地方競馬全国協会(NAR)は3日夜、都内のホテルで『NARグランプリ2010』の表彰式を行い、抽選で選ばれたファン60人を含む約300人が来場。史上最多3度目の年度代表馬に輝いたフリオーソの川島正行調教師(63)は、その華やかな式で、フェブラリーS参戦を明言した。

 帝王賞でカネヒキリらの強豪を退けてV。そのほかにも川崎記念、かしわ記念、JBCクラシック、東京大賞典の4つの交流GIで2着と、年間を通して大舞台で活躍したフリオーソが07、08年に続き、史上最多となる3度目のNARグランプリ年度代表馬に輝いた。

 それでも、表彰式に臨んだ川島正調教師は悔しさを滲ませる。「状態がわかりやすい馬。レース当日の朝、寝ている時はエネルギーを蓄えている。そういう時は勝ち負けする。(昨年の東京大賞典は)当日、寝ていたし、最高のデキだったので悔しかった」。暮れの大一番を勝利で飾れなかったことが、忘れられない。

 それだけに、今年にかける思いもいっそう強まった。「ドバイも考えていて予定は組んでいなかったが、状態がいいのでオーナーの意向もあり、フェブラリーS(20日、東京、GI、ダ1600メートル)に向かいます」と、中央挑戦を明言だ。

 JCダートには2度挑戦(07年10着、08年7着)したが、フェブラリーSは初の参戦。今年初戦の交流GI川崎記念(1月26日)でも、後続を5馬身突き放す圧勝劇を演じており、中央勢にとって、脅威の存在となることは間違いない。
 JRAは2日、08年の高松宮記念(GI)などを制したファイングレイン(牡8、栗東・長浜博之厩舎)が、本日付で競走馬登録を抹消すると発表した。なお、今後はフランスで種牡馬となる予定。

 ファイングレインは父フジキセキ、母ミルグレイン(その父Polish Precedent)という血統。3歳時には、ニュージーランドT(GII)、NHKマイルC(GI)でともに人気薄で2着に好走するなど活躍。5歳になると淀短距離S(OP)、シルクロードS(GIII)とスプリント戦で連勝を飾ると、迎えた高松宮記念も制し、GI初制覇を達成した。通算成績は30戦5勝(うち地方1戦0勝、重賞2勝)。
 冬のダート女王決定戦、GIIITCK女王杯が2日に大井競馬場1800メートルダートで開催され、ミルコ・デムーロ騎乗の2番人気ラヴェリータ(牝5=松元茂厩舎、父Unbridled’s song)が優勝。一騎打ちとなった岩田康誠騎乗の1番人気ミラクルレジェンド(牝4=藤原英厩舎)との叩き合いをクビ差制し、健在アピールの重賞5勝目を挙げた。良馬場の勝ちタイムは1分52秒4。

 なお2着から2馬身半差の3着には北村友一騎乗のブラボーデイジー(牝6=音無厩舎)が入り、JRA勢が上位3着を独占した。

 2011年もデムーロの勢いが止まらない。ヴィクトワールピサを駆りブエナビスタを撃破した有馬記念の記憶もまだ新しい、先月29日から再びこの日本で1カ月のJRA短期免許を取得。その活躍は中央にとどまらず、この地方・大井競馬場にも波及するいきなりの重賞制覇となった。

 「彼女には初めて騎乗したけど、スタート直後からすごくいい印象をもちました。さすが牝馬ながらジャパンカップダートでも7着に頑張った馬です」

 大井ファンの声援に日本語の“アリガトウ”で答えたイタリアの名手は、満面の笑顔でレースを振り返った。内田博幸騎乗のシンメイフジが逃げる展開の中、「前々で競馬をしないと良さが生きない」という松元茂樹調教師の指示もあって、好位3番手をガッチリとマーク。デムーロは「内田さん、岩田さんが強い馬に乗っていたので、様子を見ながらコントロールしていこうと思いました」と、冷静に競馬を進めていく。

 最後の直線では、今年船橋で短期免許を取得して初来日を果たした実弟クリスチャン・デムーロ騎乗のザッハーマインがひと足早く抜け出し、「弟の馬には自分の馬を負かしてほしくないなと思いました(笑)」と語ったものの、これはもちろんアニキの余裕。外から一気に前団を飲み込むと、すぐインの1番人気ミラクルレジェンドとの叩き合いでもグイッと抜け出し、貫禄の重賞5勝目を飾った。

 「最後はとてもハードでした。岩田さんの馬は強かった」
 そうライバルを称えたデムーロだが、斤量が2キロ重い57キロだったことを考えると、着差以上の勝利。5歳牝馬にして衰えぬ底力を確かめた松元茂調教師は、繁殖入りを撤回しての現役続行を宣言した。

 「最初は繁殖にあげようという話もありましたが、秋に牝馬のGIもできましたし(11月3日、JCBレディスクラシック)、またこの1年、牝馬路線を重点にしていきたいと思います」

 “日本最強”のブエナビスタも名を連ねるこの世代の牝馬はダートでも強い。初代JBC女王を目指し、ラヴェリータが砂の牝馬路線の先頭を走る。