地方自治体の福祉部の人材事情

 

地方自治体という行政機関の職員は「政策、施策、事業を新たに立案し」、「それを運営、執行する」のが主な業務ですが、「政策、施策、事業を新たに立案する」ことに携わる職員(テクノクラート官僚)は、「それを運営、執行する」ことに携わる職員(ストリート官僚)と比較すると、前者の職員の方が圧倒的に少ないのです。

 

福祉部という部署は、その業務の種類や特徴から、とくに、後者の「それを運営、執行する」に携わる職員(ストリート官僚)の方を数多く確保しなければなりません。

 

そのため、地方の小規模な都市においては、「政策、施策、事業を新たに立案する」ことに携わる職員(テクノクラート官僚)は、企画、政策、街づくり、シティプロモーション等を担当する部署に集中し(また、その人数も限られている中では)、それに慣れている、または、長けているという職員は福祉部という部署には配置されにくい、というのが現状なのです。

 

では、そのような現状の中で、ある地方自治体において、実際に、「社会福祉の分野の業務経験」がほとんどなく「政策、施策、事業を新たに立案する」ことにも慣れていない職員が、たまたま、「首長」→「福祉部長」→「○○福祉課長」という順でトップダウンの指示を受け、新たな制度をつくりあげなければならない、ということになったとき・・・、その職員は、きっと、眠れぬほどに、大いに悩まれるのではないかと思うのです。

 

そもそも、その担当職員が地方自治体における社会福祉施策の立案の「理論」が存在することも、「手法」が存在することさえも知らないで、それに取組んだとしたら、いったいどのような結果がもたらされるのでしょうか。

 

その結果について、読者の皆様は、想像がつきますでしょうか。

 

この「理論」に関する内容については、実際の地方自治体で顕在化している課題に照らして紹介していきたいと思います。