みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース4月号」をブログでご紹介します
今月は「アライ」について記載しています
昨今、糖尿病治療薬などの痩せ薬が話題になっています生活習慣を変えて、内臓脂肪を減らしたいそんなお薬が大正製薬から2024年4月8日(月)に発売されました日本初の内臓脂肪減少薬「アライ(alli)」をご存じでしょうか?「アライ」について詳しく見ていきましょう
食事中に含まれる脂肪(トリグリセリド)は、膵臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに加水分解(消化)され、消化管(腸管)から吸収されます
アライの有効成分であるオルリスタットは消化管管腔内で脂肪分解酵素リパーゼの活性を阻害し、食事由来の脂肪の吸収を抑制しますそのため、本来食事から吸収されるはずであった脂肪が腸から吸収されずに排泄されるため、痩せるという仕組みになっています食事由来の脂肪のうち、約25%を便として排泄することが期待できます
理論上、アライは腸から吸収されず、脂肪と共に便として排泄されてしまうため、アライの安全性は高いといわれています
まず、服用できるのは以下3点の条件をすべて満たしている方に限ります
① 18才以上である
② お腹周り(腹囲)
・男性:85㎝以上
・女性:90㎝以上
③ 食事療法・運動療法等の生活習慣の改善を行っている
更に購入するためには、アライを服用する本人が薬剤師からの質問や説明を受ける必要がありますまた、服用の3ヵ月前から服用中を通し、生活習慣の改善(食事・運動の改善)に取り組むことが必須となっています加えて初回購入前1ヵ月間、および継続購入には生活習慣改善の記録が必要となります
アライは、指定の薬局・薬店のみで販売を行っております
※取扱店は「大正製薬 公式ブランドサイト」にて確認できます
アライの用法・用量は「成人(18才以上):1日3回 1回1カプセル」となっています。
用法・用量を守って、食事中又は食後1時間以内に水又はぬるま湯で服用しましょう。
アライを使用できないのは以下のどれかに該当する方です。
・胆汁うっ滞と診断された
・吸収不良症候群と診断された
・18才未満
・妊娠中または妊娠の可能性がある
・授乳中
・アライの効能効果に記載のある対象者に該当しない
アライは、安全性が高い反面、薬理作用(脂肪を腸から吸収させないようにする作用)に由来した副作用が多くなっています。アライを服用する2人に1人(約50%)程度が副作用を経験するといわれています
吸収されなかった脂肪や油が便に混ざったり、下着に付着したりすることがあるので注意しましょう
アライの使用中は、ビタミンA・D・E・Kなどの脂溶性ビタミンの吸収が減ってしまいます。脂溶性ビタミンは食事中の脂肪と一緒に吸収されるため、アライを飲むことで体内への吸収が少なくなってしまいます。体調が悪化するほどのビタミン不足はまれですが、普段から栄養やビタミンがしっかり摂取できる食事を心がけましょう
また現在、他の病気を治療している方やアライ以外に飲んでいる薬やサプリメントがある方は、必ずかかりつけの医師または薬剤師に相談しましょう
いかがだったでしょうか?何かわからない事があれば、花川病院の薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。(室内)