おはようございます!薬剤科です!
今回は高齢者に関する「不慮(ふりょ)の事故」についてお話ししたいと思います。
不慮の事故とは思いがけない事故のことですが、高齢者において死亡者数が最も多い不慮の事故は何でしょうか
それは誤嚥等の不慮の窒息です。2016年のデータでは約8500人の方が誤嚥等の不慮の窒息で亡くなっています。
2番目に転倒・転落(約7100人)、次に不慮の溺死及び溺水(約6800人)となっています。
不慮の事故で思い浮かべやすい交通事故は約3000人の死亡者数であり上記にあげたものの半分以下の数値になります。
誤嚥等の不慮の窒息、転倒・転落、不慮の溺死及び溺水、この3つに共通して言えることは何でしょうか??
それはどれも「自宅」で起こりうる可能性が十分にあるということです。
誤嚥等の不慮の窒息は食品が原因であることが多数ですが、袋や薬剤、入れ歯、洗剤等が原因である場合もあります。
したがって口の中に納まってしまう身の回りの物に注意する必要があります。
転倒・転落は家庭外の道路や階段、エスカレーターでも発生しますが、同等以上に自宅の階段や玄関、ベッド、居間でも発生しています。
カーペットなどの小さな段差であっても、転倒・転落のリスクの一つとなります。もちろん睡眠薬などの薬の服用も転倒の原因となりえます。
不慮の溺死及び溺水は特に冬の時期の浴室で多発します。入浴中に意識を失い、溺死してしまうパターンです。
これは暖かい場所から寒い場所への移動、そしてお湯につかることによって起こる急激な血圧変動が原因です。
以上のことから自宅は安全な場所と思われがちですが、高齢者にとっては不慮の事故が起こりやすい危険な場所の一つであるといえます。
高齢者の自宅での不慮の事故を減らしていくために大切なことは、要因となるものを可能な限り排除することは当然のこと、「知る」ということも大切なことの一つです。
その「知る」というのは主に次の3点です。
・自分を知ること(例:自分はよく餅が詰まりやすい)
・相手を知ること(例:うちのおじいちゃんは足がよくない)
・環境を知ること(例:自宅の風呂場と脱衣所には段差がある)
つまり事故の要因となりえる事を理解するということです。これは当たり前のことかもしれません。
そんなことは分かっているよ!と思っている方が大多数だと思います。
けれどもこのような要因をリストアップ化したことがあるでしょうか。
詳しくいうと自分の身の回りに存在している不慮の事故の要因となるものに何があるのか、何個あるのかと
考えたことはあるでしょうか?
実際にそれについて考えると、「あ、これも危ないな。」と、いろいろ出てくるのではないでしょうか。
物理的な対策も必要ですが、要因を頭の片隅に入れておくことも自宅での事故を減らすために大切なこと
ではないかと思います。
「自分の周りで事故につながりそうな点はあれかなぁ。」と、このブログを読んでいただいた方々が一瞬でもいいので考えていたただければ幸いに存じます。
今回は簡単ではございますが高齢者の不慮の事故についてお話しさせていただきました。
薬剤科では今後も様々なテーマについて取り上げていきたいと思います。
それではまた次回お会いしましょう!! see you next time !!