こんにちは、老健嚥下チームです
6月5日に「摂食嚥下の基本」というテーマで勉強会を行いました
その内容の一部をご紹介します
老健では、摂食嚥下障害に関する情報を早期にキャッチするために、入所時に『摂食嚥下障害質問シート(聖隷式嚥下質問紙)』をご本人やご家族、ケアマネージャーに記入していただいています。
設問は全部で15問あり、A(しばしば、たいへん)B(ときどき、わずかに)C(なし)の3段階で答えていきます。ひとつでもA(しばしば、たいへん)に当てはまるものがあれば摂食嚥下障害を疑います。
1.肺炎と診断されたことがありますか
2.やせてきましたか
3.物が飲み込みにくいを感じることはありますか
4.食事中にむせることがありますか
5.お茶を飲むときにむせることがありますか
6.食事中や食後、それ以外のときにのどがゴロゴロ(痰が絡んだ感じ)することがありますか
7.のどに食べ物が残る感じがありますか
8.食べるのが遅くなりましたか
9.硬いものが食べにくくなりましたか
10.口から食べ物がこぼれることがありますか
11.口の中に食べ物が残ることがありますか
12.食べ物や酸っぱい液が胃からのどに戻ってくることがありますか
13.胸に食べ物が残ったり、詰まった感じがすることがありますか
14.夜、咳で眠れなかったり目覚めることがありますか
15.声がかすれてきましたか
結果をもとにどこにトラブルがありそうかを確認し、各職種が専門的な視点で評価していきます。そのようにして、肺炎になることを予防し、口から美味しく食べ続けるための環境設定を整えていきます。
ご自身やご家族にこんな症状があるときには、専門家に相談してみてください
食べることには、3つの大きな意義があります。
1つ目は、栄養を体内に取り入れ、生命を維持すること
2つ目は、活動するためのエネルギーを維持すること
3つ目は、味を楽しみ、人との交流を楽むなど、生活の質を高めること
特に3つ目がとても大切であると考えています。
これからも「食べる楽しみ」を提供できるよう、食支援を行っていきます
【参考文献】
・斉藤雅史,松田直美:看護の現場ですぐに役立つ 摂食嚥下ケアのキホン.秀和システム,2018.
・藤島一郎(監修):嚥下障害のことがよくわかる本 食べる力を取り戻す.講談社,2014.
・小山珠美(編集):おいしく食べ続けたい!ー食事サポーター講座標準テキストー.NPO法人口から食べる幸せを守る会,2019.