手塚治虫と四谷 | ケネディスタンプクラブ日記

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四谷駅前のケネディスタンプクラブの日記です
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 手塚治虫先生の短編読み切りに「四谷快談」という作品があります。「怪談」ではなく「快談」です。1976年の少年ジャンプに掲載されました。
 作品は、デビューして間もない手塚治虫先生が四谷駅前の八百屋さんの2階でマンガを描いている場面から始まります。作中の時代は昭和27年(1952年)、戦争が終わって7年しか経っていません。
 この年、手塚治虫先生は大阪大学を卒業して医師免許を取得したばかり。既に漫画家デビューして「ジャングル大帝」を連載していましたが、大阪よりも出版社の多い東京に来た方がいいと言われて引っ越してきます。出版社の紹介で四谷駅前の八百屋「成木屋青物店」の2階で下宿をはじめました。

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「成木屋青物店」2階に手塚治虫先生は1年半住んでいましたが、昼も夜もやってくる編集者たちの存在が八百屋さんに迷惑となってきます。
「四谷快談」冒頭で描かれていた、手塚治虫先生が描いてるマンガ、あれが「鉄腕アトム」だったのですからそれも当然です。アトムは四谷の下宿時代に四谷駅前で誕生した作品です。

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 手塚先生は、「成木屋青物店」関係者から、当時完成したばかりのアパートを紹介され、引っ越します。それが豊島区南長崎のトキワ荘です。

 この「四谷快談」という作品には、平公と呼ばれる戦災孤児の少年が出てきます。鼻つまみ者の問題児ですが、ある事から白蛇を助けます。この白蛇がお岩さんの化身で、助けてくれた少年に恩返しに現れてつくしてくれます。このお岩さん、実に魅力的なお姉さんで、さすが萌えの元祖は描写の格が違います。手塚治虫全集「タイガーブックス」7巻に収録されています。また、これを見ると、当時の四谷駅前がどんな様子だったか分かります。ビルは無く、路面電車が走り、銭湯があります。大規模な工事があり、ダンプカーが走り回っています。前後の高度成長期前夜です。戦争の傷跡は再建と共に消えていきましたが、平公のような戦災孤児は数多く存在していたはずです。

 時代は流れ、四谷も大きく変わりました。成木屋青物店跡地も特定が難しく、候補地が複数あがっています。
 ケネディスタンプクラブの近くである事は間違いないのですが。

 変わりゆく四谷の生き証人は、お岩さんを祀る於岩稲荷だけなのかもしれません。

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