先日のことですが、以前から一度は訪れたいと思っていた鉄砲鍛冶屋敷(大阪府堺市堺区北旅籠町西1丁目3-20)に行ってきました。
堺市内は思っていたよりは広い都市で、バスやチンチン電車を乗り継いで鉄砲鍛冶屋敷までようやくたどり着いたという感じでした。
堺にはいまでも江戸時代の作業場などが、町家歴史館の一部としてしっかりと保存されていて、自由に施設見学が出来るように整備されています。
今回訪れた鉄砲鍛冶屋敷も当時使われていた工具や史料が沢山残されていて、とにかくここは歴史好きの者には堪らない場所というわけです。
作業場や道具類を見ていると当時の様子や雰囲気が直に伝わってくる感じで、非常に興味深い施設でした。
![スクリーンショット 2024-07-04 120019](https://livedoor.blogimg.jp/seikotu23/imgs/0/b/0b870fcb-s.png)
戦国時代の鉄砲伝来の事績も興味深いのですが、個人的には鉄砲について知りたいことがいくつかありました。
鉄砲鍛冶屋敷には各現場の作業工程を案内解説してもらえる専門のスタッフ(ボランティア?)の方がおられて、そうした質問などにも逐一答えていただけるようでした。
戦国時代、当時の日本では火縄銃はまさしく画期的な新兵器でした。
そもそも火縄銃というのは弾薬が先込めになっていて、それらを装填するときは最初に火薬と弾を筒先から入れ、それをカルカという棒で突き固める手順が必要でした。
さらに火縄を火縄ばさみにセットして火口を開けて発射の態勢に至るわけですが、鉄砲は筒先を下に向けた場合には、詰めたはずの弾が筒先から転がり落ちる心配があるのではないかと以前から疑問に思っていました。
それは漠然とした思いではあったのですが、比重の大きい鉛玉であればなおのことその重みで筒先から転がり出てしまいそうな気がしていたのでした。
それも筒先を上に向けて討つ場合は問題はないでのしょうが、筒先を真下に向けて討つ場合などには、構造的にそうした懸念があるのではと考えていたのです。
ということで、実際のところその辺りはどうなのかということで、ずっと以前から機会があったら確かめてみたいと思っていたのでした。
それが、今回の鉄砲鍛冶屋敷訪問でその疑問は一瞬にして氷解しました。
鉄砲に詰める弾の大きさは鉄砲の筒の口径に合ったキツキツのものを装填するのだということで、そうしたぴっちりと押し込まれた弾であれば鉄砲を下方に向けても、筒の奥まで固く押し込まれた弾は転がり出たりはしないということでした。
なるほど、そうだったのかと、ようやくこれで合点がいったというわけです。
それとさらにもう一つの訪問理由というのは、鉄砲の尾栓の製造工程についても詳しく知りたいと思ったからでした。
鉄砲の尾栓というのは始めて鉄砲が種子島に伝来したとき(1543)の有名な話しで、鉄砲製造において尾栓のネジ構造というのが最大の難関でもあったのです。
というのも鉄砲が伝来した当時、日本には肝心なネジの製造技術がなかったのです。
というのも鉄砲が伝来した当時、日本には肝心なネジの製造技術がなかったのです。
そもそも何故に鉄砲にネジ式の尾栓が必要なのでしょうか?
鉄砲は火薬に点化して弾を発射する度に筒底に燃え滓が少しずつ溜まっていくのですが、それを除去するのにどうしても後から取り外しが可能な尾栓構造が銃身そのものに必要だったのです。
しかも、取り外し可能な尾栓そのものは、銃身内部での火薬の爆発に耐える強固な構造でなくてはならなかったのです。
![種子島火縄銃](https://livedoor.blogimg.jp/seikotu23/imgs/0/8/089ee4d2-s.jpg)
ポルトガル商人から鉄砲を買い取った種子島の領主種子島時尭は、領内の鍛冶職人八板金兵衛に鉄砲製造を命じたのですが、その見本となる鉄砲をいくら調べてみても尾栓の加工方法が解らなかったといいます。
銃身がどうにか出来上がっても緩い尾栓構造であれば、火薬の爆発と同時に吹き飛んでしまうわけです。
旋盤などの機械工具がない時代に、尾栓のネジ構造を造る工程は思ったより難しいものであったわけです。
旋盤などの機械工具がない時代に、尾栓のネジ構造を造る工程は思ったより難しいものであったわけです。
その技術をポルトガル商人から教えてもらうために、八板金兵衛は最愛の娘を犠牲にしたという話があります。
軟鉄と鋼を重ねて造り上げていく尾栓ネジ製造工程については、鉄砲鍛冶屋敷に説明図が掛けられていたのですが、後から調べたらyoutubeにでんじろう先生のより解りやすい説明動画を見つけました。
ネジと火縄銃/Screws and Matchlocks
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