[堺市堺区] 宿院頓宮 (しゅくいんとんぐう) | コンデジ片手に出かけよう

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私の旅の思い出を紹介します。

 

堺市堺区にある宿院頓宮。年代は不明ですが、摂津国一宮である住吉大社の御旅所(おたびしょ)として創建されました。摂津国は、現在の大阪府北中部(大阪市とそれ以北のエリア)と兵庫県南東部(神戸市とそれ以東のエリア)になります。
 
現在の宿院頓宮は、住吉大社の御旅所だけでなく、大鳥大社の御旅所も兼ねていますので、両方の主祭神を祀っています。
 
この建物が宿院頓宮の本殿で、写真左側に社務所があり、御朱印も授かる事が出来ます。
 
 
宿院頓宮の横に小さな公園があり、石灯籠には『住吉御旅所』の文字が刻まれていますね。
 
 
この神社(御旅所)が一番賑わうのは、8月1日の住吉祭。住吉大社から御神輿がやって来ます。
 
 
ここには『飯匙掘』と呼ばれる場所が有ります。海彦山彦伝説に出てくる『潮満珠』『潮干珠』が埋まっているとされる場所で、雨が降っても水がたまらないという特徴が有ります。
 
 
この飯匙掘で8月1日に行われるのが『荒和大祓神事』。『荒』は住吉神の荒魂(あらみたま:神様の活動的な状態)、『和』は住吉神の和魂(にぎたま:神様の普通の状態)。住吉神の荒魂は、現在の山口県下関市に祀られているので、反対側にも鳥居があるのですね。
この神事で荒魂・和魂が出会うことでその後の一年間は住吉神も元気になるという訳ですね。
 
この住吉祭での禊ですが、時期的には旧暦6月晦日になります。そして、住吉大社は摂津国の大阪湾岸の守護をしている『禊』の神様。
今は廃絶していますが、旧暦9月に『田簑島姫神社(現在の田簑神社)』で大祓が行われていた様子。この『田簑の大祓』は、源氏物語の澪標(みおつくし)に出てきますね。
 
 
あと宿院頓宮には『兜神社』があったとされます。『兜』は神功皇后が三韓征伐から帰ってきた時に脱いだ兜と関連が有ります。
 
宿院頓宮ですが、源氏物語を最初に現代語訳を行った与謝野晶子さんの生家から三分くらいの場所。幼い頃から住吉祭は馴染みのお祭りだったでしょうし、住吉神の別の禊の場所が源氏物語に関連すると知った時には、かなり源氏物語を身近に感じたかもしれませんね。