リトアニアの今と極東の情勢

ロシアによるウクライナ侵攻開始から100日が過ぎました。
当初3日でロシアが圧勝すると思われていたこの争いは、圧倒的に戦力差があったはずのロシア側が、世界中が注視する中で信じられないほどの損害を出し、また民間人への虐殺、略奪、暴行、拉致が公然と行われているという、国連常任理事国が21世紀に行う戦争とは思えない様相を見せてきました。

そんな中、ロシア議会で無視できない動きがありました。1991年のリトアニアのソビエトからの独立承認を取り消しが提議され、議決されたらしいのです。まだ翻訳されたニュースが出ていないのですが、リトアニア側からははやくも「だったら我々は1934年のポリャノフカ条約を取り消すので、ロシアは全占領地をリトアニアに返せ！」との声があがりました。

リトアニア独立の際にはソビエトが軍を派兵して大量のリトアニア人が殺害された事は昨年書きました。
今この状況でロシア側がリトアニアの独立承認の取り消しを主張している事には、恐怖を感じます。
当のリトアニア人が感じている恐怖と、独立の重要性は、我々の想像をはるかに超えたものでしょう。
その一つに、ロシアの飛び地があります。
リトアニアとポーランドに挟まれ、バルト海に面した小さな地域、そこにロシアの飛び地カリーニングラードがあります。カリーニングラードのロシア住民の保護を名目にロシアが軍を出すのではないか、そんな恐怖はウクライナの現状を見てますます強くなっているでしょう。

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そんなリトアニアは、中国から距離をおき、台湾を重視する方向に政策を転換しました。中国の動きにロシアと似た匂いを感じ取ったのでしょう。台湾側は大歓迎しリトアニア製品の大量購入が始まっています。

実は先週、リトアニアの外務大臣が来日していました。このことはあまり大きく報じられません。

そして昨日12日、大量のリトアニア政府高官が台湾に到着しました。経済協力と対中国政策などの意見交換が行われます。

台湾もリトアニアも、大国の脅威を肌で感じている点でまったく同じであり、危機意識は非常に強いのです。

我々が両国から学ぶところは大きいと思います。

また、日本はリトアニア情勢についてもっと報じる必要があります。

リトアニアは杉原千畝が赴任していた国なのですから。

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