鄧小平の時代 | ケネディスタンプクラブ日記

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中国には「不倒翁」という言葉があります。日本で言う「起き上がり小法師」の事です。倒れても必ず起き上がるという意味で、喩えとしてよく使われます。言葉の使い方では「だるまさん」や「七転び八起き」に近いかもしれません。

 

その中国で、不倒翁に喩えられる人物は、周恩来と鄧小平です。

 

ただ、周恩来はその生涯で一度も失脚していないのですが、鄧小平は中国設立前を含めると三度も失脚しています。

 

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中華ソビエト共和国(ソビエト連邦の支援を受け毛沢東が江西省に作った国家、6年間だけ存在)の時代、1931年に鄧小平は最初の失脚をします。この時に助けてくれたのは周恩来です。

 

毛沢東の中国共産党は蒋介石の国民党中華民国と組んで日本と戦い(国共合作)、1945年に日本軍を大陸から追い出した翌年は内戦となり(第二次国共内戦)、国民党中華民国を台湾に追い出した後、1949年に中華人民共和国設立を宣言します。

鄧小平は軍務も政務も有能で、内戦終了後も活躍し大臣にまでなります。

ところが、毛沢東が「大躍進政策」で大失敗します。

鄧小平は劉少奇(毛沢東の次の国家主席)と共に国内経済の立て直しを開始。

これが毛沢東には「革命の否定」にうつり、文化大革命開始後の1968年に劉少奇ともども「走資派」と糾弾され二度目の失脚となります。

 

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劉少奇は失脚後に軟禁され死に追いやられますが、鄧小平はギリギリ生き延び、1973年にまたも周恩来の助力で復活。

もともと有能だった鄧小平は周恩来を補佐する形でバリバリ活躍。瞬く間に軍と党のトップにおさまります。

 

ところが1976年1月8日に、周恩来が亡くなります。

 

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周恩来が亡くなった後、追悼のため天安門広場に大量の学生たちをが集まりました。大躍進と文化大革命で酷い目にあった中国人民の多くは、国の立て直しを必死にやっていた周恩来を慕っていました。最初的に集まった群衆はなんと2万人近く。

これが毛沢東と四人組には面白くなかった。自分たちの批判者が数値化されて現れたからです。

1976年4月5日、天安門広場に集まった学生たちを、兵士や警察が襲撃します。公式発表では逮捕者388人、死亡者ゼロ。もちろん実際の死者数はわかりません。

 

この「反革命的動乱」の首謀者として鄧小平が名指しで糾弾され、三度目の失脚となるのです。

 

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この時の天安門の事件は、後の1989年の天安門事件と区別するため「第一次天安門事件」(四五天安門事件)と呼ばれるようになり、1989年6月4日の方は「第二次天安門事件」(六四天安門事件)と呼ばれています。

 

三度目の失脚の時、鄧小平は同じ革命世代の許世友(広州軍区司令)に守られ党籍の剥奪は免れます。

そして1976年9月9日に毛沢東が亡くなり、10月6日に四人組が逮捕され、翌年の1977年7月の中全会(中国共産党中央委員会全体会議)で鄧小平は完全に復活します。

この時に鄧小平に与えられた役職は、党副主席、国務院常務副総理、中央軍事委員長副主席兼人民解放軍総参謀長。

昨日まで党籍だけの無位無冠の人間にこれだけの権力を集中させるのだから、文化大革命で中国全体が負った傷の深さと、そこまでして政敵が潰したかった鄧小平の有能さがわかります。

 

復活した鄧小平は、「毛沢東を否定せずに10億人を食わせるため国を豊かにする」という難しい役割りを20年かけて行います。

 

そして皮肉な事に、自身が失脚する要因となった天安門広場での民衆弾圧を、今度は自分の手で行ってしまうのです。

 

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