「ロンドン大火記念塔」の絵はがき 差出人は戦後吉田内閣にて国務大臣を務めた本多市郎氏 | ケネディスタンプクラブ日記

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この絵葉書の写真は「ロンドン大火記念塔」です。

 

ロンドンのシティは1666年に起きた四日間燃え続けた大火災により、当時木造建築だった市内の家屋の8割が焼失しました。

これはロンドン大火からの復興のシンボルとして記念塔です。

ロンドン市民の間では「ザ・モニュメント」と呼ばれています。

絵葉書には「1銭5厘切手」の切手が貼られ、昭和10年(1935年)の「大山元帥展覧会記念 10.3.24 日本橋」の記念印が捺されています。

 

 

絵葉書の送り主は、第3次と第4次吉田内閣にて国務大臣を務めた本多市郎氏。

投函した時期は「PADDINGTON W2 2 45PM 29 FEB 1932」の消印から1932年(昭和7年)2月29日とわかります。

 

本多市郎氏は、大正12年(1923年)の関東大震災の後にできた内務省の復興局に勤務して、深川の自宅で法律無料相談所を開いて罹災者の相談に乗っていました。
その後、昭和4年(1929年)に東京市議に当選。当選3年目に世界各都市を外遊して、その時にロンドンからこの絵葉書を投函した模様です。
絵葉書にはインド、エジプト、南イタリア、ロシア、フィンランド、パリ、ロンドンと渡り、ニューヨークへ向かう旨が印刷されています。

おそらくロンドンにある日本大使館の設備を使い、欧州視察内容の報告の文面を印刷して、支援者へ送ったのでしょう。

 

関東大震災の復興に尽力した本多市郎氏が、「ロンドン大火記念塔」を前にして決意を新たにして手紙を書いたのでしょう。

 

その後、戦後の復興にも国務大臣として尽力された本多市郎氏が出された、貴重な絵葉書です。