みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース9月号」をブログでご紹介します
今月はエキノコックス症についてまとめてみました
聞いたことあるけど、よく知らないという方も多いのではないでしょうか
近頃は札幌をはじめ道内の都市部の市街地や公園で、キタキツネが頻繁に姿を見せているようです“どさんこ”としてこの感染症についてもう一度理解を深めてみませんか
エキノコックス症とは寄生虫のエキノコックスによってヒトに起こる感染症のことを言います北海道では、キタキツネと野ネズミの“食べる-食べられる”の関係の中で感染サイクルを形成しているのが主となっています
ネズミの体内で孵化した幼虫が肝臓などに袋状の病巣を作り、それがどんどん広がっていきます
。感染ネズミをキツネが食べることによって、取り込まれた幼虫がキツネのお腹の中で親虫となり、糞中にエキノコックスの卵が排出され、その卵が手指、食物、水などを介して口から入ることで感染サイクルが成立するのです
。
キツネはエキノコックスが寄生しても平気ですが、感染したネズミは仮にキツネに食べられずに済んだとしても病巣が拡大し、死に至りますまた、ネズミの体内ではエキノコックスは幼虫のままでとどまり、親虫になることはありません
ヒトもネズミと同様、卵から感染し体内で親虫化が起きないため、ネズミからヒト、ヒトからヒトへ感染することはないのです。
ヒトが感染した場合には、エキノコックスは主に肝臓に寄生します。5~10年は無症状で自覚症状はありませんが放置すると90%以上が死亡します根治は、病巣部分を手術で切除する外科的方法です。切除が難しい例では
薬物療法
を行います。
…が、エキノコックス症は予防できる感染症です。正しい予防を心がけましょう。
また、ネズミを捕食するイヌ、ネコ等も感染します。注意しましょう
予防ポイント
・野山に出かけた後は手を良く洗う
・キツネを人家に近づけないよう、生ゴミ等を放置せず、エサを与えたりしない
・衣服や靴に付いた泥はしっかり落とす
・沢や川の水、井戸水は生水のまま飲まない
・山菜や野菜、果物等もよく洗ってから食べる
・イヌの放し飼いをしない
いかがでしたでしょうか?DIニュース本誌では、北海道の感染状況、治療薬等についても説明しています少しでも生活に役立てて頂ければ嬉しく思います
何かわからない事があれば、花川病院の薬剤師にお気軽にお尋ねください。(薬局 室内)