中国からのお客様のもてなしの3日目は、八ヶ岳中央農業実践大学校の散策。ここと車山高原と2つ候補から選んでもらった結果である。何度も見たヤギ、ヒツジ、小馬はいたが、牧場にはウシが全くいなかった。
ランチは三井の森にある竜神亭。帝国ホテルのレストランと関係があるという話も聞いたくらいなので、前日の和食レストランとは大違い。お客様がメニューを見て「貴!」(クイ=高い)とつぶやいていた。
知り合いから、おやきのことを勧められたらしく、盛んにおやきがどこで買えるか気にするので、少し時間の余裕を見て駅前の土産物店に行った。さらに上司が近く自宅に呼んでくれる予定があるので、その際のお土産としてお酒を持っていきたいが、何がいいか聞かれた。宮坂醸造の真澄しか知らないのでそれを薦めた。
さて、ここでお別れと思ったら、何やらごそごそ探している。帰りの切符を入れたウエストポーチを山荘に置き忘れたと言う。駅員に事情を話しても当然「買い直してください。」としか言わない。特急券は諦めるとしても乗車券は使えるからと、やむなく駅から山荘を往復した。
駅に戻ると3分後に次の特急が出るところだった。駅員は「切符があるのならこの特急で空いている席に座ればよい」とのことで飛び乗った。どうやら空席があったようで、1時間遅れながら無事帰って行った。この余計な1往復でけんじいはどっと疲れが出た。
お客様はそれまで、「中国では近年私企業を圧迫し、国営企業に力を入れているがこれは逆行政策でいかによろしくないか」、一方「日本の手続きはなんと煩雑でかつ処理が遅いのか。例えば今回妻が来日するときのビザの手続きが県庁内で何週間もかかった」、「自宅のネット環境を整えるのに、何回も在宅しなければならなかった」、「中国ならあっという間に終わる」と雄弁に話していた。
しかしこの最後の出来事でシュンとなり勢いは止まってしまった。とはいえ中身の濃い思い出に残る3日間だっただろうとは思う。
3日間を通しての感想。初日にも書いたが、今の親は日本も中国も本当に子供に甘い。子供のなすがままだ。我々古い日本人の感覚では、相手の手前少しは子供を叱るかたしなめるそぶりを見せても不思議はないのだが、それが全くと言ってよいほどない。
驚いたのは洗面台の使い方の乱暴だったこと。水があっちこっち飛び散っているのは子供のせいかもしれないが、それを拭うなどのことをしないままだった。大学の先生(妻)と職員(夫)のかなりレベルの高い家族のはずである。それがこれでは、世の中で「中国人は・・・」と言われても仕方がないなあと思った。中国に親近感を持つけんじいにはとても残念なことだが。(このシリーズ完)