夏といえばレゲエって事で、今回はレゲエで。
レゲエは元々はフレディ・マクレガーやシュガー・マイノット、
グレゴリー・アイザックスあたりのルーツを聴いており、
アメ横にいた先輩からキラマンジャロの録音テープを貰ったりしてユル~く楽しんでいた。
そんな感じでダンスホールはあまり興味なかったんだけど、
この曲、この人との出会いがキッカケでダンスホールもよく聴くようになった。
ヒップホップ史上最高の当たり年、1993を代表するメガヒット。
Kriss Kross(クリス・クロス)のJUMP、SUPERCAT MIX!

SUPER CAT(スーパーキャット)。
レゲエ界の超大物DJの1人で、特にヒップホップ界からもモテモテで有名だった人。
当時のヒップホップはラガ・マフィンが流行しており、
随所にラガを加える曲が非常に多かった。(SNOWとかしょーもないのもいたが)
だがこのスーパーキャットだけは明らかに異質で、
わざと半音ずらしてみたり本当に器用さを感じさせるリリックを披露する人だった。
(Come Down)
ちょっと舌足らずな感じでメリハリのある独特の声。
ひたすら楽しくて青空の広がる楽園のようなトラック。
それまで夏といったらベンチャーズかビーチボーイズだったが、
このスーパーキャットを知ってからダンスホールも俺の中に喰い込んでくるようになり、
グラマラス、ナーキ、シャバ等色々と聴き漁るようになった。
(Big And Broad)
(Dem No Worry We)
こちらの2曲はあの「Now That We Found Love」で有名なHeavy Dとのコラボ。
ヒップホップもできるレゲエシンガー、ヘヴィDとの相性は勿論抜群!
Dem No Worry Weは空耳アワーで冒頭が「内輪差!」って聴こえると紹介されていた。
(My Girl Josephine)
こちらはロックの殿堂、Fats Domino(ファッツ・ドミノ)の名曲をカヴァー。
ノリノリなロックンロールサウンドをレゲエにアレンジ。う~ん、カッコいい!
(Cabin Stabbin-1)
こちらはニコ・ディマス、ジュニア・ディマスを加えた名曲キャビンスタビン。
ニコ・ディマスの枯れた声がまたいいアクセントになっている。
(Cabin Stabbin-2)
こちらはそのキャビンスタビンに弟も加えヒップホップ調にアレンジしたもの。
ここらへんになると大分重い感じに雰囲気が変わってきているのがわかる。
Scalp Dem (Wu Tang mix)
こちらはあのMethod Man(メソッドマン)のリミックス。
こんな重い音でもガッチリ活きちゃうレゲエシンガーときたら、
当時のヒップホップ界が放っておく訳もなく。
先のクリスクロスに限らず、あらゆるヒップホップアーティストから尊敬され
まさに引っ張りだこ状態となるスーパーキャット。
だがそんな風にラガマフィンとしてヒップホップとのコラボを推進する
コロンビアレコードのやり方に彼は次第に嫌気がさし始め、
遂には表舞台から去っていってしまう。
ラストはスーパーキャットの最高傑作、Dolly My Babyを。
ゴッツいヒップホップスタイルも恐ろしくカッコよかったが、
やっぱスーパーキャットはこういう穏やかで愛の溢れるトラックとリリックじゃなきゃね。
この曲はヒップホップ界の超大物アーティスト達からも非常に評価の高い曲。
彼らもスーパーキャットの本当の長所をちゃんと分かっていたんだね。

スーパーキャットがメジャーから去ると同時に
俺もダンスホールをまた聴かなくなってしまったが、
このスーパーキャットの昔の音だけは今も変わらず夏の定番として生き続けている。
Dolly My Babyをカーオーディオで流し始めた時、今年の夏もやっと幕を開ける。
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