先週、「香りの機能拡張によるヒューメインな社会の実現」(JST未来社会想像事業)というシンポジウムに参加しました。
個人的に興味深かったのは
「嗅覚と遺伝子」(伊原さよ子先生)
「高齢化と嗅覚低下」(近藤健二先生)
伊原先生が取り上げられていたのは、嗅覚受容体の遺伝型で匂いに対する感覚が変わることについて。
ヒトは同じように匂いを感覚しているのではなくて、
それぞれが持つ遺伝型によって、違う匂いに感じたり、そもそも匂いを感じたり感じなかったりという違いが出る、ということを香気成分をあげて報告されていました。
「上野英三郎博士とハチ公」像 幸せそうなハチ
ハチにとって上野博士の匂いは幸せの匂いだったのでしょうね
アロマテラピーで使用する精油(エッセンシャルオイル)でも、人によってその香りに対する印象はさまざまです。
心や身体の状態、性差、民族の違い、知識や慣れ
そもそもこのような受容体の遺伝子によるもの
多様な要素が絡み合って香りの印象が生まれる。
だからこそ、特に第三者に香りを提示する私たちは、
香りに対する印象の決めつけには注意を払わなければと思います。
このプロジェクトにも関わっていて、もう何年もビッグデータを集めて解析をされているNTTデータ経営研究所の方も「パーソナルな嗜好に応じた香りの提供はとても難しい」と仰っています。
この辺りのところ、まだAIにとって代わられることがないポイントですね
複雑ですが、とても魅力的
近藤先生の「高齢化と嗅覚低下」では
一般的には60歳前後から嗅覚が衰えるとされるものの
90歳を越えてもなお、全く衰えない人もいれば、早々に衰える人もいて、その差は大きいとのことでした。
「嗅感覚を低下させるリスク要因は?」の質問に、間髪入れず「タバコです」と。
副流煙にも気をつけるべし ですね。
あとは頑張ってトレーニング!
昨年はコロナ禍でオンラインもあったのですが、今回は現地開催のみとのことで東京まで
このプロジェクトは大学の研究の方向性と企業が求め研究するものを擦り合わせて活用しようというものなので、主な参加者は大学と企業の研究者。
私はそのどちらにも該当しないのですし、
内容が「???」というところももちろんあるのですが、
それでも、社会の中で香りの立ち位置を知ることができたり、
嗅覚研究の最前線の話を聞けたりする貴重な機会。
東京まで行かなくちゃいけないのか…と思いましたが頑張って行って良かったです
ご褒美に東博へ。
国宝、国宝、重文、国宝…と笑ってしまうくらいずらり。
絵巻はその中に入り込んでいるような感覚になるほどイキイキ。
単眼鏡必携です!
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▶︎10月期のクラススケジュール
●10/26(木)、27(金)「和精油と日本の植物油脂講座 ベーシッククラス」東京クラス 受付締切:10/23(月)
▶︎11月期のクラススケジュール
●「和精油と日本の植物油脂講座 ベーシッククラス」(全3回)京都クラス 11/3〜
●「エッセンシャルオイル スタディクラス1」(全5回)京都クラス/オンラインクラス 11/7〜
●「アロマテラピー おうちのやさしい薬箱レッスン」(全6回)オンラインクラス 11/13〜
●「和精油入門クラス」(全1回)東京クラス 11/24/オンラインクラス 12/3
●「抽出部位から考えるエッセンシャルオイルの特徴とその選択」(全1回)東京クラス 11/24
●「ハンドトリートメントクラス」東京クラス 11/26
●2023年「カラダのことクラス」毎月第1月曜日 次回11月6日デトックスの「泌尿器系」
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