みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース10月号」をブログでご紹介します
風邪の治療に欠かせない「去痰薬」、ただ痰を出し易くするお薬と思われがちですが身体にどういった具合に作用するのかご存じでしょうか
去痰薬には数種類あり、それぞれ作用メカニズムが異なっています。
実は健康な状態でも体の中で痰は常に作られていています。通常は分泌量も少ないため、知らない間に胃の方へ流れていきます。しかし、ウイルスや細菌など異物が入り込むと、それらと絡まり、粘り気や色のついた痰となって吐き出されます。呼吸器粘膜の上皮細胞表面の細かい「繊毛(センモウ)」が、異物を外へ押し出すために、下気道から上気道のほうへ運び上げるのです。痰に異物を絡ませ、体の外へ吐き出そうとするのは、人間の生態的防御反応なのです。健康な方であれば、痰の色は無色透明でサラサラしていますしかし、細菌やウイルスに感染すると黄色や緑など色が変わることが特徴です
去痰薬にはいくつか種類がありますが、実際の臨床では3種類の薬剤が使用されるケースがほとんどです当院にも採用がありますが、「ムコダイン(一般名:カルボシステイン)」、「ムコソルバン(一般名:アンブロキソール)」、「ビソルボン(一般名:ブロムヘキシン)」です
当院の使用量を見ると、ムコダイン(カルボシステイン)の処方が最も多く、ムコソルバン、ビソルボンと続きます。簡単に分類すると、ムコダインは痰の粘度と産生を抑えるお薬、一方でムコソルバンは痰のすべりを良くするお薬になります。DIニュース本誌では薬ごとの詳しい解説を載せてありますのでぜひご覧下さい
また、ムコダインとムコソルバンは去痰作用だけでなく慢性副鼻腔炎などの排膿作用も持ち合わせます。耳鼻科を受診して去痰薬が処方されたとしても間違いではありませんのでご安心を。
いかがでしたでしょうか?何かわからない事があれば当院の薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。
(薬局 長谷川)