みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース10月号」をブログでご紹介します
今月は睡眠と睡眠薬について記載しています
睡眠不足は老若男女問わず大敵です睡眠が十分にとれないと心身の疲労が回復せず、日常生活の様々なシーンで支障をきたします
「睡眠時間を削ると、目覚まし時計が何回鳴っても起きられない」「心配ごとがあると、何度も目が覚めてしまい、翌日も調子が悪い」といったことは、誰もが経験しており、「睡眠の量(時間)
」「睡眠の質(ぐっすりと続けて眠れるか)
」「睡眠のタイミング
」の三つの観点から睡眠をとらえることが必要です。
私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めますこのような規則正しい睡眠リズムは疲労による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます
普段の就床時刻の数時間前に最も覚醒力が強くなり、1-2時間前には体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌され、急速に覚醒力が低下します。メラトニンは睡眠を促進する作用を持ちますが、明るい光の下では分泌が停止します
横になってメラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことなのです
朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また脳の温度が自然に高くなり、健やかな目覚めを迎えます。
睡眠とは決して「脳全体が一様に休んでいる状態」ではありません。眠っている間にも脳活動はさまざまに変化しますヒトの睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠(REM sleep)という質的に異なる2つの睡眠状態が約90分周期で変動することで構成されています
レム睡眠は、眠っているときに眼球が素早く動く(英語でRapid Eye Movement)ことから名づけられ、レム睡眠は浅い眠りと言われていますが脳は活動した状態で夢を見たりしているのです
この時、筋肉は緩んでいて身体は全く動かない状態になります。ノンレム睡眠は眠りが深い状態とされ、脳の休息、成長ホルモンの分泌による体内組織の修復、免疫機能の向上などの効果があります
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」のサイクルを一晩で4〜5回繰り返すことのできる、6〜8時間の睡眠時間を確保することが理想的といわれています
就寝前のアルコール摂取、テスト前緊張感によるストレスなど、様々な要因が重なる場合は最初の深いノンレム睡眠が現れにくくなります
不眠症とは、良質な夜間の睡眠を十分に取ることができず、仕事や学業に支障をきたすなど日中の機能障害が生じた状態を指します不眠症状には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などのタイプがあります。
不眠症を引き起こす原因はさまざまであり、心理的なストレス、飲酒、薬物、身体の不調など多くのものがあります不眠に関しての問題を抱える人の割合は高く、成人の30%以上が一過性の不眠症状を経験し、10%ほどが不眠症に罹患していると報告されています
不眠症の診断や治療の必要性は、睡眠時間のみでは判断できません
不眠症状が存在していることに起因して、昼間のパフォーマンスに悪影響を及ぼしているかどうかを判断することがとても重要です。
睡眠薬は、不眠症や睡眠が必要な状態に用いる薬です睡眠時の緊張や不安を取り除き、寝つきをよくするなどの作用があります。薬を選択する際の指標となるものの1つとして、薬の作用時間があります
作用時間とは、薬の服用によって期待する効果が持続する時間のことです。ご自身や介護を必要とされている方の睡眠パターンを正しく把握し、その状況を医師に正確に伝えることで、適した薬剤を処方してもらうようにしましょう
いかがでしたでしょうか?何か分からないことがあれば花川病院薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。(薬局 室内)