした助走なしでこの日を迎えていたらおそらく感情が追いつかずステージの風景がにじんでにじんで仕方なかっただろう。




あれから10年の月日が経っても、BOOM BOOM SATELLITESは現在形。懐かしさを覚える間も与えずに前へ前へといざなってくれる。そして、中野と小林の間に川島さんの存在を感知してしまう。

物質としてではなく、思いという無形のものによって我々は今でも川島道行の“存在”を認識できている。それはBOOM BOOM SATELLITESの音楽がある限り、これからも変わらぬはずだ。




40分ほどのライブは、まさに川島道行の生誕を音楽で彩る祝祭のようだった。欲望が渦巻く街とされる歌舞伎町史上、もっとも純化されたひと時と思えた。

3000人ものオーディエンスが、一つの共有する意思によって一体となったのだからそう表現してもいいだろう。6曲を終えたあと、小林はメンバー紹介として「川島道行」の名を告げ「誕生日おめでとうございます」と空に向かって叫ぶ。そして観衆をバックに、メンバーで記念撮影をするさいには川島さんが愛したギターのフライングVと収まった。

 


終演後30分もすると、広場は何事もなかったかのようにこの街における日常の表情をしていた。夢かうつつか…歌舞伎町タワーの9Fから、教授のピアノ曲が降り注いでくるかのような感覚も、いつもと同じだった――。(文中敬称略)

 

 

【関連記事】BOOM BOOM SATELLITESに関するエントリーまとめ

BGM:サザンオールスターズ『旅姿六人衆』

 

本日より16日までアートコンプレックスセンター(最寄り駅は四ツ谷三丁目)にて催される「Count2.9 presents 人間・藤波辰爾展」へいってきた。昨今のプロレス熱もあり、全国ではジャイアント馬場さんやアントニオ猪木さんといった名レスラーの展示イベントが開かれるようになったが、今回のテーマは「プロレスラーとしてだけではなく、夫、父、そして一人の人間としての藤波辰爾の人生」を網羅するというもの。

 



当然、メディアによって記録として残された資料やゆかりのアイテムだけでなくリングを離れたプライベートショットや、ルーツをさかぼるとなると当時の古い写真も必要になってくる。プロレスグッズ、マスク、コスチューム制作を手がけるCount2.9の織本一秀代表は、藤波さんの55周年、自身の55歳、そしてお店の10周年というタイミングでこのイベントを形にするべく、大分の実家まで飛び貴重な貴重な写真を借り、そして幼少期の飛龍のエピソードを実兄から聞いた。

さらには、グッズ制作を通じ藤波家と親交があったことから、通常では公にしない家族のアルバムを提供してもらった。その数、およそ500点! この中から展示会で使用するカットをセレクトするのが想像以上に大変だったという。

どれもこれもが貴重な写真であるため、カットできない。その葛藤の繰り返しだった。加えて、過去の写真は紙焼きで現存しているためそれらのすべてをデータ化する作業も要す。業者に頼んだら時間が足りないし、費用もかかるため自前で黙々と画像ファイルを作る日々だったという。

そんな熱量が、展示場に足を踏み入れた瞬間に伝わってくる。藤波さんご本人が人生を回想したら、本当にこのままの流れで浮かんでくるのではと思えるような場面が並ぶのだ。建て直す前の生家の写真、片道5時間かけて国東から大分市内の荷揚町体育館まで初めてプロレスを見にいった時に乗った自転車にまたぐ姿、伽織夫人と結婚した時の模様は当時報じられたが、結納の儀の様子はおそらくこれが初公開だろう(結納の日が6月26日、つまりは猪木vsモハメド・アリ戦と同じ日付というのも、ヘェーとなった)。


▲藤波さんご自身もどんな感じで展示されるかはこの日初めて見るので「よくこんな写真があったね!」と驚いた様子

家族を持った藤波さんが長女・美有さん、長男・怜於南(LEONA)選手と映るその顔は、当然ながらリング上とは別人のよう。わかってはいても、父の顔になるとここまで変わるのかと新鮮以外の何ものでもない。家族の日々をちゃんと写真に残すことって大切なんだなと改めて思わされた。

目を見張ったのは藤波さんの歴史だけでなく、出逢う前の伽織さんのルーツも集められている点。これはCount2.9スタッフの志穂さんが着眼したことだったという。

志穂さんは本企画のテキスト、写真構成といった裏の立役者でもあり、人一倍の思いが注がれている。伽織さんが子ども時代や独身時代のショットがそこにあることで、藤波史ではなく藤波家史という感覚がグッと増す。そしてプロレスラー・藤波辰爾にとって家族の存在がどれほど大きく、支えとなり続けたかも可視化される。

ほかにも師・猪木さんとのショットだけでなく、盟友・西村修さんのスペースが設けられているところにも、藤波さんの思いが描かれているし先日、天寿を全うされたドリー・ファンク・Jrさんへの哀悼の言葉とともに、一緒に写ったカットは急きょ展示されたものと思われる。写真以外にもガウンやベルトも集められ、WWWFジュニアヘビー級とともに短期間しか使用されていないNWA世界ジュニアヘビー級インターナショナル王座(のちのNWAインターナショナルジュニアヘビー級王座)の初期型ベルト(木村健吾、大仁田厚らが巻いたものとは別)も公開。

そして今回もう一つの目玉が、藤波さん直筆書道作品の数々。自身が好んで使う言葉や、プロレスラーの異名・キャッチフレーズ(どの選手のものを書いたかは見てのお楽しみに)を毛筆で力強くもしなやかにしたためたものが展示されている。

以前、織本代表がLEONA選手と雑談している時に、実は藤波さんが書を趣味としているという話を聞き、いつかご本人が書いた作品の個展を開きたいと思っていた。それを打診すると、人様に見せるのであればしっかりとしたものを書かなければとドラゴンのやる気が全開。

今回の会場であるアートコンプレックスセンターでは書道教室も開いており、その講師の方に来ていただいて集中特訓を4度もおこなったという。スペース内にドーン!と鎮座している「飛龍」の巨大文字は、何度も何度も書き直しを繰り返し完成するまで5時間を要した。

「20年ぐらい前に“無我”の文字を書いた時に、文字を書くのっていいなと思ったんだけど、小中学校でやった習字の授業の記憶なんてなかったから、今回本格的にやってみて全然違うんだなと思ったよね。大きな筆を持って書く経験も初めてで、やってみると“飛”と“龍”の間が空いてしまったり、龍を書くのにスペースが足りなくなったりで、一つの文字を書くにしても一筆一筆が近すぎたり空いたりと、きれいな形にならない。だから書ってプロレスと同じで間(ま)が大事だし、書いている間は呼吸を止めて集中するから、いかに一筆書ききるまで集中できるか。途中で息を吐いたらそれまでしっかり書いていても崩れてしまって、また最初から書き直し。いい経験をしました(ドラゴンスマイル)」


▲まさに魂がこもった直筆の書を満足気に見つける藤波さん。「龍の文字はうまく書くのが難しいね!」


飛龍という、たった2文字を書くだけでありながら、その間の作業はプロレスに似た感覚だったと藤波さん。一筆目から書き終えるまでの間に流れがあり、間合いと呼吸も大事。自分の納得いくものが書けた時は、ベストバウトという名の作品を生み出したような手応えが得られる。

72歳にして藤波さんは、また新たなやり甲斐と楽しさ、歓びを感じられるものに出逢えたようだった。8月8日に「上揮毫イベント」が開催され、そこでは“闘魂”の2文字を書き上げる(猪木さんの実兄・啓介氏、ユリオカ超特Qさんとのトークショーもあり)。当初はその日のみの来場予定だったが、この初日のように時間が許す限りやってきて、巨大・飛龍の書をバックにファンの皆さんとの撮影にも応じるという。

「今回、展示できたものはほんの一部。まだまだ秘蔵写真があるので、この展示会がいい形になれば継続していき、その中で規模を大きくして未公開の写真を増やしていきたいです」と織本代表。同会場ではプロレスを題材としたアート展「プロレス芸術祭」も開催され、新日本プロレスのマスター・ワト選手も「ウォンバット式通天閣ジャーマン」などの作品を出展しているので(初日は来場していた)、併せてご覧いただきたい。また、イラストレーター・榎本タイキさんのブースには髙山善廣選手、大谷晋二郎選手の支援募金が設置されているので、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

【8月9日追記】一部不正確な記述がございましたので修正・削除いたしました。ご了承ください

BGM:アル・ヤンコビック『Eat It』

 

プロレス団体・GLEATの本社はJR有楽町駅前の電気ビル内にあります。かつてはそこにプロレスリング・ノアの事務所もあり、取材でよく訪れておりました。
現在もノアで広報を担当する石黒雅史さんから取材後に「近くへ飯食いにいきましょう」と誘われ連れていかれたのが、ここカレー専門店「ふくてい」でした。JRのガード下には飲食店が並んでおり、その中にふくていはありました。

 

 


 

何種類かあるのですが、肉食系の私はいついってもステーキカレーしか注文しません。こうしたカジュアルな形式でステーキカレーを出しているのは、私が知る限り都内ではこことJR秋葉原構内にある立ち食いそば「新田毎」の2店(もちろんほかにもあると思われるが)。

この2店のステーキカレーはステーキもカレーもとても似た味と食感です。ただ、ふくていにはステーキのダブルがあります(360g)。

 



けっこうレアに焼かれた柔らかいステーキがカレーと合います。通常のビーフカレーとはまったく違う味わいです。

言ってしまえば成型肉なのですが、そこはまったく気になりません。レトルトでも販売しているので、家でも食べられます。一度はフツーのライスでこの肉を味わってみたいという気もします。

ステーキを別としてカレーそのものも昔ながらの味で、これほど多様化した時代だからこその味わいがあります。ほかのメニューも試したいところなのですが、店に入ると魔法のようにステーキカレーのボタンを押してしまうんですよね。

店内には著名人のサインが並んでおりますが、やはりここへGLEATの選手が貼られることを期待します。たとえば一度、選手がいって食レポし、公式YouTube chで流すとかは、どう?

 

BGM:河原裕昌『ガンバの唄』

 

牛たんチェーン店として誰もが知る「ねぎし」で、なかなかパンチの効いたメニューが大人気だという事実をご存じですか? ズバリ、牛たんを使用したハンバーグと肉好きの死角を突いたスグレモノで、商品名は「がんバくん」と言います。

 


もともとねぎしでは牛たんハンバーグをやっていなかったそうなのですが、そこはあえてハンバーグと言わずネズミが冒険をしたくなるようなネーミングにしています。しかも“バ”だけがカタカナで、あとはひらがな。


なぜかというと、ねぎしの牛たんを「がんこちゃん」と呼ぶらしく、そのハンバーグだからがんこハンバーグ→がんバとなったそうな。2025年に店舗限定で始めるやまたたく間に大人気となったもののいったん販売休止を経て、今年1月に復活を遂げました。


牛たんの端材を各店舗から集めて作っているらしいのですが、牛たんって、どこが端になるのだろう。とにもかくにも発祥の地である新宿西口の菊水ビルへ午後2時頃にいくとさすがは人気商品、私がラストでした。危なかったー。


レギュラーが220gですが、メニューを見るとダブルが一番大きく載っているので迷わずダブルで。440gはさすがにデカく感じます。


食感としては、牛たん感はそれほどでもなく、どちらかというと粗挽きハンバーグの感覚。上に乗ったバターがよく合います。バター醤油、withレモン、withネギと味変でき、もちろん麦飯ととろろがついていきて、しかも麦飯はお代わり自由。


私は単品でノーマルな牛たんも頼んだものだから、お代わりしちゃってけっこうお腹がいっぱいに。牛たん以上の肉感を求めるようであれば、これはハマると思われます。


とにかく人気なのと、やっている店舗も限られるので事前に調べた上で時間帯的にも早めにいった方が無難。私はこの形状で、通常のハンバーグのようにバンズではさんで食べてみたくもなりました。

BGM:Metallica『Enter Sandman』

タイトルにある謳い文句だけで持っていかれそうです。サンドイッチではなく、あくまで「ミートサンド」と呼ぶそのインパクト大なヴィジュアルで高名な「STABLER(ステイブラー)」は、下北沢にあります(恵比寿、渋谷、横浜にも)。位置的にはライブハウスCLUB QUEの斜め向かい。以前に紹介した「北海道らーめん熊源」の真向かい。

 



北沢タウンホールでひらがなまっするが昼夜開催された時、空いた時間に数名の選手たちが連れ立って向かったのが、ここでした。たまたま前を通ると声優の稲田徹さんも一緒で、食事を済ませて出てくると「ここ、肉が分厚くてうまいって聞いたんで、皆さんと来ました!」と、野太い声が弾んでいました。

それを見て、いつかはいきたいと思っていたのですが、なかなかタイミングがつかめず。タウンホールやQUEにいった時は時間的に合わないので、別件がシモキタであった時にようやく実現。

もはや細かく説明するまでもないでしょう。見ての通りですよ。うまくないわけがない。確かにサンドイッチでもハンバーガーでもなく、どちらかというと肉料理を食べている感覚の方が近いです。

お肉はほかにハンバーグタイプとタコミートタイプもあり。増量も可です。あと、ちゃんとトーストがうまかった。

6月13日に上映会という形で公開されたプロレスラー・竹田誠志のドキュメンタリー映画『傷は、竹田誠志を』(加藤温監督)は、デスマッチファイターであり父子家庭である竹田選手の日常と闘う姿を追った作品です。当日、足を運ばれた皆様がSNS等で自身の思いのたけや感想を発信し、大きな反響を生み出しました。

 

ただ、当初から上映会はこの1回しか予定されておらず、早々と完売状態となったために見たくても見られなかった方々が多くいたと聞きました。そこで、一人でも多くのプロレスファン、デスマッチマニア、そして竹田誠志父子を応援する皆様に体感していただきたいと思い、竹田選手と加藤監督に2度目の上映会開催を打診したところ、ご了承いただくことができました。前回よりも小規模のイベントとなりますがこの機に参加し、作品から何かを感じていただきたく思います。

 


 

竹田誠志ドキュメンタリー『傷は、竹田誠志を』上映会&アフタートーク
★7月25日(土)下赤塚BOXX(17:30開場/18:00上映開始)
〔入場料金〕前売り4000円、当日4500円(限定40席)
〔アフタートーク出演〕竹田誠志、加藤温監督、進行:鈴木健.txt
〔予約方法〕6月27日(土)13:00より kenpitsu.txt@gmail.com にて受付開始。件名を「竹田誠志上映会」とし①氏名②予約人数③当日連絡がとれる連絡先④定員に達した場合のキャンセル待ち希望〇or×を明記し、送信してください。折り返し、予約番号をお送りします。お支払いは当日現金のみとなります
※定員に達したあと申し込まれた方には、その旨を返信いたします。また、キャンセルはイベント当日3日前の7月22日(水)までにご連絡ください。その時点でキャンセルが出た場合のみ、キャンセル待ちを希望される方(申し込み順)へ改めて予約するかどうか確認の連絡をさせていただきます。それ以後のキャンセルは無効となり、前売り料金をお支払いいただきます(当日無断キャンセルした場合、その席は空いたままとなります)
〔会場アクセス〕東京都板橋区赤塚新町1-22ー6下赤塚駅前ビル2F(東武東上線下赤塚駅南口徒歩10秒、東京メトロ有楽町線&副都心線地下鉄赤塚駅A3出口徒歩2分)https://shimoakaboxx.stars.ne.jp/
〔問い合わせ〕鈴木健.txtアドレス kenpitsu.txt@gmail.com

BGM:POLYSICS『Too Much Paranoias』(DEVO COVER)

 

よく自身の歴やのめりこみ度を表す言い回しとして「100回見た」(店の常連だと「100回来た」)というものがありますが、正確に数えた上で本当にそれを達成したのは、人生で初めてかもしれません。私が愛するバンド・POLYSICSのライブ参戦が、昨日のCLUB QUE公演で100回に到達しました。

 

もちろんこれほど多く見たアーティストはほかになく(2番はおそらくP-MODEL+平沢進+核P-MODEL)、ダントツに足を運んできました。しかも以前は東京近圏に限らず“追っかけ”をするほど、のめりこんでいました(正確には過去形ではなく現在形)。

 

これもひとえに、私が初めて見た1999年よりも前から現在まで活動を続けていただいているからこそ。メンバーご一行及びスタッフの皆様には、本当に、感謝しかございません。YMOとP-MODEL、そしてPOLYSICSと出逢わなかったら、自分の人生の中で音楽のプライオリティーは今ほど高くならなかったと思います。

 

以前に何度か書いていますが、私が十代~二十代に夢中となったバンドは軒並み活動休止、解散してしまっていました。YELLOW MAGIC ORCHESTRA、プラスチックス、P-MODEL(ヒラサワソロとして続いているからいいようなものの)、TM NETWORK、REBECCA、バービーボーイズ、JAPAN…最近は時を経て再結成、復活ライブを見せてくれるケースも増えましたが、若い頃はそのようになるなど想像していなかったので一つ、またひとつとライブで見られないバンドが増すごとに落ち込んだものです。

 

POLYSICSのメンバーと初めて顔を合わせたのは、2001年のライブの打ち上げだったと記憶しています。知り合いの音楽ライターさんの知り合いが当時、POLYをよく掲載していた雑誌『GiGS』の編集者・梶原さんで、つないでいただいたことから「じゃあ、メンバーに紹介しますよ」と連れていっていただいたのだと思われます。

 

メンバーの間では「毎回、ライブのアンケート用紙にものすごく長文で感想を書くファンがいる」と認知されていたようで、初対面で「ああ、あなたが!」となったという。あの頃はSNSもなかったから、やたら熱量高めの文を書き殴っていた気がします。

 

初めてお会いしたメンバーだけでなく、スタッフの方々もみな「いい人たちだなー」と思えたのが第一印象。ライブ後の打ち上げってもっと荒れるものだと思っていたので、スマートに楽しく盛り上がる場の雰囲気が、私にとってのPOLYのイメージとなりました。

 

それで、これはリーダーのハヤシ君(馴れ馴れしく呼ばせてください)に今も言うと笑われるのですが、初対面でありながら私は前述した「自分が好きになるバンドは解散してしまう」という話をしたのです。「だから聴くことを避けていました。聴いたら絶対のめりこむようになるのは明らかだったから」と。その時もハヤシ君は笑って聞いていました。初めて会う人間が、まだまだ若くてこれからがあるバンドに対し、何を言ってんだとフツーはなりますよね。

 

黄色いツナギのヴィジュアルインパクトを見た瞬間、一度も聴かぬうちにこっち方面の音楽をやっていることはわかりました。だから“解散バンド製造機”のような自分は絶対、タッチしてはならないと我慢していたのです。

 

メジャーデビューする以前の1999年6月29日、渋谷ON AIR EAST(現O-EAST)で開催された「Future Screen of Tokyo New Wave」なるイベントに改訂P-MODELが出るということで見にいくと、その日の対バンでPOLYSICSが出演していました。その時は白のツナギで、まあどれも一発聴いただけで血中に染みわたり、体内をハイスピードで循環していく曲ばかり。またたく間に持っていかれました。しかも、あとあと考えるとこの日はフミさんがサポートベースで入った一発目のステージというめぐり合わせ。

 

それでも前述の理由でハマらないよう努めていたのですが、ワンマンが見たくなり1年5ヵ月耐えたものの全国ツアーで東京へ来るまで待てず名古屋まで飛びました。そこからはPOLY街道(水戸街道みたい)をバク進しました。当時は週刊プロレスへ在籍していたのですが、不思議なもので大阪や札幌など出張へいく前日にちょうどライブがあり、前乗りすればいけるというよきタイミングも何度かありました。

 

好きなバンドが解散するトラウマに囚われた私は、見られるうちに見られるだけ見てやろうという思いでPOLYを追いかけました(それもハヤシ君に言ったことがある)。そして、毎回ライブ後に思うのが「いつまでも活動を続けてほしい」でした。

 

その通り、POLYSICSは今年3月で活動29年を迎えました。これほどのキャリアを重ねながら音楽に向ける姿勢が変わることなく、二十代の頃と同じテンションでギターをかき鳴らし、ベースで空気を振動させ、機械よりも正確なドラムを叩き、ロックなサウンドに電子音がピュンピュン乗せている。本当に唯一無二のサウンドを全身へ浴びせてくれます。

 

POLYSICSの姿勢で何よりも共感するのは、面白いと思ったことを雑談や「くだらない」で終わらせることなく、ちゃんと形にする実行力です。「2日間で100曲演る」や「イントロが鳴るまでどの曲かメンバーもわからない」といったものは、普通ジョークで終わらせる話じゃないですか。でも、POLYは本当にステージで見せてくれるんですよ。

 

この「面白そうじゃん」と思ったらメンバーもスタッフもノリノリでやってしまうのが(労力がとてつもないのをわかっていながら)、私が長くこのバンドを追い続ける上での原動力にもなっていると思うんです。昔は「テクノって飽きるでしょ」なんて言われましたけど、POLYに関してはまったく飽きがこない。まあ、これほどその成分の血中濃度が高くなったら、飽きるはずないんだけど。

29年間で何度かメンバーチェンジもありましたが、今でもたまに元メンがライブに来て和気あいあいとなります。それもPOLYSICSという場所の特性であり、リーダー・ハヤシ君の人間性だと思います。今年2月のライブで、久々にすがいっち(元ドラマー・スガイ。馴れ馴れしく呼ばせてください)に会えたのは嬉しかったなあ。

 

そして、この20年で私が誰よりも思い入れを持って見ているのは、現ドラマーのヤノ(馴れ馴れしく呼ばせてください)なんだと思います。新メンバーとして加入した一発目のライブから見続け、その中で成長していく過程を追っているからです。

そのヤノの誕生日ライブが、記念すべき100回というめぐり合わせ(しかも会場も初ステージの時と同じQUE)。昨日のヤノは凄かった。POLYの誕生日ライブは主役が一番負担を強いられるわけですがw あの体のどこからこんなパワーが湧いてくるのかと思わせるほどの大爆音。「これ、何かに対する怒りをぶちまけて叩いてんじゃね?」と思えるような衝撃音(この言い回しがしっくりくる)をクールに、ソリッドに刻んでいるのは、完全にヤノのオリジナルスタイルだなと思えました。

 

2年前の“ヤノ誕”でプレゼントした高橋幸宏スタイルのスティックを、ライブでも使っていただいています。彼は幸宏さんと同じ誕生日…まるでドラマーになるため生まれてきたような男です。

 

27年間見てきて昨夜は、もっともロックバンドとしてのPOLYSICSを投げつけられた気になりました。当たり前ですが、現在のライブ会場に集うオーディエンスの中で、私は上から数えた方が早い年齢です。ちゃんと、キャリアを重ねるごとに若い世代のファンが入ってきています。

 

彼ら、彼女たちも私のようになんらかの初期衝動でPOLYと出逢い、音を浴びるためにライブへ参戦しているのでしょう。その縦揺れする姿を会場後方から眺めながら「この光景がまだまだ続けばいいな」と思うのです。

 

……あれ? こんなに長く文を書くつもりじゃなかったのに、気がつけば! アンケート用紙にも、こういう感じで書いていたんでしょうね。ただ、これまで見たライブのデータを羅列するだけのはずが、思いのたけを書いてしまいました。お付き合いいただき、ありがTOISU!!!  

 

そして…音楽専門のライターではない、それ以前に単なるファンの自分に対し、何年経ってもフレンドリーに迎えてくれるPOLYSICS。本当に、身に余る思いです。そんな私が返せる恩は、ライブに足を運ぶことぐらいしかできないので、これからもメンバーご一行様、よろしくTOISU!!!  次は101回目、リーダーの誕生日ライブに参戦します。

 

<1999>1
001 06.29渋谷ON AIR EAST
フミ、サポートメンバーとして初ステージ。私にとっての初POLY
<2000>2
002 12.02名古屋CLUB QUATTRO

初ワンマン。1曲目『サニーマスター』をSEではなく生演奏(しかもだんだんBPMが速くなる)で演ったのがカッチョよかった
003 12.19赤坂BLITZ
すがいっちがMCで「ブリッツ~、ブリッツ~、OH、ブリッツ~」と即興で歌い、1曲得した気分w
 

<2001>9
004  04.12NHK505スタジオ

公開収録ライブに当選し、初めてNHK内に。スタジオでのライブだったためステージと段差がなくすっげー至近距離で見られる
005  04.24渋谷TOWER RECORDS
006  06.01札幌ペニーレーン

POLYを見るためだけに札幌へ!
007  06.22名古屋CLUB QUATTRO
008  06.30渋谷AX

確かこのライブ後の打ち上げでメンバーと初対面

POLYSICS WORLD TOUR 2001 NEW WAVE JACKET
009  08.15下北沢SHELTER
010  08.21千葉LOOK
011  09.27渋谷CLUB QUATTRO

この時、対バンしたことでTHE JERRY LEE PHANTOMとも出逢えた。復活して!
012  11.02東京薬科大学記念体育館
大学の体育館にて、体育座りで見るというある意味貴重な体験
 

<2002>9
013  01.18新宿リキッドルーム
014  05.07新潟JUNK BOX mini

この時の打ち上げで、メンバーと初めて撮影(チェキ)

 


 

015  05.28渋谷CLUB QUATTRO
016  06.27NHK505スタジオ
017  09.06横浜FAD
018  09.17前橋club FLEEZ

寒雨が降る中、数十人しかオーディエンスがいなかった。そこから日本武道館まで到達したんだぜ
019  09.18千葉LOOK
020  10.10渋谷CLUB QUATTRO
021  11.02明治学院大学白金メインアリーナ

当時はけっこう学祭にも出演していて、普段のライブとは違う趣きがよかった

<2003>8
022  02.07渋谷CLUB QUATTRO

このライブ後、3月19日にリリースされた『DVDVPVDVLIVE!!』の裏ジャケに起用していただく。ヤノいわく「初対面時に『DVDの裏ジャケの人だよ』と紹介されたので、ライター以前にそのイメージが強い」とのこと。ちなみに、この時に履いたジーンズはフミさんからの借り物(私はジーンズ一着も持っていません)

 


023  04.02渋谷CLUB QUATTRO
024  04.24新宿LOFT

〔サポートドラマーとしてイシマル加入〕
025  06.14横浜FAD
026  06.28札幌KRAPS HALL

このライブで演ったDEVOの『Too Much Paranoias』が本当にカッコよくて、いまだに忘れられない
027  07.10渋谷CLUB QUATTRO
028  09.02新宿red cloth

このライブ後、翌日が自分の誕生日ということでフミさんにお祝いしてもらう。恐縮です
029  10.30渋谷TOWER RECORDS

<2004>12
030  01.31心斎橋CLUB QUATTRO
031  02.13渋谷O-EAST
032  04.11新宿LOFT
033  05.30下北沢CLUB QUE
034  05.31下北沢CLUB QUE
035  06.01下北沢CLUB QUE
036  06.02下北沢CLUB QUE
037  06.03下北沢CLUB QUE
038  06.04下北沢CLUB QUE
〔ヤノ加入〕
039  06.05下北沢CLUB QUE

CLUB QUE 7DAYSを完走。1日だけプロレスの取材と重なったのだが、それが近くの北沢タウンホールだったため、ハシゴできたという奇跡! そしてその最終日にヤノが加入

 

▲この時、7DAYS皆勤の人は半券7枚を送るとメンバーからプレゼントが贈られるという企画があり、ダメ元で応募したところ当選してしまう。もちろん知り合いだからと選んだのではなく、本当に抽選したところメンバーが引いてしまい、ざわついたらしい。その時のプレゼントがこのTシャツ。同封されたメンバーからのメッセージは「おめでTOISU!!!」「当たりました!」「当たった…」「当たっちゃいましたね…」と、驚きがにじみ出たものだった。これ以後はファンの方々が優先されるべきと思い、このテのものに応募するのは控えました


040  08.25千葉LOOK
041  11.12心斎橋CLUB QUATTRO


<2005>3
042  05.01柏ZAX

この日もTHE JERRY LEE PHANTOMと対バン。楽屋へ挨拶にいった時、JLPのキーボディスト・鮎子さんと遭遇し、ド緊張する
043  06.11恵比寿LIQUID ROOM
044  12.18横浜FAD


<2006>3
045  01.21恵比寿LIQUID ROOM
046  11.09千葉LOOK
047  12.11恵比寿LIQUID ROOM


<2007>6
048  02.28下北沢CLUB QUE

蘇った偉大なる頭脳
049  03.04渋谷AX
050  04.10HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
051  06.02日比谷野外大音楽堂

P-MODELを見た野音でPOLYを見るという感慨
052  10.04下北沢CLUB QUE
053  12.01Zepp Tokyo


<2008>6
054  04.14赤坂BLITZ

ブリッツのブの字はブサイクのブ~♪
055  06.29新木場STUDIO COAST

056  08.11渋谷AX

DEVOとの夢のツーマン!
057  12.03渋谷AX
058  12.04渋谷AX

普段はアリーナ後方で見ているのに、この日だけ思い立ち最前にいったら、モッシュの洪水に巻き込まれ死にそうになる。前にいくのはわずか1日で引退しました
059  12.05渋谷AX

<2009>6
060  04.09渋谷CLUB QUATTRO
061  04.21恵比寿LIQUID ROOM
062  04.22恵比寿LIQUID ROOM
063  09.15下北沢CLUB QUE
064  10.20新宿LOFT

NICE AGEな2009年に、とっつきやすくないPOLYSICS
065  11.21Zepp Tokyo
喜・怒・音・楽/POLYSICS 11・21Zepp Tokyo
 

<2010>3
066  03.14日本武道館

日本武道館に立った画を感じたかったので、アリーナではなくスタンド1Fにした。本当に、忘れられない情景

『音楽と人』寄稿はカヨの置き土産

We love POLYSICS,Thank you BUDOKAN
〔3人編成〕
067  10.01下北沢CLUB QUE

正直、カヨの脱退で解散してしまうのかとも思ったが、そんな不安を吹っ飛ばすライブ

帰ポリ/POLYSICS CLUB QUE LIVE
068  11.05恵比寿LIQUID ROOM

ストレートバンドが一直線の道を往く/POLYSICS 恵比寿リキッドルームLIVE

<2011>3
069  03.04渋谷AX

HEAVY FREEDOM POLYSICS/2011.3.4渋谷AX LIVE
070  07.15赤坂BLITZ

直接的刺激音と再構築作業による緩和…POLYSICS赤坂BLITZライヴを浴びて
071  12.04新木場STUDIO COAST
「1000の次は1001」――POLYSICS新木場ライヴと来年3月の15周年について考えたこと
 

<2012>4
072  03.03渋谷AX

器はスペシャル、中身は999回分のPOLYSICS。そこへ1を加えることで現在が疾走した

073  03.04渋谷AX

楽しく、カッコよく、想像を超えてさらに味わい深く…それがPOLYSICS千一夜

POLYの取材を続けている音楽ライター・布施雄一郎さんとのUSTREAM配信の書き起こし

布施雄一郎×鈴木健.txt「TOISUtream」POLYSICS AX 2DAYS~前編

布施雄一郎×鈴木健.txt「TOISUtream」POLYSICS AX 2DAYS~後編

 

074  03.17福野文化創造センター円形劇場ヘリオス
BOOM BOOM SATELLITESとの対バンという俺得なライブ。夜行バスで往復。帰りのバスの中で、川島道行さんがしてくれたリツイートを見た時は思わず声をあげてしまいそうになるぐらい嬉しかった

 

075  12.08渋谷TOWER RECORDS

※実は12.20恵比寿LIQUID ROOM、筋肉少女帯とのツーマンにもいったのですが、仕事で遅れラスト2曲&両バンドによる『踊るダメ人間』しか聴けなかったのでカウントしません

<2013>2
076  03.03新木場STUDIO COAST
077  11.24恵比寿LIQUID ROOM

<2014>2
078  04.11Zepp DiverCity
079  11.21新宿LOFT

<2015>3
080  03.24代々木Zher the ZOO
081  09.10渋谷CLUB QUATTRO

 

 

082  09.11渋谷CLUB QUATTRO
そして驚異2日間で100曲達成。初日30曲、2日目70曲というアンバランスさが、ウルトラセブンに出てくるクレイジーゴンの両腕をオマージュしたのかと思った


<2016>1
083  06.12品川ステラボール

『Be Still。』が聴けるとは!という驚きに尽きたステージ。この曲、好きです

 

 

 

<2017>1
084  03.04豊洲PIT

初めて出逢った時の約束を果たしてくれた20周年…POLYSICSはPOLYSICS

<2018>4
〔ナカムラ加入〕
085  01.11千葉LOOK

こらえ性のない者たちの集会所で新体制POLYSICSを味わう
086  03.02恵比寿LIQUID ROOM
087  03.03下北沢CLUB QUE


088  11.30新代田FEVER

<2019>1
※03.29代々木Zher the ZOO(The Vocoders)
089  03.30代々木Zher the ZOO
※05.17原宿 ストロボカフェ(The Vocoders)
別ユニットのVocodersも好みでした。またやって

 

<2020>

コロナで一度もいけなかった年。配信ライブに癒される

 

 


<2021>1
090  10.13下北沢シャングリア

 

 

 

<2022>1
091  10.13下北沢シャングリア


<2023>2
092  03.03渋谷CLUB QUATTRO

 

 

093  03.04渋谷CLUB QUATTRO

 

※07.21高円寺HIGH(ハヤシソロ)

 

<2024>3
094  04.25下北沢CLUB QUE


095  06.06下北沢CLUB QUE


096  08.08下北沢CLUB QUE


<2025>1  
097  08.08下北沢CLUB QUE 

<2026>4
098  02.14荻窪TOP BEAT CLUB


099  04.25下北沢CLUB QUE フミ誕で99本目

『夢見る少女じゃいられない』のカヴァー、一回きりじゃもったいないよ!

 

100  06.06下北沢CLUB QUE  ヤノ誕で100本目!

 

▲立場上、ライブにいってもご挨拶するだけで写真をおねだりすることは控えているのですが、祝・100回ということで


101  08.08下北沢CLUB QUE ヒロ誕で101本目(予定)