みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース4月号」をブログでご紹介します
今月は「むくみ」について記載しています
夕方になると足がだるくなったり、お酒を飲んだ次の日は顔がはれぼったくなるようなことを経験された人は、少なくないと思いますそんなときは体の中ではどんなことが起こっているのでしょうか
むくみを知り、快適に生活しましょう。
むくみとは、いわゆる俗称で医学用語では「浮腫(ふしゅ)」といいます。ちなみに多くの「むくみ」は、病的なものではありません浮腫とは、血流の低下によって引き起こされます。細胞と細胞の間にある「細胞間液」という水分が過剰になることで起こります。細胞間液は、心臓から送り出された血液が通る動脈から酸素や栄養分を含む水分を細胞に届けると共に、老廃物を含んだ水分を心臓に戻す静脈、あるいはリンパ管へ回収する役割を担っています。
浮腫が下腿に認めやすいのは、水分が重力の関係で身体の下の方へたまりやすくなるからですふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれ、人類が二足歩行を始めた瞬間から重力に逆らって足の血液を心臓にもどすのに大きな負担を強いられるようになり、足のむくみとは切り離せない関係となっています
このため、リモートワークなどの長時間の同じ姿勢や運動不足は大敵で、ストレッチやウォーキングなど軽度の運動はむくみ対策として有効です
むくみは様々な要因が関係しています。主な原因は以下の通りです。
水分の摂りすぎ
食生活(アルコール・塩分)
運動不足
心臓や肝臓、腎臓などの病気
薬の副作用
むくみは現代医学と同様、漢方でも水分代謝が乱れ、患部に水が溢れた状態と捉えます水分の代謝には取り込みと排泄が重要で、胃腸と泌尿器がこの働きを担います。
過剰な水分摂取・疲労・先天的な虚弱などにより胃腸が弱ると、水分の吸収は何とかできても水分の適切な分配ができずに水分が偏ってむくみに繋がったり、加齢などによって泌尿器の機能が低下すると上手く体外へ水分が排泄できずにむくみに繋がったりと様々な原因からむくみは発生します
漢方は局在した水分を除くだけでなく、余分な水分を生むきっかけとなった臓器へも働きかけることでむくみを始めとした諸症状を改善するお薬です。
・冷え症の方のむくみにおすすめ
「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」
・二日酔いや水分のとり過ぎによるむくみにおすすめ
「五苓散(ゴレイサン)」
・水太りタイプで、下半身のむくみが気になる方におすすめ
「防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)」
多くの「むくみ」は、病的なものではありませんがいつものむくみとちょっと違う、原因が心配な場合は、自己判断せずに病院を受診しましょう
いかがだったでしょうか?少しでも生活に役立てて頂ければ嬉しく思います。何かわからない事があれば、花川病院の薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。(薬局 室内)