年内最後の出張から戻りました。
東京クラスの「和精油と日本の油脂講座」が終わり、年内は17日(日)京都クラスを残すのみとなりました。
さて、
滞在中に参加した研究会。大きな収穫は真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)の香りに感じていた疑問が解決できたことです。
ラベンダーの芳香成分の多くは、蜜腺ではなく新芽や花の周囲にある腺毛で生成分泌されるのだそうです。
つまり芳香成分の主たる目的は誘因ではなく忌避。顕微鏡写真を見たときはちょっと衝撃と感動でした。
蜜腺は虫媒花が虫を引き寄せるために蜜液とともに芳香成分を放出する一方、腺毛は新芽や花の周囲を取り囲むことで、害となる虫などを遠ざける役割があります。
本来、真正ラベンダーの生息地は1000mを越す高地。
乾燥した冷涼な環境で育つゆえの香りであると同時に(実際には低地で栽培される真正ラベンダーも多々)、そもそも植物にとっての目的が忌避なのであれば、他の花のエッセンシャルオイルのように蜜腺から分泌される香りと性質が異なるのは大いに納得です。
それから考えれば構成成分にも合点がいきます。
先生にはクスノキが植物体のあちらこちらにカンファーを含有している理由らしきものは何かについても質問をしてみました。
先生曰く「クスノキはカンファーを作ることができたから、それ以外はあまり必要がなくなったんじゃないかなぁ」とのこと。
ナルホド。
画像はプロヴァンスの上の上、標高1300mのコーソール高原にある野生のラベンダーの群生。
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