前回書きました万国郵便連合(UPU)ですが、今は国連所属の機関です。1948年ですね、国連の機関になったのは。国際連合は第2次世界大戦終了の1945年に設立されましたので、1948年に国連の専門機関になったUPUは、1947年に国連の専門機関になった国際電気通信連合に次ぐ2番目の古株です。
第2次世界大戦中に日本はUPUから脱退してますが、UPUが国連機関となる1948年に日本は再加盟します。なお、日本が国連に加入するのは、更に8年後の1956になります。
敗戦国日本の郵政省からしてみると、UPUに再加盟した事は間違いなく慶事であったのでしょう。UPU設立100年記念や加盟100年記念など、多数の記念切手が発行されています。
その日本が参加できて喜んでいる国連古参の国際組織から、アメリカが脱退を宣言するという騒ぎがありました。それもつい最近、2018年の出来事です。
騒ぎの主は、あのドナルド・トランプ大統領です。
BBCの記事がわかりやすいので、一部抜粋します。
トランプ米大統領、万国郵便条約からの離脱を表明 中国優遇に不満 - BBCニュース
UPUは国際郵便料金を設定しているが、発展途上国からの荷物には補助金を出する一方、米国を含む富裕国の料金を高く設定している。
これに対し米国は、世界最大規模の輸出国となった中国がこのシステムから最も大きく利益を得ていると指摘した。
米国は、条約加盟各国が2キロ以下の荷物について独自に料金を設定できるようにするよう求めている。2キロ以上の荷物については、すでに認められている。
国をまたぐオンラインショッピングが増えたことで、郵便システムを使った小包輸送も拡大している。米企業は、上海から米国へ小包を送る方が、似たような小包を米国内に郵送するより安いと指摘している。
つまり中国から軽量の商品が送られてくる時にUPUから補助金が出ているため、本来なら発生するはずの国際郵便代金が中国側にかからないわけです。
Amazonで買った小さな商品が中国製で、中国から発送されているにも関わらず送料無料だったという経験をされている方も多いと思いますが、その仕組みがこれだったわけです。
これはフェアじゃないとトランプが怒るのも当然です。
その後オーストラリアからも中国優遇措置是正を求める声があがり、アメリカは中国優遇措置の見直しを条件にUPU脱退を取りやめました。
そして各国はアメリカは2020年から、日本も2021年から、国際配送手数料の見直しとなります。
もともとこのルールは発展途上国を優遇するためのものでしたので、GDPが世界第2位となった中国に適用する事自体が時代とズレてしまっているわけで、ルールの見直しは当然だと言えます。
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