トニ・ブラクストン「Un-Break My Heart」 | Kenny@爺の人生イロイロ オヤジがウロウロ

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マーヴィン・ゲイ、ウィリー・ネルソン、シンディ・ローパー、MCハマー、ビリー・ジョエル、マイケル・ジャクソン、エルトン・ジョン、トニ・ブラクストン・・・これらのアーチストに共通すること・・・成功して大金持ちのはずなのに、有り余るほど資産があるのに、ある時期自己破産をしたアーチスト達だ。金持ちには金持ちの生活があり、金の使い方も理解しがたい。タマゴが特売!で168円のチラシを見て右往左往する私とは違う世界の話のようだ。中でもトニ・ブラクストンは波瀾万丈だ。30年近く歌手として第一線で活躍し、全世界で4000万枚以上のアルバムを売り上げ、1993年の年間最優秀新人賞はじめグラミー賞を6回ほど受賞した輝かしい経歴を持ち、きっと大金持ちの女性シンガーだと思っていたら、意外や借金まみれで1998年に自己破産もしていると言うから驚きだ。しかも、その後、胸の腫瘍が発見されたり、狭心症で心臓移植を医師に勧められたり、借金は浪費によるもの以外に、必ずしも彼女の責任とは思えないような高額の医療費、病気によるツアーコンサートのキャンセル料などが嵩み、2000年にも、またまた負債を抱え自己破産したらしい。2008年には腫瘍が発見され手術。2013年に離婚。2016年にも全身性エリテマトーデス(自分の免疫システムが誤って自分の正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫性疾患)の合併症により病院に入院。そんな波乱の人生ではあるが、2020年11月「Spell My Name」と言うアルバムを発売したと言う事は、とりあえずは元気だと言うことだ。たぶん。

波瀾万丈の人生はさておき、彼女は歌手として素晴らしい才能を持っている。決して派手さはないが、安定感ある歌声で実力はバッチリだ。

私が最初にトニ・ブラクストンにはまったのは、1996年のセカンドアルバム「SECRETS」を手に入れた時だ。ちょっと感情を押し殺すような、バラードが、なぜか日本の女性演歌歌手に通じるようで、スローバラードを歌わせたら、じわじわ~っと染み入るのだ。

デビッドフォスターがアレンジし1996年グラミー賞最優秀女性ポップボーカル賞を受賞したダイアン・ウォーレンの作品「Un-Break My Heart」、ケニーGのサキソフォーンと見事にマッチした「How Could An Angel Break My Heart」、ベイビーフェイスの隠れ名曲「Why Should I Care」、Rケリーの名曲「I Don't Want To」、そして切なく悲しい「In The Late Of Night/Toni's Secrets」 などがこのアルバムに収まっているのだ。余談であるがこのアルバムに収録されている「Why Should I Care」はキャロルベイヤーセイガー作詞リンダトンプソンがクリントイーストウッドと共作し、ダイアナクラールが歌った曲とは同名異曲である。

ベイビーフェイス、デビッドフォスター、ケニーGなど超売れっ子ミュージシャンや、プロデューサーに恵まれ、まだ53歳と言う若さであり、健康を回復し、さらに大物シンガーとして活躍して欲しいと私はファンの一人として願っている。トニーベネットは「トニー」だが、トニ・ブラクストンはTONI BRAXTONだから「トニ」なのである。とにかく「トニ」なのである