薬局よりDIニュース(12月号)のご案内です。 | 花川病院のブログ

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 みなさん、こんにちは虹毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース12月号」をブログでご紹介しますゾウ
 今月は「ゴーストピル」について記載しています鉛筆UMAくんゴーストピルおばけくん」という言葉を聞いたことはありますか?服用した薬が丸ごと便中に出てくることがあれば、それがゴーストピルです目「せっかく服用した薬がそのまま出てきてしまったら全く効いてないのでは……」と不安に感じる人も多いようですショボーンどういった薬剤に多いのでしょうか?

 

 薬剤の中には薬の成分が吸収され、添加物の一部が残渣(抜け殻)となって糞便中に排出されるものがあります薬この抜け殻を「ゴーストピル」、「ゴーストタブレット」と呼ばれ、錠剤の形をしたもののほか、“白いつぶ”のようなものが排泄されることもありますトイレこれらの現象は、徐放性製剤等の放出制御の工夫をした薬剤に多くみられます虫めがね

 

 徐放性製剤は放出制御製剤のひとつであり、持効性製剤とも呼ばれています時計製剤からの有効成分の放出を遅くすることにより服用回数を減らし、血中の有効成分濃度を一定に長時間保つことにより副作用を回避する製剤であり、最もよく用いられているのが経口投与製剤です。

徐放性製剤は、形態からシングルユニット型とマルチプルユニット型に分類されますイルカシングルユニット型は、錠剤全体が徐放性を持つように設計されている製剤のことであり、多くは消化管内で投与剤形が保たれたまま徐々に薬物を放出しますみずがめ座マルチプルユニット型は、投与された錠剤やカプセル剤が速やかに崩壊して顆粒を放出し、放出された顆粒が徐放性を示しますコアラまた、放出制御機構からは、リザーバー型とマトリックス型に分けられます。リザーバー型は薬物を含有する錠剤または顆粒を高分子皮膜でコーティングしたものであり、薬物の放出速度はこの皮膜の性質や厚さで決まりますヒヨコマトリックス型は、薬物を高分子やワックスなどの基剤中に分散させたもので、薬物分子のマトリックス内の拡散速度により放出速度は決まりますタコ

 

 ゴーストピルのように糞便中に錠剤の剤被が排泄されるのは、有効成分が不溶性のマトリックス基剤エチルセルロース等の被膜から放出された後、これらの賦形剤が吸収されずに排泄されるためと考えられています薬

先発品『アダラートCR錠』では添付文書にゴーストピルの記載はありませんが、後発品の『ニフェジピンCR錠「サワイ」』には記載があります。ニフェジピンCR錠「サワイ」は徐放コーティング剤としてエチルセルロースが使用されているためです。このように同一成分の徐放性製剤でもメーカーによって製剤処方が違うとゴーストピル発生の有無は異なります

 

 徐放性製剤は、薬の有効成分はほとんど吸収されているので心配の必要はありませんびっくりマーク

また、ゆっくり長く効果が得られるよう製剤工夫を施しているため、過剰投与の場合やかみ砕いて服用してしまったときなどの薬物の急激な放出による血中薬物濃度の上昇による重篤な副作用発現の危険性があります注意服用の際は注意しましょうおやすみ

 

いかがだったでしょうか?少しでも生活に役立てて頂ければ嬉しく思います。何かわからない事があれば、花川病院の薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。(室内)