大洋薬品のCM
皆さんは世界のCMフェスティバル に行かれたことがありますか? 全国21都市で年に一度開催されているCMの祭典です。
私は自分がCFやVPなどの広告映像の演出を手掛けることもあり、件のフェスティバルも東京開催の折には足を運んでオールナイトで観たりしていますが、CMという分野は実に奥が深い。単なる動く広告としてのものから一見するにショートフィルムのようなドラマ性豊かな作品まで様々です。
昨日の記事 で予告編について書きましたが、予告編も云わば映画のCMのようなものです。短い時間で如何に効果的に伝えるかという意味では同じです。決定的な違いは、予告編は“広告の対象物”と“広告の媒体”が同一であり、CMは“広告の対象物”を宣伝する為の媒体を自由に演出できるということです。
簡単に云えば映画の予告編は本編と関係のない映像は使えないけども、CMは商品と一見関係のない映像でも使えると。要は消費者に対して深層で訴求できていればいい、心に残ればいいわけです。
ちょっと前振りが長くなってしまいましたが、最近いいなあと思ったCMをご紹介します。大洋薬品工業株式会社 の「人がすこやかであるために」シリーズです。
【「人がすこやかであるために ~親子編~」 60秒ver.】
この親子編は、ACC賞と並ぶ日本最大の広告賞である広告電通賞の名古屋地区最優秀賞を受賞した作品だそうです。息子の母への想い、母の息子への想いがよく表れている良い作品ですね。お次は卒業アルバム編をどうぞ。↓
【「人がすこやかであるために ~卒業アルバム編~」 60秒ver.】
前半はよくある青春ドラマ風の展開ですが、ダメ押しのプリクラが最後の最後で効いています。青春って素晴らしい、友達って素敵だなと改めて感じさせてくれる作品ですね。お次は老夫婦編をどうぞ。↓
【「人がすこやかであるために ~老夫婦編~」 60秒ver.】
妻が病気になり海外旅行をキャンセルせざるを得なかった夫が買ってきたものは、行くはずだったパリのエッフェル塔の置物だったと。・・・シンプルですが心温まる作品です。セリフが無いのがまた素敵ですね。
シリーズ全部に共通しているのは、病気の人とその周りの人の心遣いが実に温かく描かれているということです。最終的にそれは同社のキャッチコピーである『元気になってほしい人が、きょうも、どこかにいる。』に収斂していくわけですが、作品の持つイメージが企業イメージを高めることに成功している良い例ではないかと思います。
CMは料金を払って観る映画とは違い、云わば垂れ流し状態の中にあります。その中で光り輝くには、視聴者が思わず魅入ってしまうものを創るしかないのです。偶然そういう作品に出会えた時、ちょっと得したなと思います。