こんばんは
湘南慶育病院 広報室の大金です。
本日は精神科の堀込医師による
「これって認知症?! そんな不安を感じたら 物忘れ外来で早期診断&相談}と題した
市民公開講座を開催しました。
本日も沢山の方のご参加、誠にありがとうございました。
【本日知ってほしいこと】
①認知症の症状はもの忘れだけではない
②もの忘れの原因はさまざまで治せる病気もある
③もの忘れは専門医療機関への早めの受診が大切
この内容で講演が進められました。
認知症は年々増加しているそうで、2012年は7人に1人でしたが、2015年には6人に1人、
2025年には5人に1人となるそうです。
高年齢になるほど、認知症になりやすく、これは身体の病気は医学の進歩で治り、長寿となる人が
増えるためだそうです・・・・・
①認知症は加齢に伴うもの忘れとは違う
【加齢に伴う物忘れ】 【認知症による物忘れ】
・体験の一部を思い出せない ・体験そのものを覚えていない
・言われれば思い出す ・言われても思い出せない
・もの忘れを自覚している ・もの忘れを自覚していない
・判断力は低下しない ・判断力が低下する
・日常生活に支障はない ・日常生活に支障がある
※加齢か認知症かの判断基準は 日常生活に支障があるか
②もの忘れの原因はさまざまで治せる病気もある
高血圧・糖尿病等はリスクが高いとの事です
※もの忘れの原因は
・約50%「アルツハイマー型認知症」
・約20%「レビー小体型認知症」
・約15%「脳血管性認知症」
ここまでは「薬と生活習慣で進行を遅らせる」
・約15%「その他」 「原因を治療」
・・・専門医療機関を受診しましょう
※その他の病気としては
「頭蓋内の病気:慢性硬膜下血種・正常圧水頭症・脳腫瘍など」・・・急な変化が起きている
・急に認知症のようになる(もの忘れ、会話がかみ合わないなど)
・意識がぼんやりして、元気がなくなる
・歩き方がおかしい(小刻み・不安定)
・コップやお箸が持ちにくくなる
・ろれつが回りにくくなる
・尿失禁する
・頭痛がしたり、頭が重くなる
「うつ病(仮性認知症とも言われる)」
・反応が鈍くなる
・活気がなく寝ていることが多くなる
・好きなことに興味を示さなくなる
・食欲がなくなる
・頭痛などの身体的不調が増える
「薬剤性(様々な薬が認知機能に影響する)」
・認知症のようになる(もの忘れが増える、判断力が低下する、注意が散漫になるなど)
・医師がぼんやりして、元気がなくなる
・せん妄状態になる(幻覚、妄想、興奮、支離滅裂など)
※原因となる薬剤
・眠剤、安定剤、胃薬、アレルギー薬、ステロイド、鎮痛薬、抗不整脈薬など
「眠剤、安定剤」は筋弛緩作用があり、筋力低下がおきるため、つまずいたり、転んだりし
骨折のリスクがある。
➡いくつかの医療機関で同じような薬を処方して頂いている場合、「薬を持って」是非、専門医療機関に
受診しましょう
もの忘れ外来を受診しましょう。
どのような事をするのか
「もの忘れの程度」を同年代と比べる必要があります。→心理検査を実施
「もの忘れの原因」はアルツハイマー病以外の可能性を調べる→MRI,採血検査、診察など
※専門医がいる医療機関での診察が必要です。
早期発見のメリットは
・治療ができたり、早期に進行を抑えることが可能
・症状が軽いうちに病気を理解し、対処ができる
・判断力が低下する前に、進行した後の準備ができる(成年後見人制度など)
【まとめ】
・認知症はもの忘れ以外にもさまざまな症状を引き起こす
・原因には多くの病気があり、治療可能なものもある
・年齢のせいだと決めつけず、早めに専門の医療機関を受診しましょう
【おまけ】
「認知症の予防」
・毎日:運動する、人と関わる、楽しむ
・日常的:穀物、野菜、豆類、ナッツ、果物、オリーブオイル、ハーブ、香辛料を食べます
・週に2回以上:シーフードを。鶏肉、乳製品は週に2回程度。稀に牛肉、甘いもの
・禁煙
・お水は毎日飲みましょう
・薬は忘れずに
・お酒は適量
講演終了後も沢山のご質問ありがとうございました。
この講演の2回目は2月18日(月)13時~です。
1月23日(火)、30日(火)は14時~
「白内障・緑内障など 誰にも身近な目の病気」です
沢山のご参加をお待ちしています