ついでが好きなけんじいは、名古屋での中学の同期会に合わせて、前日母への定期訪問と高校のミニクラス会出席を終え、名古屋のホテルに1泊した。
中学の同期会はオリンピックの年に行われる慣行だったが、前回はコロナで中止、今回は8年ぶりの開催となった。8年という年月は大きい。若々しかった人も含めてみんな明らかな老人の顔になった。名前を言われても結びつかない人もいた。そして、たいていはけんじい同様どこかここか病のタネを持っている。この間に亡くなった人もいる。
けんじいは前日の母にも友人にも「太った?」と言われたが、体重は全く変化なし。多分前立腺がん対策のホルモン注射のせいで見かけ女性化、すなわちまるぽちゃになっているのだろうと推測できた。髪も増えているし。
(名古屋城と並ぶ名古屋のシンボルテレビ塔)
高校の模型部で一緒に鉄道模型を作っていた男がこの同じ中学で他のクラスにいたことが分かった。そこでけんじいは蓼科高原鉄道の動画を見せた。彼は「自分もジオラマを作りたかったが、諦めて割合最近車両を二足三文で売った。知っていれば君に譲ればよかった」と言う。若い頃の趣味を続けている人は少ない。
狭い名古屋のことなので、みんなで話し出すとあちこちに共通の知り合いがいたりして、何十年も知らなかったことを知る。いや実はもう以前に聞いたのに忘れているだけかもしれない。修学旅行で東京に行った時のこと一つでも、ある人が鮮明に記憶していることと自分が強烈に記憶に残っていることとは全く異なる。
(会場の東新町あたり。右の道路は伏見通り)
隣の部屋に用意された二次会でもおしゃべりが続く。4年後にはきっと何人かは出られないだろう。それは自分かもしれないと少し寂しい気持ちになってみんなとサヨナラした。