身体抑制を行わないための当院の考え方 | 大泉学園複合施設オフィシャルブログ

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大泉学園複合施設は、練馬区の地域包括ケアモデルの中核を担うことを目指した病院・施設です。

こんにちは、看護部です。

 

今回は、当院の身体抑制を行わないようにするための当院の取り組みについてご紹介したいと思います。

 

皆さん、身体拘束・身体抑制という言葉はご存じでしょうか?

旧厚生省の告示に記された定義では、「衣類または綿入り帯等を使用して一時的に該当患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいう」とされています。

医療現場では、治療目的で留置しているカテーテルの抜去予防自傷他害の予防転倒転落による外傷の予防などのためにやむを得ず身体抑制が行われることがあります。

身体抑制患者様の安全確保は、一般的にはトレードオフ(両立できない関係性)であると考えられることが多いです。

 

一般に身体抑制は、必要な状態とならないことが望ましいのですが、どうしても必要となってしまう場面は出てきます。

特に急性期病院では、「抜かれてしまったら生命にかかわる管が入っている」「せん妄によって自傷他害の危険性が高い」「医師の安静度の指示を守ることができず原疾患が増悪してしまう」などの理由により、やむを得ない場合もあります。

そのような場合においても、様々な代替手段を検討したうえでの最終手段であることが多く、さらに必要最小限、短時間になるように取り組みを行っている医療機関がほとんどです。

 

当院においては、「抑制ゼロ」を方針としており、開院から今日に至るまで、身体抑制が実施された回数はゼロを継続しています

というのは、当院では身体抑制は人権の侵害であると考える風土が醸成されているためです。

また、一般的に身体抑制を行うと全身の筋力が低下し、運動機能が低下してしまいますが、これは、リハビリテーションを通じて運動機能を高め、早期の在宅復帰と社会参加を実践する、という当院の考えと相反するものです。

そのような方針と理念に基づき、当院ではいかに抑制をせず、患者様の安全を確保するかといったことを日々検討、実践しています。

 

次回の看護部の記事では、当院の「抑制ゼロ」へ向けた取り組みを一部ご紹介できればと思います。